誰にも聞けない経営財務戦略!

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観光ファンド!

皆さん、おはようございます!
お客様の立場にたって悩みや困りごとの話しをお聴きする機会が多いです。できる限り解決方法をお伝えすることなく、自ら答えを見出し決めて頂くように心がけています。差し迫った課題を解決する必要がある場合は幾つか選択肢を用意して選んで貰うようにしています。



旅行業大手のJTBが、三菱UFJ銀行などが立ち上げた観光産業向けのファンドに出資するそうです。観光ファンドを通じて宿泊施設の改築などに資金を供給するほか、観光関連のデジタル事業を手掛ける新興企業と連携することが狙いとしてあります。新型コロナウイルス禍の収束をにらんで、異業種との協力関係を広げていきたい考えを持っているようです。


6月にも日本航空等と共に「ALL-JAPAN観光立国ファンド2号」に出資する計画です。JTBは出資金額を明らかにしていませんが、観光ファンドは約100億円ほどの資金を集め、組成から5年間で出資先を探し10年間ほどで投資回収を目指しています。ファンドへの出資に先立ち、ファンドを運営する地域創生ソリューションの増資を引き受けます。


地域創生ソリューションは、2018年に三菱UFJ銀行の呼び掛けによって設立された日本国内の観光資源に投資することを目的に設立されたアセットマネジメント会社であり、積水ハウス、日本航空、三菱地所、大和不動産鑑定、三菱総合研究所、明治安田生命などが出資しています。これから日本経済の基幹産業となる観光事業に目を付け面白いと思います。


「人をつなぎ、地域をつなぎ、日本と世界をつなぐ観光は、日本の成長戦略の柱、地方創生の切り札Nipponの観光の礎に」を基本理念として掲げてます。「ALL-JAPAN観光立国ファンド」は、都市部・地方部を問わず日本全国を対象に、観光施設の整備や観光産業を支える企業の成長支援を通じて観光立国の実現を目指しているファンドと言えます。


裾野の広い観光産業の育成を通じて地域の経済を元気にし、観光資源を見つめ直すこで「地域の誇り」を再発見することに少しでも役立つことが出来ればと考えている様です。「観光立国ファンド1号」は、国内の民間初の観光ファンドとして35件、総額約160億円の投資を行っています。ファンド金額の大きさから見ても、財閥三菱の総力を結集しています。


1号ファンドは自己資金での改装が難しいホテルや訪日外国人(=インバウンド)向けメディアを手掛ける新興企業などに出資した実績を持ちます。既に投資先であるAI開発と旅行業界向けITソリューションを提供するtripraが東証グロース市場に株式公開を果たしており、ファンドとしてのポートフォリオ全体で一定のリターンを享受するのでしょう。


これまでファンドといいますと、プライベートエクイティや不動産ファンドなどのリターン目的のファンドが多いなかで、今般の観光ファンドは理念も明確であり社会的な意義が大きいものと思います。国内で金融商品といいますと貯蓄を目的とした預金が通り相場となっていますが、ファンドとして理念や目的を明確にすれば投資へもお金が回る様な気がします。


今般の観光ファンドは機関投資家などを中心に出資を募ってますが、これから地域内で資金を循環させる意味で小型の地域ファンドが市民権を得るのではないかと思います。地域金融機関では限界がある地域内での資本還流を補完する意味もあります。ファンド運用に際して中小事業に向き合い共創しながら事業を成長させて行く目利き力が何よりも大切でしょう。


今日もありがとうございます!
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新たな地域金融のカタチ!

皆さん、おはようございます!
若い時から培ってきた企業財務というスキルを核に、M&Aやアライアンスなどビジネスモデルを描き出すことまで能力を高めて来ました。そして、現在では人的資本の価値を高めるべく、事業に携わる方々のマイパーパス(=生きる目的)を引き出すことに傾注してます。



金融庁が2003年に「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」を公表して以来、多くの金融機関がリレーションシップバンキングに舵を切って来てます。リレーションシップバンキングとは、長い間続いている取引関係の中から、金融機関が借り手企業の経営者の資質や事業の将来性などの情報を得て、融資等を実行するビジネスモデルのことです。


定量化されにくい定性情報、地域の実態に根ざした情報が有効活用されることにより、①地域の中小企業への金融の円滑化、②貸し手、借り手双方の健全性の確保が図られ、中小企業の再生を通して、地域経済を活性化するのに果たす役割は大きいと期待されてのことです。
しかし、それから20年が経過した現在、それが見掛け倒れで終始してしまってる様です。


それは、金融機関の規模に関わらず、組織が縦割りとなってしまっており、職員が本部から毎日のように降って来るノルマに追われてしまい、とても自律的に行動する組織とは言えない状況のまま留まっているからです。また、定性情報を重んじるといいながらも、未だお客様の信用格付けや財務スコアリングといった定量情報に捉われていることが上げられます。


お客様の財務諸表を中心とした定量情報をどんなに金融工学を駆使して返済が滞る可能性や倒産リスクを計量的に把握しようとしても限界があります。それは、そもそも財務諸表が過去の情報であり、これからの未来のことを表現している訳ではないからです。それを過信する金融機関側の論理を変えない限り、お客様との情報の非対称性は是正されないでしょう。


その様な金融機関に対して経営者は心を開いて本音など語る訳はないのです。金融機関はもっとお客様の存在を金融事業の全てに優先させる目標として掲げる必要があるでしょう。お客様のために寄り添い、お客様とともに成長していく自利利他の関係を築いていかなければ
、早い速度で社会環境が大きく変化しているこれからの時代において淘汰されるでしょう。


現に金融機関の職員は、お客様である経営者の所に訪問しても資金の話ししか出来ず、事業のこと、経営のこと、そして理念についての話しが出来ません。成功しているかに見える企業も、時代が大きく変わっている経済環境下でこれまでのビジネスモデルのままで生き残れる訳はなく、経営者は将来に向けてどの様に舵を切っていくべきか独り思い悩んでいます。


その様な経営者の絶大なる信頼を得て、悩みを傾聴し進むべき道に共感することが、何よりも増して優先すべきことでしょう。その上で、始めて具体的に事業再構築するにはどうすべきかという話しに繋がっていきます。そこから実際に事業再構築するためのコンサルティング業務へと展開することが可能になるでしょう。金融機関には融資という武器があります。


金融機関に拘わらず、これからの時代はお客様を事業の主軸として捉えていかないと正しいビジネスモデルが描けないと思います。多くの企業が自らが提供する商品に磨きをかけることに終始し過ぎているからでしょう。それは、ある意味では自己満足であり、お客様にとって何が期待されるのかという視点で、これまでの組織体制を変えて行く必要があるのです。


今日もありがとうございます!
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半減する「大工」!

皆さん、おはようございます!
真似て教科書通りに実行することが苦手なせいか、あまり他者に教えて貰ったことは記憶に留まりません。それより、自分で創造力を働かせながら苦労して身に付けほうが暗黙知として刻まれます。後から教科書を読み返し、それが間違いでないというパターンが多いです。



住宅の建設や修繕の担い手である大工が著しく減少しているようです。2020年時点で29万7900人と過去20年間で半減(=過去40年では1/3の水準)していることが明らかにされています。賃金水準などの待遇改善が遅々として進まず、若い世代が減り高齢化が一段と進んでいる格好です。これも建設業という産業構造上の問題だと受け止めてます。


そもそも大工という仕事は、一人親方と呼ばれる建設会社や工務店からの下請け仕事となっており、それら建設会社や工務店が同業他社との競争が過熱し過ぎているため、過度なコストダウンによるシワ寄せが大工に来ているのでしょう。大工の年収は雇用される労働者で約364万円、一人親方(=個人事業者)なら約424万円に留まっている現実があります。


業界の流れとしても、プレカット工法という工場で住宅建設に必要な木材すべてを採寸加工し、建材全てを纏めて建設現場に直送する仕組みが恒常化していることも理由に挙げられます。建設現場で住宅を組み立てる工期を出来る限り減らして工事費を出来る所まで減らしたいというインセンティブが働いています。工期が短くなれば当然に大工の収入が減ります。


一方、プレカット工法が常態化しているで、大工の技量も低下していることが否めないでしょう。従来工法ならば、建設現場で鉋をかけたり刻みを行いますので、大工の技量も場数を踏めば踏むほど腕が上がるというものです。ところが、現在のプレカット工法による建設現場では、まるでブロックでも組み上げるかの様にほんの数日で棟上げすることが可能です。


その様な現代の大工に若手が興味を持たなくなっているのは、教育制度にも問題があると思います。現代の教育は大手企業のサラリーマンにでも仕立てることを目的としているかの様な画一的な教育が為されているからです。もっと子どもたちの個性を尊重する教育制度となれば、一身に技術を身に纏った大工に対して憧れの眼差しで関心を持つ人もいるでしょう。


昔の棟梁というものは、自ら植生している樹木を見立て木挽きを行って建材として使用できる状態にしていったものです。それが規模の経済追求により、各々の加工プロセスが分業化されてしてしまったところにも現代社会の課題があるように思います。ドイツのマイスター制度のように政策的に専門的な技術を持った職人を育てなければ社会的な損失となります。


これから日本の人口が本格的な減少期を迎え、仮に住宅着工件数が減っていくとしても、少子高齢化社会であること考慮しますと、バリアフリーなど住宅のリフォーム需要が増えて行く筈ですが、リフォームは工場生産は出来ませんし、住宅の経年劣化の状況を見極めて適切な改修工事が求められますが、その時には既に遅しではありませんが大工がいないのです。


このままだと2035年前後には大工が約15万にとなり、2040年前半には10万人を切る水準にまで減るという予測数値があります。木挽き職人を復活させようとまでは申しませんが、デザイン、設計、施工といったサプライチェーンの幅広い技術を身に付けた多能工化という考え方も出来ます。何れにしても、個性を尊重する社会に変える必要があります。


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