誰にも聞けない経営財務戦略!

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スターフライヤーのサブスク!

皆さん、おはようございます!
都内にも未だ足を踏み入れたことのない地域があります。文京区もそのひとつであり、小石川植物園のある地域一帯を白山といいます。下町の住宅街といった趣きですが、新築の建物に囲まれた所どころに、昔ながらの古い建物や商店街だったと思しき面影が残っています。



北九州空港を本拠地とする新興航空会社であるスターフライヤーが、福岡県内の賃貸住宅と東京ー福岡間の航空券をセットにしたサブスクリプション(=定額課金)サービスを2023年春までに開始するそうです。リモートワークの多い首都圏の会社員に福岡県への移住を促すとしていますが、福岡に勤務する単身赴任者向けの法人需要も見込めることでしょう。


「羽田便乗り放題」+「福岡の賃貸住宅」をセットにしたサブスクを始める背景としては、2022年3月期の平均搭乗率が52.6%とコロナ禍以前の2019年3月期より約22
%も低下していることにあります。航空会社の損益分岐点となる搭乗率の目安は70%であり、固定費ビジネスである業績を回復させるためには搭乗率を上げる必要に迫られてます。


スターフライヤーは、2ヶ月ほど前に長崎県佐世保市に事業拠点を構えるジャパネットたかたと資本業務提携により増資を受けることと機内販売や通販事業で互いに協力することを発表したばかりです。その裏には同社の業績不振による資金繰りの悪化懸念があるからであり
、九州という地域を地盤とする航空会社として何れも生き残りをかけた戦略だと思います。


今回のサブスク商品は、飛行機は原則乗り放題とし、新型コロナウイルス禍で下がった搭乗率の回復につなげることが目的としており、東京の賃貸マンションに家族で住んでいる会社員を想定利用者として位置付けています。気になる月額料金は、東京23区の家族向けマンションの家賃と同水準にすることを想定しており月額20~30万円にする計画の様です。


東京とほぼ同じ家賃で、東京より広い福岡の家に暮らせる上に、飛行機に乗り放題となれば利用者の満足度も高まると捉えている様です。同等の建物でも東京と福岡で賃料相場が異なることに目を付けた構想であり、その差額をスターフライヤーを利用する運賃相当分として皮算用しているものと思います。確かに同じ日本でも東京と九州沖縄経済圏は異なります。


以前、福岡に事業進出する際に、九州財界人とお会いした時のことが思い返されます。九州沖縄経済圏は東アジア諸国との関係が深く、東京や大阪といった経済圏とは地域経済の成り立ちが異なっており、ある意味では国内の独立経済圏だといっても良いくらいです。九州の財界人もその点を非常に強調しており、東京や大阪とは異なった文化圏を形成しています。


その様な思いがあるから北九州を地盤とするスターフライヤーの経営陣も、リモートワークの定着によって必ずしも居住地を東京に置く必要はなくなっており、その様な考えを持つビジネスマンを福岡に移住させることに強気の考えを持っているのでしょう。一方、賃貸住宅を航空会社が管理すことは畑違い過ぎますので、地場の不動産会社と連携すべきでしょう。


スターフライヤーの損益分岐点を超える売上を確保するために、サブスクでコロナ禍後の地方移住需要を取り込むだけでなく、もっと観光需要にも目を向けて例えば同じサブスクでも航空機利用放題+宿泊施設利用放題というパッケージでシェアリングホテル運営業者、米エアービーアンドビーなどと連携するなど、ポートフォリオによりリスクヘッジすべきです。


今日もありがとうございます!
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嘲笑は成功のはじまり!

皆さん、おはようございます!
日常では感覚的に使われている言語も、リアリティが求められるビジネスシーンにおいてはきちんと定義づけてロジカルに説明することが必要です。ただ、これからは暗黙知も働かせて創造力を発揮することも大切ですので、高度なコミュニケーション能力が求められます。



コンビニエンスストア、宅配便、100円ショップなど、今では生活の一部となっている昭和、平成に誕生したビジネスそれぞれに、新市場を創造した成功物語がありますが、創業当初には共通のエピソードがあるようです。それは周囲から「上手くいくはずがない、必ず失敗する」と、創業にあたった者が嘲け笑われながら冷たい視線を注がれたことにあります。


来年、会社設立50周年を迎えるセブンーイレブン・ジャパンでは、スーパーマーケットなど大型店の出店ラッシュの最中に新規事業としてイトーヨーカ堂が立ち上げていますが、社内でも懐疑的な意見が支配的だったそうです。学者も「本家米国は小型店が少ないが日本には昔からの商店がある」と先行きを案じる論評が大方多数を占めていたといわれています。


それから四半世紀。今度はセブンーイレブン・ジャパンによるセブン銀行の設立を巡っては都市銀行の首脳から「セブンの名に傷がつきます。もし成功したら銀座を逆立ちして歩きます」とまで言われ、創業者の鈴木敏文氏は設立の断念を暗に迫られた経緯があると言われています。今では大手銀行のATM数を上回るどころか、銀行がそれを頼る状況にあります。


1976年にはヤマト運輸の宅配便事業が産声を上げています。その当時、小口貨物は手間がかかるだけで儲からないという業界の常識があり、ヤマト運輸の役員会では創業者の産みの親である小倉昌男氏以外は全員が反対をしていたと言われています。案の定、事業開始初日の取扱数はわずか11個に過ぎず、ライバルはお手並み拝見を決め込んでいたそうです。


どちらも日本を代表する企業となったセブンイレブンとヤマト宅急便ですが、その通底にあるのは生活者への利便性の追求とそれを信じて疑わない創業者の事業に対する強い思いだったと考えます。自宅からの近さを売りに、必要な商品やサービスを創造してきたセブン。分かり易い簡素な料金体系と素早い配送体制、取扱荷物の多様化が支持されたヤマト宅急便。


鈴木敏文氏は「お客様のためではなく、お客様の立場で考えることが大切」だとしています
。生活者一人ひとりの細やかなニーズを丹念に拾い上げ、困りごとを解決する執念とその積み重ねが両者を巨大企業へと押し上げてきた経緯があります。お客様のためは飽くまで供給者本位の驕りが見え隠れしますが、やはり相手の立場に立つことの大切さを物語ってます。


その上で、お客様の心の叫びを捉えた創業者の熱い思いをどれだけ周囲に反対されようが、いかに不屈の精神で愚直に思い続ける折れない気持ちがなによりも大切であることを物語っています。それはお客様のニーズを頭の上で理屈で理解することではなく、お客様の心のひだに触れることにより自分事として捉え、熱く感じ続けることなのではないかと思います。


今日において、どの大手企業も将来的な糧を得るためイノベーションの必要性を感じていると思います。しかし、現実の企業風土は極度に失敗を恐れるが余り寄らば大樹の陰という事なかれ主義に陥っているのではないでしょうか。仕事を論理的に考え過ぎることにより、身体で感じそれを行動に結び付けていく感性が失われていることに問題がある様に思います。


今日もありがとうござます!
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エアラインビジネス!

皆さん、おはようございます!
幼少の頃からエアラインオタクで、空を見上げて飛んでいる旅客機を見付ければその機種型式が分かる程です。趣味が高じて仕事にしようと新規参入航空会社の立ち上げをしたこともありますが、仕事としてはなかなかご縁がありませんね。いまもその時の人脈が財産です。



日本代表するJALやANAなどFSC(=フルサービスキャリア)の弱点である高コスト体質の狭間を狙って参入した第一世代のスカイマーク、エアドゥー、そして後に参入したソラシドエア、スターフライヤー、IBEXエアライン、富士ドリームエアラインズ、第三世代としてピーチエアラインなどのLCC(=ローコストキャリア)が参入を果たしてます。


そして最近では、リージョナルLCCというそれらエアラインとは競合しない路線を気軽にバスに乗るような気分で空の旅を楽しめるエアラインの計画が具体的に進んいる様です。新潟を拠点に成田空港、札幌丘珠空港、佐渡島空港、仙台空港、関西空港などの路線に格安運賃で新規参入を目論む会社の一つに、新潟県庁がバックアップをするトキエアがあります。


また、西日本では鳥取空港などと関西空港を結ぶ路線をはじめ、東日本では成田空港を拠点に松本空港などの地域ごとのフランチャイズ展開を目論むフィールエアがあります。日本のLCCはコストを低く抑えて運賃を安くするというよりも、自らの利益という血肉を削らなければならない矛盾を抱えているようです。安全性とコストの兼ね合いは切がない様です。


私の知人に大手メガキャリアで整備や技術のお仕事をされ、その後、数々のLCCの立ち上げに尽力をされてきた80代になるエンジニアがいらっしゃいます。いまでも現役で新規参入航空会社の立ち上げに携わっています。もう60年間余りも航空事業に携わっているので
、狭い航空業界のなかではエアライン立ち上げの主として引く手あまたとなるのでしょう。


その間に旅客機の技術進歩も著しく、それを追いかけ続け今日に至っているところも凄いと思います。特にご専門であるアビオニクスの領域の技術進歩は目覚ましいものがあるでしょう。新たにエアラインを立ち上げる場合は、社内体制として旅客機の技術に関するノウハウを蓄積しマニュアル化していることが条件となり、航空事業免許の審査基準となってます。


また、導入する旅客機の機種や形式にによっても当然に技術内容が異なってきますので、それぞれのマニュアルを作成し備えておく必要があります。日本の航空事業免許の許認可権者である国土交通省はとにかくコトなかれ主義で、ものの例えとして航空事業の安全性を確保する為には、一層のこと旅客機を飛ばさないことだとでも言わんばかりの対応だそうです。


特に孫ほどの年齢差のある若い職員ほど形式ばった対応で、新規参入航空会社の立ち上げが如何に難しいかを物語っているようです。それでもこの知人が未だメガキャリアに在籍していた時分の旧運輸省時代の行政の在り方は、諸外国の技術に追い付け追い越せではありませんが、技術的な課題を取り敢えず遣りながら一緒になって検証をおこなっていたそうです。


この様な話しを聞くとなにやら日本の社会が成熟し切っていることを目の当たりにしているような感じがします。航空業界でも同じなんですね。しかし、そんな日本の未熟だった成長期から現在に至るまでの航空業界の中で、尽力されてきた老エンジニアの姿が格好よく映ります。是非とも日本の空に新しい航空事業の在り方を実現させて頂けたらと思う次第です。


今日もありがとうござます!
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