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日本郵政の野村不動産買収検討

皆さま、こんばんは!
さぁ、日曜日も宵の口で、また明日から一週間がはじまりますね。
私は明日は松本市へ日帰りなのですが、
あずさ1号では時間に間に合わないので、愛車のFitで中央Freeway~♪です。


金曜日の晩、家に帰りましたら家内が日本郵政が野村不動産を買収するの知ってる?!
と、少々酔いが回ったところでの突然の話しでしたので、
一瞬、マサカ??
確か先日、豪州の物流大手トール・ホールディングスで大穴を開けたばかりなのに。。


確かに日本郵政民営化後の経営方針の中で、
日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命という3現業部門以外にも
これら事業に跨る重要な経営資産として日本全国に郵便局という「不動産」を保有しており、これらの不動産をどの様に有効活用すべきかが問われていますが、10年前よりあまり目立った動きがないように思います。


確かに東京は丸の内の一等地のKITTEは不動産事業として完成度が高いので、一定の成功だったのではと思います。確か。。三菱地所との共同事業ではないかと思います。
一方、今年、名古屋駅前でもKITTEがOPENしていますが、こちらは丸の内の縮小版で少々導線が分かり難く、商業ビルなのかオフィスビルなのか良く分からないです。


でも、日本郵政は日本全国の市町村に郵便局を展開しており、店舗数ではセブンイレブンの比ではないはずです。その意味では、民間企業の中で日本一の不動産保有を誇り、かつ事業拠点数という意味でも、他に類を見ないほどの拠点数を擁しており、将来的な事業機会という意味では立地産業の中で非常に優位な立場だと思います。


その日本郵政が野村不動産の買収を検討する意味合いは、自社保有の不動産を「有効活用」し、新たな事業の柱にしたいという意味においては正しいかなと思います。
買収価格も野村不動産が上場していることからTOBになる為、今回も数千億円単位の買収になるようですが価格の妥当性も担保されます。


日本郵政の不動産開発という意味においては、日本郵政も不動産開発ノウハウを享受できるし、野村不動産側も東京五輪を控え高止まりをしている不動産価格を取得するのが難しくなっている中で新たな事業用地を獲得できるという意味においては、双方ともWin-WinのM&Aとしては最良のご縁談ではと思われることと思います。


が、しかしです。
実際に日本郵政の不動産を有効活用して行く為には、6000人もの優秀な不動産従事者をグループに擁する必要があるのでしょうか。
多くとも、その1/10位のノウハウを得られれば十二分に不動産有効活用は達成できるのではないでしょうか。


残りの9/10は既存の野村不動産という従来からの事業を買収することであり、両者のシナジー効果とは関係のない、野村不動産固有の事業を買収することになります。本当にその部分を日本郵政が必要としているのか否かは分かりませんが、極端な見方をすると「株式投資」を行うのと同じであり、裏を返せば事業のリスクを抱え込むのと同義です。


ここで豪物流会社の買収が彷彿されるのですが、日本郵政はM&Aの目的をどの様に考えてられるのか気になるところです。今から不動産業界に殴り込みを掛けるとお考えだとしたら、まだ理解できますが、人口が確実に減少して行く中で、また東京五輪後に特需が剥げると業界の関係者が冷静に受け止められていることをどの様にお考えなのか。


確かに、昨今、新聞紙上を毎日のように賑わしているM&Aの多くは新たな産業への進出の為に時間を買う、または海外旬出を果たす為のマーケットを獲得する為のM&Aが多いように思います。M&Aにおいて大切なのは、規模の大小ではなく投資対効果の観点から、如何に少ない資金で多くのリターンとしての利益を得るかです。


その為には、如何に事業統合する両者間における多くの相互補完効果が見いだせるかが重要です。上場企業およびそれに類する企業の買収は、株式市場というマーケットで株価が合理的に決定されていますので、よほど事業上の相互補完性によりニュービジネスが創出されない限り、または何れかの事業構造が大幅に変革しなければ、買収後に市場価格以上の企業価値に底上げするのは相当に難しいと言わざるを得ません。


M&A取引が千三つと言われるのは、その様な所以があるのかもしれません。
日本郵政が本当に着実に不動産事業を立ち上げて行かれるのなら、小さく産んで自助努力で事業を拡大して行くことが、最大の利益を享受できるのではないでしょうか。
その事業の種となる小粒だがキラリと光るノウハウを持つ企業を買収することも考えられるかもしれません。


改めてM&Aとは両者が統合することにより1+1=3以上となる事業の仕組みを如何に構造として思い描けるかだと考えた次第です。企業が組織により運営されている以上、トップの一存だけではM&Aの様な大事業は行えず、コンセンサスという難しさがあることを頭の片隅に置いておかなければいけませんね。さぁ、どの様な方向に進んで行くのでしょうか。。

されど財務!

皆さん、こんにちは!
本当は昨晩書き込みをしたかったのですが、
新たに設立した会社のWebサーバーのレンタル契約をしてイザ設定と思いきや、
何と夜中になっても開通できず、サポートはメールのみで途方に暮れていました。


今日、気を取り直して、素人が時間を費やしても非効率なので、
近所のPCデポに相談に行ったら、
なんと、お客さ~ん、これはサーバー側の問題ですよ-m.m.m.
やはりその道の専門家に任すべきだと思いなおしていた所です!


で、我を振り返って「財務」。されど「財務」!
財務って、お仕事としての業務内容の定義付けが難しいですよね。
会社によって概念がマチマチですから。
良く言われるのが、財務と経理をゴッチャにしていること。


会社によっては経理部の中に財務があったり、
財務部の中に主計があったりで、
人と話す時に、まずは定義付けから話さないと同じ言葉を話しているのに、
実は互いに全く異なる意味やシチュエーションで捉えているなていうことがあります。


コミュニケーション・ギャップ!
世の中には同じ様なことが沢山ありますよね。
意外と人の会話なんてギャップだらけで成立しているのですから恐ろしい。。
情報化社会ですと益々その様なことが増えて来るのでしょうね。


その点、法律とか経理とかは用語の定義が明確なので、Theビジネス!という感じがします。それでも裁判制度がある位ですから、人間の為すこと全てにおいて解釈が難しいのでしょうね。営業という職種の場合、むしろ言葉の定義が曖昧の方が都合がよい場合もあります。商品やサービスをビジュアル化して、フィーリングで会話する。


これもビジネスですね!
所詮、個々人の考えや意見を言語で表現することは難しいものです。
表現する以前に、自分の内面の思いを語る言葉が見つからずにモンモンする経験は
誰にでもあるものです。


その点、ビジュアル化は、一つのコミュニケーション手段として、言語に勝る威力を持つものと思います。少々、難しい言葉で定義付けをさせて頂きますと一橋大学名誉教授野中郁次郎先生の「暗黙知」という概念があります。言語化できる経験知だけではない、それ以前の内面的な経験。職人さんの匠の技と言うと分かり易いかもしれません。


どんなに機械化が進んだ切削研磨技術であっても、職人の肌感覚の方が精度が高いことが実証されています。技術には肌感覚の部分(=暗黙知)と標準化された機械的な部分(=形式知)があります。現代社会では、形式知が行き過ぎてた社会となっていますが、本来は五感をフルに活用した部分とのバランスがとれて始めて風合いのある商品が出来るものと私も思います。


ホテル等のサービス業においても、
マニュアル運営と人間の五感を活用した本質のサービスの違いは、
誰でも直ぐに分かります。
一方、ディズニーランドがマニュアル化の産物であることは正直驚きですが。。


で、財務。
財務も同様に、暗黙知と形式知の両者を活用しないと、その企業の本質に迫れないと私は考えます。財務が活用するのは数値=経理ですので、形式知としての経理や会計を十二分に理解していないと財務を操ることは出来ません。


その財務経験も、個人個人生い立ちが違いますので、一括りにするのは難しいです。
私の財務は、勘定式貸借対照表のT字の縦棒の財務。。生粋の財務経験(=貸借対照表の貸方側)というよりも事業寄り(=貸借対照表の借方側)のちょうど真ん中です。
事業サイドと財務サイドの両方を理解したうえでベスト判断が出来るポジションです。


かと言って、広く浅く両方をということではなく、生粋の財務以上の豊富な経験を積んできていると自任します。ただし、ややこしいのは、今の日本は、余りにも社会の組織システムの完成度が高く、両方を許さない社会なんです。というか、社会に出ると専門特化することになるので、あり得ない話となってしまいます。


ただ、中庸のポジションで私が困るのは、そんな訳で専門の業界を持たない事です。日本で言えば職種として「財務」を軸としながら会社再建だのM&Aと事業寄りの幅を広げながらCFO、CEO迄経験を積み上げてきましたが、業界領域としては不動産、情報家電、金融となりますので、この道30年の業界経験者には流石に叶わない。。


広義の財務という業種があれば良いのですが、そんな業種はありません。財務アドバイザーという業種もありますが、非常に専門特化した実務となりますので、年齢も50も半ば。。其々の財務の専門領域を経験してきましたので、総合力で勝負しなければいけませんしね。


だからかどうか分かりませんが、今、自らの会社のWebページを作成しているところです。間違いなく言えますのは、金融でもなく、事業でもなく、「財務」で有り続けることです。私の財務の定義は、財務計数で事業を理解し、表現すること。財務の魔術師でありたいと思います!


事業連携

皆さん、こんばんは!
GWもいよいよ終わりですね。
今日の都内は人もまばらで、とても快適でした。
普段、通勤電車に慣らされている感覚を客観視するには良い機会ですね。


さて、今日は事業連携について書いてみたいと思います。
通常、事業連携と言うと企業が何かの目的を成し遂げる為に、
同じ目標を持つ企業と手を取り合って共同で行うという意味で理解されていると思います。例えば、高速バスがある目的地との間を共同運行するというように。


どの企業でも、競争関係があるなかで社内のベクトルを一つに向け継続的に利益を上げて行くためには、ある種の「型」といいますか、時間を経て組織に定着した方法というものを持っていると思います。少しの外的な圧力では揺るがない確固としたノウハウ。これを会計では「のれん」という無形の価値ある財産として理解されています。


利益の源泉となるものですが、事業活動を行うには有形の製品、製造機器、倉庫や無形の信用力、意匠、ノウハウといったものがほど良い関係を保ちながら事業を形づくっています。この関係をサプライチェーン(=資源の供給連鎖)といいます。この連鎖関係を最適にすることにより、企業は最大の利益を得ることが出来ます。


一方、最終消費される商品を原材料の加工からお客様に提供するまでの連鎖の過程を全て一つの企業内で作り上げるには、業種にも寄りますが相当の時間なり、資金を要することになります。それでも戦後の日本の製造業は最終製品を提供する為に必要な機能を出来る限り独自に整えてきたと思います。


しかし、戦後の生活消費財を大量に品質を高めながら安く提供してきた時代とは異なり、どこの家庭でも生活必需品は不自由なく整っていますので、一つの商品を大量に作り続ける仕組みは、今日においては必要とされていないのかもしれません。それ以上に、情報化社会により消費者の嗜好の移り変わりも速まるばかりだと思います。


その様な中で、先ほどの商品を供給する為に必要な機能を独自に社内に取り揃えることは、時間的にも資金的にも労力が掛かるばかりか、今の時代においてはリスクとも言えます。いま日本の企業は挙って海外をはじめとする企業のM&Aに力を入れていますが、これはその時間を節約する為ですが、方や資金の節約に繋がっているとは言えません。


むしろ、資金の節約や投資のリスクを回避する為には、先のサプライチェーンを構築するにあたり、全ての機能を独自に取り揃えるのではなく、業界を超えて必要な機能を持つ企業と連携関係を組む方が効率的だと思います。仮に、市場環境が大きく変わり提供すべき商品の供給を停止する場合でも損失を最小限に留めることも可能になります。


また、中小企業においても、事業を営む上での様々な制約から、一芸に秀でる企業が多いと思います。今までは、大手企業を頂点とする生産体制の中に組み込まれて来ましたが、大手企業も最後まで責任を持ち続けられる程の余裕がなくなっておりますので、一芸に秀でる中小企業同士が手を取り合い求められる商品を提供する時代だと思います。


事業連携のポイントは、今までの産業構造が自前主義と大手依存体制で成り立ってきましたので、ここにきて急に業界を超えて事業連携をするノウハウや意識が不足しているのが気がかりです。盤石な財務基盤を前提に効率性を追い求めてきた為に、物事の視点が内向きになり過ぎているように思います。


どうしてもライバル意識が強く出てしまい、協調関係を築いていくことに不慣れなこともあると思います。もう一つは、自身の事業がどの様な機能によって構成されているかという視点で事業を見つめている人材が不足している様にも思います。戦後体制を考えればやむを得ないところもあると思います。ただ、時代は大きく変わりつつあります。


新規事業の立ち上げ、創業や起業(事業立上や事業再生とは異なる野生の能力も必要ですが。。)、事業再生等のご経験のある方なら、少なからずや事業の仕組みという視点を持たれていると思います。この経験に既存事業の仕組みや状況を理解し、経済環境の変化にアンテナを張っていれば、自ずとどの様な事業連携を図るべきかが見えてくるものと思います。


その上で、核となる自らが磨き続けるべき事業に必要な機能をしっかりと持ち続けることが、これからの時代に必要ではないかと思います。ビジネスマンであっても同じことが言えるのではないでしょうか。東京五輪に向けて景気の良い今だからこそ、その準備を進めておくべきだと考えています。