誰にも聞けない経営財務戦略!

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バーニーズジャパン!


皆さん、おはようございます!
経営者というものは、自らの意志について明確に顕在化させ認識している必要があると感じています。それに気付かず事業を営むことも出来ますが、そこにギャップがあると事業を営んでいてもどこか朝令暮改的になってしまい、言動に迫力が欠けてしまうものだからです。



セブン&アイ・ホールディングス(=HD)は、全額出資子会社であるバーニーズジャパンを免税店事業などを手掛けるラオックスホールディングに売却することを発表してます。経営構造改革の一環で、主力のコンビニエンスストア事業に経営資源を集中することが目的です。またセブン&アイHDが無機質な事業展開にコマを進めていることに対し危惧します。


バーニーズジャパンは、高級アパレル洋品を中心としたセレクトショップ「バーニーズ ニューヨーク」を運営しています。2月末時点における国内の旗艦店やアウトレット店を合計10店舗保有しており、電子商取引(=EC)サイトも手掛けています。2023年2月期の売上高が127億円であり、最終の損益が7億円の赤字であることが公表されています。


一方、中国系企業であるラオックスは今般のバーニーズジャパン買収について、富裕層向け販売を増やすことを狙いとしています。また、中国での事業経験を生かし、バーニーズニューヨークのアジアでの出店やEC展開も視野に入れている模様です。単なるバーニーズのマーケット買収とは異なる、ブランド購入を目的とした比較的面白みあるM&Aと言えます。


グループ内金融事業も再編するセブン&アイHDは、先般、イトーヨーカ堂の撤退を発表しており、ますますセブンイレブンというコンビニエンスストア事業に傾注することを鮮明にする格好です。確かにセブンイレブンのビジネスモデルの完成度は高く、これからも進化し続けることが期待できます。しかし、将来的には単一事業だけでなく新規事業も必要です。


セブン&アイHDから見ればバーニーズジャパンは、取るに足らんニッチな事業と言えるでしょう。しかし、その様な高級アパレル洋品のセレクトショップであっても、多くの事業資源を内包しており、それらを生かして業態を進化させることも可能だったと思います。バーニーズというブランド以前に、セブン&アイブランドに胡坐をかいてしまったのでしょう。


今のセブン&アイHDには、セブンイレブンを業態開発した時の様な事業創出するエネルギーが欠けており、物言う株主の言いなりになってテクニカルに株価を高めることに傾注しているのでしょう。その意味では、いま一度、創業時の企業理念を紐解いて社会の中における自らの存在意義を確認すべきだと思います。それ以前に現経営者の意志がどこにあるのか。


経営者個人の意志が不明確では、これからの将来が不透明な事業環境の中で、答えのない答えを出す経営判断を行うことが難しくなってしまいます。だから他社に追随するかのように
、安易に株価を高めることに傾注してしまうのでしょう。これからの少子高齢化社会の到来という社会的課題に対してセブン&アイHDが事業を通して為すべきことは沢山あります。


一度完成させたビジネスモデルを自ら壊し、再び組み上げる勇気が今の企業には必要だと思います。その為には、経営者に何にも増して熱く焦がれる情熱に裏打ちされた思いが不可欠でしょう。ただ単に、セブンイレブンを海外展開していても、何れまた市場が飽和してしまいます。であるなら、業態を進化させながら多店舗展開を目指すべきではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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企画財務とは!

皆さん、おはようございます!
一般的に他者が経験したことのない自分の経験を伝えることほど難しいものはありません。なんとなく感覚的に相手が理解できたとしても、それだけで本当に自分のことを理解できているとは言えないからです。自分を伝えるより先に、相手を理解することかもしれません。



企画財務ってあまり馴染みのない仕事かもしれません。財務とは実務として金融機関対応や資本調達などを資金繰りを念頭に置きながら司っています。一般的に会社では企画というと経営企画とか事業企画が思い立ち、企画財務という独立機能を設けている所は珍しいと思います。経営企画の中に企画財務が出来る人財を置いている場合が殆どではないでしょうか。


会社が戦略を立案し、遂行していく上で企画財務はどの様な役割を担っているのでしょう。財務・ファイナンスの知見を持って、経営戦略を描き出して行くことだと考えます。現在における企画財務といえば、差し詰め「企業価値経営」を目的とすることになるのでしょう。会社の経済的な付加価値を最大限に高めるために必要な経営戦略を考えることになります。


ファイナンス理論を背景に携えて、理想的な事業ポートフォリオを組み上げるべくM&Aやアライアンスを実施しながら資本コストを上回る事業リターンを捻出していくことになると思います。その為には資本コストを下げるファイナンス構造を構築することも不可欠です。
孫正義氏が率いるソフトバンクグループをイメージして頂くと分かり易いかもしれません。


しかし、その企業価値経営もこれからを見据えると、大分趣きが変わって来るのではないでしょうか。形振り構わず会社の経済的価値を高めれば良いというものではなく、やはり事業を通し会社がどれだけ社会が抱える課題を解決しているかが問われると思います。その為には、会社としての社会的な意義を明確にする必要がありますし、それを追求することです。


それには会社のパーパス(=存在意義)とそこで働く方々のマイパーパス(=生きる目的)を出来る限り一致させるような組織運営が必要でしょうし、その結果としてヒューマンキャピタル(=人的資本)という付加価値を高めていくことが不可欠となります。これまでのモノ社会では、生産設備が会社にとって唯一無二の資本でしたが、これからは人財なのです。


その様に考えて参りますと、企画財務という役割もただ財務というお金計算ばかりでなく、もっと会社の真の経済価値を高めるべく人財や人にまつわるメンタルな部分にも踏み込んでいく必要があると思います。これからの限りない付加価値を生み出すことが可能な人財を事業を営む上でのドメインに据えて、会社としての果てしない未来を描き出すことでしょう。


その意味では、ただ単に事業ポートフォリオを組み替えることばかりでなく、それぞれの事業の目的を明らかにして再構築しながらリターンを増やしていく視点が欠かせないと思います。大きく変わりゆく社会の動向を捉えながら、会社が持つ人、物、金、情報という事業資源をどの様に社会のために生かしていくかという視点を持ってこそ企画財務だと思います。


財務企画でなく、企画財務という定義付けをしているのは、これからの財務というものは財務という狭い領域の中で企画することに留まらず、財務の知見を生かしながら会社の経営を企画する視点が必要だと考えるからです。だからこそ、人、物、金、情報といった資源の価値を充分に理解しながら、その価値を見出し高めて行く企画力が大切な時代だと思います。


今日もありがとうございます!
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経営デザイン!

皆さん、おはようございます!
街中を歩いていますとインバウンドの外国人と真新しいスーツに身を固めた若者の姿が目立ちます。ちょうど季節も春に変わり、暖かい天気の良い日が続いていることもあり、新緑をも借景にしたコロナウイルス禍後の社会の流れが確実に変わってきていることを感じます。



人間というものは、夢や希望といったものを内心に秘めて行動しているものだと思います。目の前の状況を判断するに際しても、自分なりの判断軸をもって取り得る選択肢の中から最良な方法を選択しているのです。それが頭で論理的な思考を回して判断する場合もあるでしょうし、自分なりの感性に照らし合わせて直感的に判断してる場合もあるものと思います。


しかし、将来のありたい未だ目に見えないことを判断する場合において、論理的な思考を回しても答が出て来るものではなく、やはりそこは直感に委ねるものだと思います。どんなに後から論理的に説明しようと思っても、そこは過去の経験則の積上げに過ぎない論理的な思考で将来のことを語ってみても、それは直感的思考を付焼刃的に説明している過ぎません。


経営というものは、日常的業務の判断に留まらず、将来のありたい姿を語ることです。経済が右肩上がりの時代的な背景な下では、過去の経験則に基づいて判断していれば大過なく会社を成長させることも出来たと思いますが、現在のように大きく社会が変わり行く中では、将来のありたい姿を描き出していくことが必要であり、それは論理的思考では叶いません。


だから今の多くの会社は、イノベーションを起す術も分からず、混乱を来しているのでしょう。会社の経営というものは、所詮は人々が思い思いに寄り添う集団であることから、その人々が将来に対して期待する夢を描きだし自律的に行動して行かなければなりません。難しいのは、人それぞれに描きだす夢が異なることから、それを会社として集約することです。


理想を言えば、会社に関わる全ての人々の夢を重ね合わせることが出来れば良いのですが、人ぞれぞれに向いている方角も、その色の濃さも異なるものです。それを出来る限り採り入れながら最大公約数的に纏め上げていくプロセスが不可欠となります。また、将来の夢や期待といったものは、自分で分かっている様でなかなか言葉でいい表すことが難しいのです。


それは人間というものが、環境から必要な情報を採り入れ自分を再構成しながら将来に向かって語っていくものであるから、他人との関りがなければそれを深めることが出来ません。言葉に出来ない思いを言葉にしていく作業を通して、少しずつ自分の思いが明確になってくるものなのです。言葉で語れなければ、絵を描くなどその他の手法を使うことも有効です。


経営についても同じことが言えます。これからの会社は将来のあるべき姿を描き出すことが大切になってきますので、その将来の姿を如何に描き出していくか。それをビジュアル化することも有効だと思います。一人ひとりが自分の内面に耳を傾ける作業を行うことによって導き出されるのです。生きるバックグランドを背景に、将来の姿を描き出すことなのです。


それが経営デザインの本質なんだと思います。それを描き出すためには、経営を司る方々の生き様を背景とした会社の理念があって、はじめてビジョンを描き出すことが可能となります。ビジョンがなければ経営戦略も具体的な事業計画への落とし込みも出来ません。それら経営デザインというプロセスを経ることが、これからの会社経営には不可欠だと思います。


今日もありがとうござます!
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