皆さん、おはようございます!
ディベロッパーとは、まちづくりのプロデューサーだと思います。まちの構想を描き、それを事業計画に落とし込み、予算編成や資金調達、さらには必要なスタッフの採用などをつかさどり、プロジェクト全体をマネジメントしていく、まちづくり全体を統括する職務です。
これからのディベロッパーは、地域資源を見極め活かしながら、地域にとって循環する持続可能なまちづくりの視点を持つことが大切だと思います。その意味では、その地域の歴史的
、文化的な背景を充分に理解しながら、来るべき社会のあるべき姿を構想し表現していく審美眼が求められるでしょう。付け焼き刃的に経済合理性を追求するだけでは務まりません。
ただ単に、老朽化した建物を取り壊し、新しい近代的な建物を建設することにより、その地域の歴史や文化を分断することなく、過去から未来に続く脈絡を持たせていくことも大切なことだと思います。その意味では、これからの再開発は既存の建物をなるべく生かす形で、むしろそれをどの様に再利用し新しい社会の仕組みを創り上げるかという視点が必要です。
三井不動産が2021年に約1200億円で買収した東京ドームが周辺施設の改装に着手するそうです。今後2~3年で200億円程度を投じてホテルの客室の一部を長期滞在型サービス付アパートメントに切り替えるほか、エンターテイメント施設などを導入するすることを検討しています。インバウンド需要の回復をにらみ、国内外の観光客の集客に繋げます。
2040年代の完成を目指し、今後1年をかけて大きな絵姿を決めていくこととしています
。今後2~3年はアジアを中心とした観光客の回復を見据え、既存施設の改装投資を優先するそうです。東京ドーム周辺の空いた場所に物販や飲食店、エンターテイメント施設を設ける構想があります。既存の建物を活かしながら再開発を進めることに共感できるでしょう。
隣接する温浴施設「スパラクーア」が入る複合ビル店舗構成を見直し、集客力を向上させる構想もあります。ドーム球場は、すでに約100億円を投じて改装を行ったそうです。従来の4倍超面積の大型ビジョンを設け、グループ席を400席設けるなど観客席を拡充しています。今後は周辺エリアで利用できる地域通貨の流通も模索することを視野に入れてます。
東京ドームには、新型コロナウイルス感染拡大前は年間4千万人ものお客様が訪れていたそうですが、近年は施設の老朽化も進んでおり、都内の他の再開発エリアとの集客競争が激しくなっているそうです。これまで過去3年間の施設改装に係る投資が年間数億円であったのに対し、今後2~3年の投資額は300億円規模を想定している意気込みをみせています。
更に投資額を抑えるために、今後は競争力のあるコンテンツを持つ企業と共同出資会社をつくったり、協業したりすることも検討していくことにしているそうです。これまでの地域再開発事業と比べてみますと、既存の建物や施設といったハードウエアをリノベーションにより活かしながら、むしろソフトウエア面を中心に事業開発していく姿勢に好感が持てます。
確かに競合する再開発エリアではそれまでの歴史や文化を無視した煌びやかな近代的な大規模オフィスビルへの転換が多くみられる中で、それが例え東京ドームの台所事情が厳しいからとはいえ、現有施設を知恵とアイディアを駆使して活かしきることがこれからの時代に求められるのではないでしょうか。形あるものは何れ老朽化していく宿命があったとしても。
今日もありがとうござます!
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