誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

食の事業承継プラットフォーム!

皆さん、おはようございます!
光陰矢の如し!はじまったと思っていた7月も残すところあと2日となってしまいました。8月のスケジュールも2週間先まで決まってしまっており、気が付けば秋の気配を感じる様になってしまうのでしょう。どうやら、今年はその様な感じで締め括ることになる気配が。



飲食関連の中小企業の事業承継を手掛ける「まん福ホールディングス」は2023年3月期に5社前後をM&A(=合併・買収)で傘下に収める計画です。その2021年4月に創業したばかりのまん福ホールディングスが、買収資金や人材採用に充てる資金を捻出するため
、VCなどを引受先とする第三者割当増資で8億16百万円もの資金を調達したそうです。


M&Aによって業容を拡大し2026年3月期にグループで25社体制(=現状は6社)にすることを目指しています。2026年3月期の連結売上高予想は200億円と、2022年3月期の6倍強に引き上げる目標を持っています。コロナ禍で逆風の吹く飲食業界にあって、これを期に事業承継により撤退をしようとする事業者も増える中での逆張り思考です。


今般、第三者割当増資で引き受けるデジタルガレージと横浜銀行が共同運営するファンド、投資会社の地域創生ソリューション、VCのみずほキャピタルから見れば、まん福ホールディングスは早々に株式公開(=IPO)出来るとの見通しを持ってのことでしょう。ファンドならともかく、事業会社が事業承継によってのみ事業拡大していく珍しい事例でしょう。


まん福ホールディングスのビジネスモデルは、あくまでも食に特化した事業承継により自ら事業を取得した上で、マネジメント・バイ・インと言われる後継者を目する人材を承継後の事業に送り込むプラットフォームであることに主眼を置いています。承継後の事業経営を担う経営者は、同社の社員の立場として送り込まれるようですので留意が必要だと思います。


本当の意味でのオープンプラットフォームなら、必ずしもM&Aにより傘下に収めなくとも
、また承継事業の経営者を社員として派遣せずとも、広く社会から素質のある人財を集めマッチングを行い、承継後事業の後方支援を行うことも考えられます。むしろ、事業会社としてのスタンスであればそうすべきなのですが、そうしない所に投資会社的な匂いがします。


結局はIPOを目指し、飲食店や食品加工など食のバリューチェーンを築き上げ、一大外食企業グループに移行していくことを企図していることから、プラットフォームとは後継者のいない外食事業などを買収する受け皿になるということでしょう。但し、承継事業は転売せず、承継企業の理念を尊重する純粋持株会社として専念することを明確に打ち出してます。


飲食業界に特化した投資を行い、チェーンストアオペレーションを徹底し、業界でのマネジメント経験豊富な人材を経営者として据えるセオリーとして受け止めれば、結局はこれまでの資本の論理で規模の経済を追求するビジネスモデルであると理解することも可能です。時代の端境期において、必ずしも進取性に富んでいる訳でない印象が拭い去れないでしょう。


まん福ホールディングスが持ち得ている事業資源を活用するなら、承継先事業を傘下に収めることなく独立独歩で存続させて行くことを主眼において、承継先事業を支援していく体制を整えることも考えられます。経営人財の派遣やバックオフィスを司る機能を提供するのみならず、食材を集中購買して各々の承継先事業に提供していくことも考えられるでしょう。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

地域金融機関という生態系!

皆さん、おはようございます!
コンサルティングという仕事は、どことなく胡散臭さを感じてしまいます。企業という生態系の発展とともに出現した業界なのですが、彼らは標準化された理論的フォーマットを武器に口先ばかりが先行してしまうのですが、その責任を負わないところが疎んじられてます。



地方銀行や信用金庫といった金融機関は、最近でこそ事業承継ニーズに合わせたM&Aや相続対策ニーズに合わせたコンサルティングなど、付帯サービス収入に力を入れているとはいえ、その収益基盤は融資取引だと思います。お客様の事業資金や住宅ローンなどの需要に対して適宜資金を提供していくことが本業であり、それにより事業を成立させている訳です。


最近でこそ、地域経済の活力を高めることが翻って自らの本業発展に欠かせないことから、地域のお客様に付加価値の高い専門サービスを提供する必要から地域の課題解決プラットフォームなるものを組成し、税理士や中小企業診断士などをお客様の所に派遣する事業に力を入れるようになっています。しかし、どうもこれが上手く機能しているように見えません。


彼らも新たな収益機会を得ることを目的としていながら、その提供するサービスの内容と対価が見合っていないせいか、どこの地域金融機関も形骸化してしまっており、本当の意味でお客様に付加価値の高いサービスを提供するまでに至っていないようです。それは、自分たちの手に負えないお客様の課題に対し専門家を派遣することに終始しているからでしょう。


事業を営むお客様にとっての課題は、今日の大きく変化する時代の変革期における事業環境において、いかに旧態依然とした業界慣習や事業構造から脱して、新しい時代に相応しいビジネスモデルに事業を変えていくことだと思います。中小個人事業の規模の如何に拘わらず志ある事業者であれば、これまでの様に慢心と事業を行っていては先行きが不安でしょう。


右肩上がりの経済下では、これまでの事業の成功体験を踏襲し効率よく運営していくことに徹していれば良かったのですが、これからは事業そのものの在り方自体が問われる時代になってしまっています。その意味で、経営者の生き様や志が色濃く反映されることになりますので、新しいビジネスモデルを問う以前に経営者個人の意志を明確に持つ必要があります。


経営者自ら、なぜその事業を営むのかという自己内省を通した人生哲学にも似た、ある種の精神的鍛錬を通して企業理念や事業理念を明確にすることができ、その上にこれまで蓄積してきた事業資源を再構成した新しいビジネスモデルを描いていくことになります。事業を通して社会とどう関りを持つのか、どの様な社会的な課題を解決していこうとするのかです。


その様な時代の端境期にありながら、地域金融機関の事業者に向けた課題解決プラットフォームは、旧態依然とした専門家により対処療法的に専門的な知見を提供することに留まっています。そもそも資格に裏付けられた専門家は、一定の専門領域における手続き等知見に長けているものですが、必ずしもビジネスモデル転換や事業再構築などを専門としてません。


必要なのは、それら専門家をコーディネートする地域金融機関が、これからの時代を見据えた事業構想力を持つことです。それが描けずに、いくら専門家を派遣した所でお客様のニーズを満たすことは出来ないでしょう。それは、地域金融機関に事業の目利き力が失われてしまっており、地域金融機関とい組織自体が形骸化してしまっていることにあると思います。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp

事業者という生態系!

皆さん、おはようございます!
人というものは、ちょっとした行動の端々にその人の内面に潜んだ本当の性格が垣間見られるものだと思います。普段、ビジネスにおいて瞬間しか言葉を交わさない方とでも四六時中寝食を供に過ごしていますと、ふとした無意識の行動から様々な事が読み取れるものです。



自分で事業を行っている者というものは、仮に働いている姿や名刺などを頂戴しなくとも、その方の言動をみていれば直ぐに分かるものです。身のこなしに卒がないといえば言い過ぎかもしれませんが、野放図でも自身の内面から湧き出る自信と責任に裏付けられた言動には、付け焼刃の俄か知識にはない腹の奥底から湧き出てくる安定感を感じられるものです。


サラリーマンの立場と事業者の立場の両方を経験したことのある者として、現代社会のメカニズムとして両者の間に大きな溝ともいえる乖離があるように思えます。近代社会以降、企業という枠組みが文明の利器として生み落され、大きな資本力を裏付けとして規模の経済を追求して事業を急拡大させることにより被雇用者という新たな生態系が蔓延ってきてます。


その企業の被雇用者という生態系は、ピラミッド型階層組織の中で標準化された業務を「分業体制」で仕事に従事しているため、またその分業化された枠組みの中で専門性を追求することにより全体最適を目指すことになります。それが組織力というものかもしれませんが、働いている個々人を見るとそれがビジネスではあっても事業そのものを体験していません。


事業そのものを体験するということは、最初は独りで事業に関わるあらゆることを身をもって司ることであり、企業組織で働くサラリーマンの様に専門性に長じることはないかもしれませんが、自らの事業そのものについて身体をもって吸収していく過程を踏むため、事業についての直感力と洞察力が研ぎ澄まされます。それが暗黙知ということなのだと考えます。


サラリーマンは、企業組織という生態系を研ぎ澄ますことが尊ばれますので、思考が分析、課題解決という直線系であるのに対して、事業者の思考は答えのない答えを判断していかなければならないという意味において、カオスの様な複雑系の問題に対して直感力と洞察力、すなわち自らの暗黙知によって判断しながら進むべき道を定めていかなければなりません。


これから将来の見通しが立て難い混沌とした社会を考えますと、これまでの直線系の社会の中では有効な手段であったピラミッド型階層組織というものは機能しなくなっていくのではないかと思います。経済社会が線形で右肩上がりの時は、非常に効率良く機能するものなのですが、その様な前提条件が崩れ去ると意外に脆いものであると留意すべきだと思います。


何よりも形式知を蓄積しながら効率良く組織を運営していくことのみに傾注した生態系を変えられるか否かが問われているものと受け止めています。身体に吸収された言葉にならない暗黙知をも活用しながら糧を得るという生態系を企業組織にも持たせることが不可欠でしょう。それは、事業者が持つ能力を企業組織が取り込んで行くのと等しいことだと思います。


いまの日本社会は、中小企業よりも大手企業の方が優れているという様な錯覚を持っている様に見えてしまいます。それは、大手企業の方が優秀な大学を出た学生が集まるからでしょうか。大手企業の方が給料が高いからでしょうか。それは、過去の一時的な線形社会によって歪められたモノの見方であり、必ずしもこれから社会も続いて行くとは考えられません。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp