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年度末の桜

みなさん、こんにちは!
今日、期末で繁忙を極めていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
昨日までの暖かさも、冬が舞い戻ったように寒い一日でしたね。
日曜日から天気は回復するようですので、一気に桜のつぼみも開くことでしょう。


私の関与先の中小企業の社長から昼頃電話があり、急きょ会いたいとのこと。
よくよく話をお伺いすれば、今期見込んでいた利益数値が黒字予定から一転、
60百万円近い欠損になるとのこと。。
二日前には余裕の明るい表情で予定通りの着地と話されていたのに。。


良く良くお話しをお伺いしてみますと、
一昨日、社長が担当者より報告を受けていた決算数値の後に、
いまだ入力していない広告宣伝費と在庫差異が生じたとのこと。。
思わず目が点になってしまいました。。


電話を受けた後、思いを巡らせ、
可能性として考えられるのは、原価計上の誤入力か輸入仕入取引における
為替レートの取り違いか。。と察しをつけていたのですが。。
思わず、「そこ?」と言いたくなりましたが我慢!


兎角、卸売系の中小企業は日々の営業活動に感けて、
日常業務が煩雑になりがちです。
この会社では管理系の担当者が営業職と兼務していることに問題が潜んでいそうです。
日々の伝票をその日のうちに会計ソフトに入力することが基本ですね。


相談ごととは、この決算書で銀行から融資を受ける予定で、
会計事務所からは10百万円の黒字決算にした上で、修正申告をすべきとのアドバイスがあったとのこと。。ここまでお話しをお伺いしまして、思わず頭を抱えたくなりました。
当事会社も当事会社なら、会計事務所も会計事務所です。。


融資を受けられなければ資金ショートが見込まれる為、
やむを得ず、会計規定の解釈の範疇でドレスをせざるを得ないとアドバイスをさせて頂きました。ただ、来期計画の妥当性を確認したうえで、来期に足元を掬われることのない、無理のない利益計画を経営陣にお伝えさせて頂いた次第です。


日本の中小企業は大なり小なり似たようなところがあるかもしれません。
煩雑な経理業務は出来る限りシステムに置き換えられる部分は置き換え、経営として日々計画と実績の差異を把握することだけは最低限行う必要があると思います。
なぜ、計画と実績との間に差異が生じたかを考えることが大切です。


とある伝統工芸品を取り扱う商店の社長のブログを拝見していて、
伝統工芸を次代の産業として確立して行く為には、
PRによるブランド確立以前に、①事業計画、②収支計算、③垂直連携等、
経営管理業務をあたり前に行う必要が重要であると記載がありました。


これからの情報化社会において、やはり企業数の95%を占める中小企業を元気にして行く必要があると思います。日本の伝統工芸品は品質面のみならず、欧米のブランドと比べても勝る心技体が一体となった温もりがあります。この様な管理面が行えていない会社が大方を占める様ですが、そらが為に失っていくことは勿体ないと思います。


自らの強みである資源を見極め、きちんと管理してこそ価値が高まって行くものと思います。また、伝統工芸品は地域内での分業体制によって成り立っていることが多い為、連携体制も強化していく必要があります。その上で、実需から昇華した匠の技を国内のみならず、海外へ発信して行くことが可能になるのではないでしょうか。


人知にもとづく歴史的な資源は、この地球上の天然資源と両輪をなす、大切な財産だと思います。来期以降、もっとこのテーマを掘り下げて参りたいと思います。
次回、またお会いしましょう!

究極の財務

皆さんこんにちは!


今日は知り合いの林業コンサルさんの展示会応援で大阪は淀屋橋に来ています。
淀屋橋は10年前に単身赴任で住んでいたことがあり懐かしいです。。
大阪も春ですね!


さてさて、今回は職業としての「企業財務」のあるべき姿について考えてみたいと思います。通常、財務といいますと、組織化されている企業の中では①会社の資金繰りを把握し、②適宜、資金需要に応じて資金調達をする仕事ということになると思います。


資金調達をする為には、当然に事業概要を理解していなければ、銀行や株主に対して説明をできません。その様に考えますと、何処まで事業を理解しているかが、財務マンとしての腕の見せ所と言えるのではないでしょうか。


一般的な企業の人事を見ていますと、財務要員は事業部や子会社の管理業務と本社の財務部門をトーテイションで行き来しながら、ポジションが上がって行くというパターンが多いように見受けます。その企業の本業からみれば専門的な職種として括られています。


しかし、その本業たる事業の本質に迫る為には、財務計数では測れない利害関係者との関係やどの様な有形無形の積極若しくは消極財産により事業が構成されているのかを肌感覚(≒概念として「暗黙知」という言葉を使いたい)で理解している必要があります。


そして、その肌感覚で掴んだものをどの様に財務計数で会計諸則で表現して行くかというアート性も持ち合わせていなければならないと思います。そこまで出来ますと、財務という計数を媒介とした活動においても、とても奥行きが出て来ると思います。


どの様な仕事でも一芸に長じる為には、ある個々の事象(財務なら①事業、②金融、③会計)について、言語表現が難しいけれど、身体に染み付いて覚えている肌感覚を得るまでに長じないと、その本質を理解したことにはならないものでしょう。


ここまで昇華できれば、一企業内で資金を調達する為だけの役回りだけではなく、もう少し積極的に事業をコーディネート(事業創出、事業再生、事業改善等々)しながら、資金調達をアレンジすることも可能となります。これが現CFOの役割なのかもしれませんね。


余談ですが、事業コーディネートと資金アレンジを一括りにした職種概念として事業プロデューサーという言葉に置き換えられます。言葉の概念上、コーディネーターとは構成する人であり、そこに資金調達まで加えるとプロデューサーという人になるようです。


先ほど、身体で本質を会得した暗黙知に触れましたが、これをアウトプットする為には何らかの個人的な視座を持たないと知識を統合することが出来ない。それは、その人が置かれた立場や役回りによっても異なってきます。


社会の一員である企業が新規事業を始める場合もそうですが、その理念ともいえる視座により、当然ながら始める事業も異なってきます。私は、この様な情報技術により個人が主体となる変革の時代ですから、個々人が困っているコトを事業にすべきと考えます。


社会正義ではありませんが、日本でいえば少子高齢化問題は、単純に言えば右肩上がりの経済を前提に整えてきた社会の仕組みが余剰になることですし、政策主導で進められてきた産業社会も個人の「豊かさの本質」を理解しないと見誤ると思います。


その様になりますと、金融におけるお金の流れも、現状の媒介事業者を前提とした資金還流では目詰まりを起こすように思えます。最近、大学卒業後、直ぐに自らの目的を実現する思いで起業する若者が増えています。


一方、実績を持つ中小企業も世代交代で受け継いだ若い経営者が、時流を捉えて既存の事業資源を活かし、新たなモノやコトを打ち立てる流れもあります。それら彼等彼女等が伸び伸びと事業に専念できるよう、財務の立場から、応援して行きたいと思います!

地域経営

皆さま、おはようございます!

一昨日の寒さも和らぎ、桜も咲き出しましたね。


長年、企業でM&A業務を手掛け、いま地域の主要事業の立て直しや事業連携に関わっていますと、企業も単独で自己完結し、事業を行う時代は終わったものと感じます。


特に大手企業では、商品を作り上げるのに部品からアセンブリのみならず、物流まで全て自前で行い、効率を追求するのがあたり前だったのは一昔前。


今では、社会の移り変わりが早く、グローバル競争に晒されている中で、自らの強みに磨きをかけて行かないと、そのスピードに付いて行けないばかりか、企業価値を上げられません。


大手企業ですらそうなのですから、中小企業であっても自らが強みとするコア要素に特化し、磨きをかけていけば、グローバル市場で戦って行くことの出来る時代です。


私の自宅の近くに、光学レンズを製造している企業があります。社員数が30人位であったと思いますが、米国はNASAのスペースシャトルに搭載されたことで一躍有名になりました。


私の故郷である、新潟の銀食器で有名な燕三条の製造会社では、米アップル社向けにiPhone様の部品を唯一この会社だけが生産しているそうです。


この様に考えてみますと、これからの時代、一芸に飛び抜けた企業同士が手を取り合って、新しい一つのモノやコトを商品として作り上げていくことが大切だと思います。


今までですと、物理的な距離が効率性の面から大きなハードルとなってきましたが、今は情報技術が発達していますから、事業連携にあたり余り障害にはならないと思います。


一方、地域経済を考慮しますと、ある程度の産業クラスターとして集積していた方が、マネジメントはやり易く、出来れば企業会計を度外視した事業連関会計として連携グループの業績を見える化出来れば良いと思います。


また、その様な視点から、地域に滞留している貯蓄資金をその様な連携グループへプロジェクトファイナンスとして循環させる事が出来れば、雇用も創出され、地域資源を海外輸出することも可能となるでしょう。


前回にも触れましたが、新たなモノやコトの為の商品を創出する事業連携としてのコーディネート力と、そこに必要な地域資金を還流すべくアレンジする力が、これからの社会に望まれると思います。


地方創生には地域の固有の資源を有効活用していく、地域経営の視点が不可欠であると思う次第です。

次回、またお会いしましょう!