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JR東日本のネット銀行参入!

皆さん、おはようございます!
働く方々を応援しながら、まちづくり(=持続可能循環型地域経済)を果たしたいということが内に秘めた思いです。土地・労働・資本という生産三要素のうち労働に着目しています
。土地は有限の資源、資本は労働という無限の創造力に裏付けられた資源に他なりません。



JR東日本はデジタル金融サービス「JRE BANK(=JREバンク)」を5月より始めます。インターネットで開設できる専用口座を介し預金や住宅ローンなどのサービスを提供、鉄道や駅ビルの割引特典も設け、銀行口座を起点に集まるデータを活用し、鉄道や流通
、不動産など各事業の相互送客を促す新しい成長戦略を加速していくことを企図してます。


JREバンクは、銀行が事業会社に金融システムを提供する「BaaS(=バンキング・アズ・ア・サービス)」の手法で展開して楽天銀行のインフラを使用し、JR東日本傘下のビューカードが銀行代理業の認可を得て事業を担います。当初目標として100万口座の開設を目論んでいます。Suicaの発行枚数が累計1億枚超なので随分と控えめな目標です。


ネットバンクは最低100万口座獲得することが損益分岐ラインと見られてますから堅実な目標と言えるかもしれません。ただし、注目されてるのが鉄道会社ならではの特典を用意していることです。資産残高など利用状況に応じて、新幹線を含むJR東日本の片道運賃を年10回まで4割引きとする他、モバイルSuica利用者にも様々な特典を用意してます。


鉄道以外でも、グループが手掛けるホテルの宿泊料金を最大20%引きとしたり商業施設ルミネで一定額以上の決済をした若者にはJREポイントを約1000ポイント還元するなどの特典を用意しています。これが専業のネットBANKでしたら、せいぜい振込手数料や預金金利に特典を付与することしか出来ません。JR東日本の強みを如何なく発揮できます。


JR東日本がネット銀行へ参入する背景として、新型コロナウイルス禍のテレワーク定着や沿線人口の減少により、これまで収益の柱としてきた鉄道利用需要を伸ばすことが難しくなっており、独自の特典を付与した金融サービスを打ち出すことにより、鉄道事業の観光利用による販売促進や沿線商業施設などでの消費拡大につなげて行きたい考えを持っています。


その上でJR東日本が目指すのが、JREバンクを起点としたSuica経済圏の再構築にあります。ヒト・モノ・カネの膨大な情報の蓄積をサービス開発に生かしたいという考えを持ちます。鉄道や駅ナカ、ホテルなど利用促進を生み出し、各事業の相乗効果を発揮することを狙いとしています。新しい金融ビジネスの取組みとして非の打ちどころがありません。


これまでのSuicaは、進学や入社、転居に合わせて定期券の買い替えが発生し、その度に個人情報が途切れてしまい、有望なデータをサービス開発に生かし切れていなかった課題がありました。生涯使用できる銀行口座を介して、個人データを集約・分析することが出来れば、居住地や年齢に応じた割引券など、顧客層を絞った施策を打ち出すことが出来ます。


JR東日本としては、データを駆使したマーケティング戦略やサービス開発を一歩先に進めて行くとしています。新しい金融サービスのあり方として注目に値すると思います。このことは既存事業にばかりでなく、長い目で見ると銀行業のあり方にまで影響を及ぼすことになると思います。一方、インフラを提供する楽天銀行にも多大な好循環をもたらすでしょう。


今日もありがとうございます!
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