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事業構造の意味を理解する!

皆さん、おはようございます!
EC事業を営む、若い知人が自ら消費者目線で新たなフィットネス機器を開発しようとしています。既製品の使い勝手やデザイン性に満足できず、それなら自分でという発想ですが、これからはそうしたプロシューマー(=生産消費者)が活躍していく時代でしょう。



事業といいますと、自ら持つ商品をお客様にご提供することから、商品設計、販売方法、販売価格、それを提供する人財、必要な資金といったことに目が行きがちだと思います。それはそれで経営の教科書的にも、ビジネスモデルを理解するうえで間違えではないのですが、事業の構造を理解する上では少しばかり表面的すぎるように思えてなりません。


特に若い経営者を見ていますと、表面的なことばかりに気を取られてしまい、脇が甘くなり、盤石な事業基盤を築けずに足元をすくわれる例が多い様に思えます。この表面的な事業の構想を事業の基本設計というとすれば、実際に事業を組み上げる実施設計の部分が欠けてしまっています。基本設計のみでは、事業が粗削りとなり海原を渡るに耐えません。


事業を形作っているものは、それを取り巻く権利義務関係の束であるという見方をしたことがあるでしょうか。商品の提供であれば、そこには商品としての物権の売買、もしくは賃貸という法律行為で成り立っている訳であり、それを提供する従業員とは雇用という法律行為が存在しています。そして各々に書面を残すかは別として契約が存在しています。


その契約には、どの様な法律行為をいつ、幾らで、どの様に受け渡すのかといったこと、更には契約当事者が義務の履行を果たせなかった場合の取扱いなどを想定しておく必要があります。そして、その契約行為に基づいてお金が動いて行くことを忘れてはなりません。その様にして売上や経費といったお金が計上され、その事業の損得が決められます。


ところが、往々にして見受けられるのが、商品代金と決済日だけを決めれば事業が成り立つという幻想です。それだけで済めばそれに越したことはないのですが、事業というものは、往々にしてイレギュラーなことが起こり得る存在であり、いかに事前にそれを想定し、不慮の現実に対してもスムーズな対応を図れるか予め準備しておく必要があります。


事業に対して、この様な見方をする人は少ないかもしれません。それぞれ個々の事業の営みの局面で、社員がそこまでのことを考慮して事業にあたっていては、オペレーションがはかどらず支障さえ来してしまいかねません。しかし、少なくとも経営を司る幹部の方々は、事業が社員により営まれる法律行為の束であることを理解することが必要でしょう。


なぜ、この様な見方をするようになったかといいますと、いままでに多くの経営破たんする会社に居合わせて参りましたが、その様な会社は当然に資金の収支尻があっていない訳です。なぜ、資金の収支尻があわないかと言いますと、事業が契約行為であることを理解しておらず、事業という四角い箱の四隅を押さえずに真中だけを撫でているからです。


折角、素晴らしい事業構想をもちながら実施設計ができていなければ資金がザルの隙間からこぼれおちてしまいます。事業を権利義務関係の束として立体的に俯瞰してみれば、自らの事業のどこが手薄かが一目瞭然に理解できます。経営を行うということは、その手薄となっているところを補っていくことで事業を盤石にしていくことに他なりません。


今日もありがとうございます!
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