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セブン&アイHDのパーパス!

皆さん、おはようございます!
右目が随分と見える様になってきました。というのも、突然に網膜に亀裂が入り血管を傷つけてしまったために眼球内の出血がひどく、殆ど眼が見えない状態が続いたからです。出張中の出来事とはいえ、これといった自覚症状もなく突如襲われた症状に驚きが隠せません。



そごう・西武百貨店の売却を決定したセブン&ホールディングス(=HD)ですが、同百貨店に続きスポーツ専門店オッシュマンズ・ジャパンを靴販売専門店ABCマートに全株式を売却することを発表しています。同社を足掛かりにアウトドア用品等の品揃えを増やしたいABCマートと非主力事業の見直しを進めるセブン&アイHDの思惑が一致した格好です。


背景にありますのは、米アクティビスト(=もの言う株主)のバリューアクト・キャピタルによるセブン&アイHDに宛てたガバナンス体制改革を求める提案書にもあるのかもしれません。そごう・西武の売却のみならず総合スーパーイトーヨカ堂の早期売却を行い、コンビニエンスストアを中心に食品小売業や生活雑貨に集中するように求めているとのことです。


祖業であるイトーヨーカ堂については、アパレルやテナント事業の経営者として不適格であることから、売却や独立などにより食品小売事業等に集中し、商業リースなどの不動産管理は別の企業が運営するのが最適だとしています。ロフト、赤ちゃん本舗、ニッセンホールディングなどの非中核事業も、相乗効果が薄いことから売却や切り離しが必要としています。


これら改革を実行した場合、セブン&アイHDの株価を2倍以上に高められ、1株利益(=EPS)は40%改善するとバリューアクト・キャピタルは主張してます。それはファイナンス理論上は、その様な試算となるのかもしれませんが、単に費用対効果の低い非中核事業を切り離すだけでは短視眼的であり、将来に向けた事業構想が欠けているものと思います。


洋品店を祖業に持つイトーヨーカ堂ではありますが、既にファーストリテイリングをはじめとする新興成長企業に後塵を拝しており、総合小売産業という過去の目標だけではステークホルダーの賛同を得られないばかりか、将来の事業展開に対する魅力に欠けていることも否めないでしょう。だからといって米アクティビストの提言に従うのも違うものと思います。


一株主の意見として耳を傾けることは必要ですが、いまセンブン&アイHDにとって必要なことは、闇雲に株価を高めることを追求するのではなく、一市民企業として社会から求められている課題に対して、どう応えていくかその存在意義(=パーパス)を明確にして行くことではないかと思います。傍から見ていて、そこがぼやけていることが否めないでしょう。


確かにイトーヨーカ堂の食品は、他のスパーマーケットに比べても品揃えが豊富でありコストパフォーマンスが非常に高いと感じます。セブンイレンブンについては、ただ地域に根差した買回り品の利便施設の域を超え、様々な利便機能を提供する施設として進化してます。
アインホールディングスと連携して処方薬をセブンイレブンで受け取れる様にもなります。


社会動向変化を受けて、セブン&アイHDは自らの強みをどこに見出しそれを強化していくか再定義する必要があると思います。最大の強みは店舗立地だと思いますので、ただスイーツの新商品投入ばかりを競っていないで、その地の利を生かした物販に拘らない異業種他社と連携したビジネスモデル転換を果たし、様々なサービス機能の拡充が望まれるでしょう。


今日もありがとうございます!
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