誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

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より良い暮らしを創造しよう!

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シードファンド!

皆さん、おはようございます!
損をして得を取れではありませんが、現代社会のビジネス慣習として自己の目先の損得に捉われ過ぎていると思います。余りにも自己の利益に固執していると、大きなビジネスの画を描くことが出来ないでしょう。所詮、単独の事業では出来ることにも限りがあるからです。



東京きらぼしファイナンシャルグループは、子会社を通じて創業間もないシードラウンドの新興企業を対象としたファンドを組成しています。きらぼし銀行が最大5億円を出資し、既存のベンチャーデッドファンドやベンチャーキャピタルと連携して、一気通貫で起業家支援が出来る体制を整えるそうです。中小事業の支援を強化する、きらぼし銀行ならではです。


きらぼしコンサルティングを通じ、存続期間が10年間の「Koonイノベーション1号ファンド」を組成し、創業間もないシード・アーリーラウンドの新興企業を投資対象としています。ただ出資をするだけでなく、コンサルティングなど伴走支援を提供するそうです。首都圏を地盤とする中小地方銀行が、独自性を出して行くことにより生き残る好例でしょう。


金融機関がシード期の創業間もない新興企業に投資をするのは珍しいでしょう。シード期の資金需要に対し、提供する機関投資家であるプレーヤーが限られている現実を考えると素晴らしい取り組みだと思います。シード期の新興企業と言えば、海のものとも山のものとも分からない、ただ何らかの特徴ある技術やノウハウを持つ創業者に拠って立つ存在でしょう。


一般的には事業に成功したエンジェル投資家が彼らを支援することがあたり前の様に捉えられています。私もITベンチャーを創業した時に、旧財閥系林業家であるエンジェルから会社設立時の資金を提供してもらった経緯があります。ただし、気を付けなければいけないのは、そう簡単にシード期の新興企業に必要以上の投資をしては育つ企業も育たないのです。


逆に今では創業を目指す方々の相談に乗ることが増えています。確かにどのビジネスプランも独創的で目新しいのですが、少し話を進めて行きますとそのビジネスを行おうとする目的が不明瞭なことが往々にしてあります。頭で知恵を捻り出し考えたビジネスというものは成功には覚束ないものと受け止めています。事業化すると途中で息切れするのが関の山です。


もっと腹の底からそのビジネスに取り組もうとするエネルギーが湧き出て来る必要がありますし、それ以上にそのビジネスを行う目的を出発点としたビジョンやビジネスプランが、その創業者の生き様と整合していなければ、事業を行っている過程で創業者は自分を見失ってしまうものと、私自身の体験からも肝に銘じておく必要があることを忘れてはなりません。


では、冷ややかにその様な創業を希望する方々を切り捨ててしまうのかと言えば、その様な今の社会では珍しくなっている独立心旺盛な方々を支援することも大切だと考えています。
その方々の空回りしている情熱を可視化してロジカルに整理することにより、創業希望者は自ら歩み出すようになります。人間というものは気づきを得れば成長するものだからです。


それには創業者独り思考を廻してもモヤモヤするばかりであり、そこに気づくには自分以外の他人とのコミュニケーションが大切なことは言うまでもありません。その上でシード期の資金を得て着実に歩みを進めて行くプロセスが大切なのです。その意味では、きらぼしコンサルティングは、格好の良い戦略を描くのではなく、人間臭く創業者に寄り添うべきです。


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財務デザイン!

皆さん、おはようございます!
社長業というものは、会社に関わる全ての責任を負わなければなりません。その精神的負担は相当なものです。仕事を他人に任せるから生じるジレンマ、経験をしたこともない判断に迷う事象もあります。そんな不安定な気持ちを凌駕するくらい事業が好きであることです。



財務(=広義のコーポレートファイナンスを指す)とは、会計数値を駆使して企業の経済価値を最大限に高めることにあります。この場合の企業の経済価値を最大限に高めるには、株価という財務の結果を目的化することなく、経営に真摯に向き合い企業を取り巻く利害関係者のモチベーションを最大限高める努力をして、はじめて結果としての株価が高まります。


例えば、企業として社会に存在する課題を如何にビジネスを通して解決すべく商品を提供するか、社会にある潜在ニーズを探りあて有効な商品を提供する必要があります。その様な商品を提供する為には、ビジネスを担う人々が組織という枠組みに捉われることなく、思いおもいのあるべき自分の姿を描きつつ、それを実現すべく自律的に行動することが必要です。


また、金融機関や株主にもその企業が目指すビジョンに対して共感し、かつそれに実績が伴なわなければ、誰も資金を提供しようなどとは思わないでしょう。取引先にとっても、魅力ある企業だからこそ取り引きをしたい思うものです。その為には、経営者が人生を通して成し遂げるべき目的を理解している必要があり、それを実現すべく日々努力をすることです。


そうして初めて企業の経済的価値が最大限に高まるものだということを理解した上で、改めて財務を捉え直してみる必要があります。それは、ただ単に会計諸則や財務指標を理解しているだけでは足りず、広い視野を持って経営をデザインしたり、人的側面においてキャリアデザインの知見をも持ちうるべきだと考えます。それらを統合したデザイン力が必要です。


財務数値というものは、その0から9までの数字を読み込むのではなく、感じ取ることが不可欠だと捉えています。人間が織りなす企業や事業の営みを感じ取りながら、客観で財務数値の大きさを読み取るのと同時に、それが何を意味しているか数字で表象される人間の行為までを主観で読み解けなければ、本当の意味での企業の経済価値を理解できないでしょう。


そして、財務数値を組み立てる時は、会計諸則により選択適用が認められている数々の認識
・測定方法から、最もその企業や事業を表現する為に適していると考えられる方法を選択適用することが醍醐味なのです。確かにその際に計上する財務数値は外部との取り引に基づく客観的な数字である必要がありますが、それが何を物語っているのかを読み解くことです。


財務数字を会計として捉えれば、取得原価(=取り引き時に支払った価額)により資産に計上されている訳ですが、それら取得した個々の資産が有機的に結合されて、はじめて資産として独自の意味を持つのです。その時に、取得原価よりも遥かに価値のある資産の塊としての付加価値が認められることになります。それをどう見抜くか目利き力が問われるのです。


そこには技術やノウハウなど人間の英知が込められていますが、それらの価値をどの様に認めるかは、ただ単に財務数値を追うだけでは見えてこないのです。逆に新たに事業を創出する場合でも、企画する段階からそれらを構成する資産の塊の価値が見えている必要がありますし、それと同時にビジネスモデルやストラクチャーを描き出しデザインしていくのです。


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JR東日本のネット銀行参入!

皆さん、おはようございます!
働く方々を応援しながら、まちづくり(=持続可能循環型地域経済)を果たしたいということが内に秘めた思いです。土地・労働・資本という生産三要素のうち労働に着目しています
。土地は有限の資源、資本は労働という無限の創造力に裏付けられた資源に他なりません。



JR東日本はデジタル金融サービス「JRE BANK(=JREバンク)」を5月より始めます。インターネットで開設できる専用口座を介し預金や住宅ローンなどのサービスを提供、鉄道や駅ビルの割引特典も設け、銀行口座を起点に集まるデータを活用し、鉄道や流通
、不動産など各事業の相互送客を促す新しい成長戦略を加速していくことを企図してます。


JREバンクは、銀行が事業会社に金融システムを提供する「BaaS(=バンキング・アズ・ア・サービス)」の手法で展開して楽天銀行のインフラを使用し、JR東日本傘下のビューカードが銀行代理業の認可を得て事業を担います。当初目標として100万口座の開設を目論んでいます。Suicaの発行枚数が累計1億枚超なので随分と控えめな目標です。


ネットバンクは最低100万口座獲得することが損益分岐ラインと見られてますから堅実な目標と言えるかもしれません。ただし、注目されてるのが鉄道会社ならではの特典を用意していることです。資産残高など利用状況に応じて、新幹線を含むJR東日本の片道運賃を年10回まで4割引きとする他、モバイルSuica利用者にも様々な特典を用意してます。


鉄道以外でも、グループが手掛けるホテルの宿泊料金を最大20%引きとしたり商業施設ルミネで一定額以上の決済をした若者にはJREポイントを約1000ポイント還元するなどの特典を用意しています。これが専業のネットBANKでしたら、せいぜい振込手数料や預金金利に特典を付与することしか出来ません。JR東日本の強みを如何なく発揮できます。


JR東日本がネット銀行へ参入する背景として、新型コロナウイルス禍のテレワーク定着や沿線人口の減少により、これまで収益の柱としてきた鉄道利用需要を伸ばすことが難しくなっており、独自の特典を付与した金融サービスを打ち出すことにより、鉄道事業の観光利用による販売促進や沿線商業施設などでの消費拡大につなげて行きたい考えを持っています。


その上でJR東日本が目指すのが、JREバンクを起点としたSuica経済圏の再構築にあります。ヒト・モノ・カネの膨大な情報の蓄積をサービス開発に生かしたいという考えを持ちます。鉄道や駅ナカ、ホテルなど利用促進を生み出し、各事業の相乗効果を発揮することを狙いとしています。新しい金融ビジネスの取組みとして非の打ちどころがありません。


これまでのSuicaは、進学や入社、転居に合わせて定期券の買い替えが発生し、その度に個人情報が途切れてしまい、有望なデータをサービス開発に生かし切れていなかった課題がありました。生涯使用できる銀行口座を介して、個人データを集約・分析することが出来れば、居住地や年齢に応じた割引券など、顧客層を絞った施策を打ち出すことが出来ます。


JR東日本としては、データを駆使したマーケティング戦略やサービス開発を一歩先に進めて行くとしています。新しい金融サービスのあり方として注目に値すると思います。このことは既存事業にばかりでなく、長い目で見ると銀行業のあり方にまで影響を及ぼすことになると思います。一方、インフラを提供する楽天銀行にも多大な好循環をもたらすでしょう。


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