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事業連携

皆さん、こんばんは!
GWもいよいよ終わりですね。
今日の都内は人もまばらで、とても快適でした。
普段、通勤電車に慣らされている感覚を客観視するには良い機会ですね。


さて、今日は事業連携について書いてみたいと思います。
通常、事業連携と言うと企業が何かの目的を成し遂げる為に、
同じ目標を持つ企業と手を取り合って共同で行うという意味で理解されていると思います。例えば、高速バスがある目的地との間を共同運行するというように。


どの企業でも、競争関係があるなかで社内のベクトルを一つに向け継続的に利益を上げて行くためには、ある種の「型」といいますか、時間を経て組織に定着した方法というものを持っていると思います。少しの外的な圧力では揺るがない確固としたノウハウ。これを会計では「のれん」という無形の価値ある財産として理解されています。


利益の源泉となるものですが、事業活動を行うには有形の製品、製造機器、倉庫や無形の信用力、意匠、ノウハウといったものがほど良い関係を保ちながら事業を形づくっています。この関係をサプライチェーン(=資源の供給連鎖)といいます。この連鎖関係を最適にすることにより、企業は最大の利益を得ることが出来ます。


一方、最終消費される商品を原材料の加工からお客様に提供するまでの連鎖の過程を全て一つの企業内で作り上げるには、業種にも寄りますが相当の時間なり、資金を要することになります。それでも戦後の日本の製造業は最終製品を提供する為に必要な機能を出来る限り独自に整えてきたと思います。


しかし、戦後の生活消費財を大量に品質を高めながら安く提供してきた時代とは異なり、どこの家庭でも生活必需品は不自由なく整っていますので、一つの商品を大量に作り続ける仕組みは、今日においては必要とされていないのかもしれません。それ以上に、情報化社会により消費者の嗜好の移り変わりも速まるばかりだと思います。


その様な中で、先ほどの商品を供給する為に必要な機能を独自に社内に取り揃えることは、時間的にも資金的にも労力が掛かるばかりか、今の時代においてはリスクとも言えます。いま日本の企業は挙って海外をはじめとする企業のM&Aに力を入れていますが、これはその時間を節約する為ですが、方や資金の節約に繋がっているとは言えません。


むしろ、資金の節約や投資のリスクを回避する為には、先のサプライチェーンを構築するにあたり、全ての機能を独自に取り揃えるのではなく、業界を超えて必要な機能を持つ企業と連携関係を組む方が効率的だと思います。仮に、市場環境が大きく変わり提供すべき商品の供給を停止する場合でも損失を最小限に留めることも可能になります。


また、中小企業においても、事業を営む上での様々な制約から、一芸に秀でる企業が多いと思います。今までは、大手企業を頂点とする生産体制の中に組み込まれて来ましたが、大手企業も最後まで責任を持ち続けられる程の余裕がなくなっておりますので、一芸に秀でる中小企業同士が手を取り合い求められる商品を提供する時代だと思います。


事業連携のポイントは、今までの産業構造が自前主義と大手依存体制で成り立ってきましたので、ここにきて急に業界を超えて事業連携をするノウハウや意識が不足しているのが気がかりです。盤石な財務基盤を前提に効率性を追い求めてきた為に、物事の視点が内向きになり過ぎているように思います。


どうしてもライバル意識が強く出てしまい、協調関係を築いていくことに不慣れなこともあると思います。もう一つは、自身の事業がどの様な機能によって構成されているかという視点で事業を見つめている人材が不足している様にも思います。戦後体制を考えればやむを得ないところもあると思います。ただ、時代は大きく変わりつつあります。


新規事業の立ち上げ、創業や起業(事業立上や事業再生とは異なる野生の能力も必要ですが。。)、事業再生等のご経験のある方なら、少なからずや事業の仕組みという視点を持たれていると思います。この経験に既存事業の仕組みや状況を理解し、経済環境の変化にアンテナを張っていれば、自ずとどの様な事業連携を図るべきかが見えてくるものと思います。


その上で、核となる自らが磨き続けるべき事業に必要な機能をしっかりと持ち続けることが、これからの時代に必要ではないかと思います。ビジネスマンであっても同じことが言えるのではないでしょうか。東京五輪に向けて景気の良い今だからこそ、その準備を進めておくべきだと考えています。

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