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M&Aの仲介ビジネス!

皆さん、おはようございます!
GWが目の前に迫って参りました。今年は例年になく良い天気で初夏を思わせる気候が続くそうです。本来なら、どこか観光地にでも訪れたいところですが、今年は庭の手入れと近所の散策程度に留め、家族でゆっくりと会話を楽しみながら過ごしたいと思います。



少々、ニッチな話しで恐縮ですが、M&A案件を斡旋する仲介業者は、一般的に売り手企業のニーズをもとに買い手企業を探すことが慣例となっています。明確に企業を売却しようとする売り手が存在しなければ、探そうにも買い手企業を見出すことが出来ません。だからM&Aでは売り手企業を探すことから始めることが仲介業者の通例となっています。


ところが、この業界慣行を覆すような仲介業者が出現した旨の新聞記事に目が留まり、興味深く読んでみました。この仲介業者は、買収を検討する企業のために売り手企業を探すサービス「プレマーケティングサービス」を始めており、業種や地域などの買収条件に応じて候補となりそうな企業のリストを作り、M&Aの成約までを支援するとしています。


サービス利用企業が買いたい企業の業種や地域、従業員、売上高など希望を伝えると、この仲介業者が売り手候補企業を探す仕組みです。仲介業者の報酬として、M&Aサービス基本料の他に手数料が発生するようです。一般的に、中小企業のM&Aでは売り手と買い手の案件の割合が1対9といわれ、売り手企業を探すのが難しいという現実があります。


しかし、この仲介業者の狙いは、2025年に70歳を超える中小経営者約245万人のうち半数は後継者が未定であり、潜在的な売り手が多いことから、そこに照準を合わせて営業活動を強化すれば、勝算があると踏んでいるのでしょう。古くて新しいM&A仲介業界において、新しい報酬を得るサービスに挑むという意味では興味深くもあります。


M&Aという売買取引においては、売り手企業そのものが取引対象としての商品となります。ただし、工業製品のような標準化された商品と異なるところは、企業は例え同じ業種、同じ商品を販売していても、企業文化も異なれば、仕事のやり方も異なり、当然に売上や利益も異なっています。その意味では、二つとして同一の企業は存在し得ません。


その様な独自性の強い企業を先に買い手の要望を受けて探し当てるには、漠然とした企業像から、徐々に具体的に候補企業を絞り込んでいく必要があります。候補企業が具体的になっても、必ずしもその経営者に後継者がいないといった理由から売却する保証はない訳です。その様な不確実性の高いサービスに挑むには、それなりの裏付けが必要でしょう。


もっとも、後継者が未定の中小経営者数は約125万にも登り、その多くの経営者が今後の事業の存続について具体的なイメージを持ち合わせていないことを想定しますと、誰かがそれらの相談に乗り、その背中を押してあげることも必要かもしれません。いま後継者のいない事業承継の問題点は、それら中小経営者が顕在化してこないところにあります。


事業とはいいましても中小経営者の私物であり、廃業するか否かの意思はその経営者に委ねられますが、事業規模の大小に拘わらず、廃業すれば社会損失になることにも留意が必要です。事業という呪縛から解き放たれ、それを換金して老後に備えることも現実的な考えでしょう。手塩を掛けて育んできた事業を後世に残す意義も社会的に大きいでしょう。


今日もありがとうございます!
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