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三井住友銀行の人材紹介業!

皆さん、おはようございます!
早4月も最終日となりました。今月は緊急事態宣言が発令され、私たちの生活や経済に大きな変化をもたらした月であったと言えます。その緊急事態宣言も1ヶ月ほど延長される見通しですが、中途半端に終息させずに徹底的にリスクを排除した方が良いでしょう。



三井住友銀行が人材紹介業に参入します。4月1日付でヒューマン・インベントリー(=東京千代田区)の発行済株式を全て取得し、会社名を「SMBCヒューマン・キャリア」に改めています。メガ銀行が人材紹介業に参入するのは初めてであり、人財の確保に悩む企業が増える中、融資に留まらない取引先の経営課題に応えるようにする狙いです。


金融庁が2018年に銀行への監督指針を見直し、金融機関が人材紹介業を手掛けられるようにしたことが契機となっています。地域金融機関では、横浜銀行、池田泉州銀行、広島銀行など約40行が業務を始めていますが、メガ銀行では初めての試みとなります。これからの銀行は、経営に関わる様々なニーズに応えていく必要があると言えるでしょう。


銀行の担当者は取引先の経営層と面談する機会が多く、具体的な要望を直接聞き取る機会に恵まれています。約1万社の中小企業の経営者に課題を尋ねたところ、約60%が優秀な財務や人事など経営管理にたけた人材の確保を挙げ、銀行の本業である資金調達は20%程度に留まったという調査結果もあるようです。後継者人材も含まれるのでしょう。


確かに銀行業にとっての本業は、融資や為替といったお金にまつわるサービス提供にあるといえますが、その本業での幹を太くしていくためには、まずはお客様である企業が成長していけるように様々なニーズに応えていく必要があると思います。人材紹介に限らず、お客様の売上を拡大するために取引先を紹介するなどにもっと注力するべきでしょう。


いまではどこの銀行でもお客様同士のマッチングを行っていますが、実際のところ形式的にご紹介だけしておしまいというお座成りの業務に終始している様に見受けます。そうではなく、もっと新たな事業を創出するような観点から、お客様企業が持つリソースを繋げていくようなビジネス・オーガナイザーとしての役割を担っていくことが必要でしょう。


その結果として、新たな資金需要が生まれ、銀行の本業である融資に跳ね返ってくるものだと思います。銀行業に拘わらず、メーカーの営業であっても、いまやコンサルティング的な付加価値の高いサービスの提供が不可欠な時代です。企業というものは、事業内容を規定してしまいますと、そこでの商品を効率的に提供するための組織が標準化されます。


自社の商品を販売することばかりに目が行きがちとなり、お客様の多様なニーズが耳に留まらなくなってしまうのが人の常ではないでしょうか。そうではなく、あらゆるお客様のニーズに応える(=自社にニーズに応えられる商品がなければ、それを持つお客様を紹介すれば良い)ことにより、お客様の信頼を築き上げていくことこそ大事だと思います。


お客様のニーズとそのシーズを持つお客様を繋げていくところに新たなビジネスチャンスがあるということを忘れてはいけません。それにより自社の業容も広がっていくものです。その意味で、今回の三井住友銀行の人材紹介業への進出は、最前線に立つバンカー達に新たなシーズを託すものであり、広い視野でニーズに応えて欲しいものと思います。


今日もありがとうございます!
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