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半減する「大工」!

皆さん、おはようございます!
真似て教科書通りに実行することが苦手なせいか、あまり他者に教えて貰ったことは記憶に留まりません。それより、自分で創造力を働かせながら苦労して身に付けほうが暗黙知として刻まれます。後から教科書を読み返し、それが間違いでないというパターンが多いです。



住宅の建設や修繕の担い手である大工が著しく減少しているようです。2020年時点で29万7900人と過去20年間で半減(=過去40年では1/3の水準)していることが明らかにされています。賃金水準などの待遇改善が遅々として進まず、若い世代が減り高齢化が一段と進んでいる格好です。これも建設業という産業構造上の問題だと受け止めてます。


そもそも大工という仕事は、一人親方と呼ばれる建設会社や工務店からの下請け仕事となっており、それら建設会社や工務店が同業他社との競争が過熱し過ぎているため、過度なコストダウンによるシワ寄せが大工に来ているのでしょう。大工の年収は雇用される労働者で約364万円、一人親方(=個人事業者)なら約424万円に留まっている現実があります。


業界の流れとしても、プレカット工法という工場で住宅建設に必要な木材すべてを採寸加工し、建材全てを纏めて建設現場に直送する仕組みが恒常化していることも理由に挙げられます。建設現場で住宅を組み立てる工期を出来る限り減らして工事費を出来る所まで減らしたいというインセンティブが働いています。工期が短くなれば当然に大工の収入が減ります。


一方、プレカット工法が常態化しているで、大工の技量も低下していることが否めないでしょう。従来工法ならば、建設現場で鉋をかけたり刻みを行いますので、大工の技量も場数を踏めば踏むほど腕が上がるというものです。ところが、現在のプレカット工法による建設現場では、まるでブロックでも組み上げるかの様にほんの数日で棟上げすることが可能です。


その様な現代の大工に若手が興味を持たなくなっているのは、教育制度にも問題があると思います。現代の教育は大手企業のサラリーマンにでも仕立てることを目的としているかの様な画一的な教育が為されているからです。もっと子どもたちの個性を尊重する教育制度となれば、一身に技術を身に纏った大工に対して憧れの眼差しで関心を持つ人もいるでしょう。


昔の棟梁というものは、自ら植生している樹木を見立て木挽きを行って建材として使用できる状態にしていったものです。それが規模の経済追求により、各々の加工プロセスが分業化されてしてしまったところにも現代社会の課題があるように思います。ドイツのマイスター制度のように政策的に専門的な技術を持った職人を育てなければ社会的な損失となります。


これから日本の人口が本格的な減少期を迎え、仮に住宅着工件数が減っていくとしても、少子高齢化社会であること考慮しますと、バリアフリーなど住宅のリフォーム需要が増えて行く筈ですが、リフォームは工場生産は出来ませんし、住宅の経年劣化の状況を見極めて適切な改修工事が求められますが、その時には既に遅しではありませんが大工がいないのです。


このままだと2035年前後には大工が約15万にとなり、2040年前半には10万人を切る水準にまで減るという予測数値があります。木挽き職人を復活させようとまでは申しませんが、デザイン、設計、施工といったサプライチェーンの幅広い技術を身に付けた多能工化という考え方も出来ます。何れにしても、個性を尊重する社会に変える必要があります。


今日もありがとうございます!
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