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米財界の株主第一主義見直し!

皆さん、おはようございます!
久しぶりに以前の会社で株式公開準備をしていた時にお世話になりました証券会社の方にお会いしました。流石に公開支援の仕事をされているだけあって、その広いご人脈には感心させられるばかりです。身近な人間関係の大切さを改めて感じざるを得ません。



米国企業といえば、欧州の企業以上に株主第一主義のスタンスを鮮明に打ち出している社会と受け止められています。200数十年前に欧州から米大陸に渡った人々のフロンティア精神が受け継がれ、いまの世界大国である米国の超合理的な考え方が育まれて来たことを考えますと、人間の行動はつくずく環境により規定されるものと思います。


それに比べ、四方を海で囲まれた島国の中で大和時代より単一民族により営みを続けてきた農耕民族としての日本は、根付いた思考回路の違いから、どんなに米国流の文明を採り入れようとも相容れないものがあるように思います。日本の企業もここ数年株主第一主義を模倣してきていますが、どこまで行っても本物に成りきれないように感じます。


その様な折に日本の経団連に相当する米国のビジネス・ラウンドテーブルは、株主第一主義を見直し、従業員や地域社会などの利益を尊重する経営に転換すことを宣言しました。株価や配当など投資家の利益を優先した米国型の資本主義を見直すという大きな節目を迎えていますが、日本はそれをどの様に受け止めるべきか困惑しているように見えます。


もっと日本のマスコミなどが自らの論調を世に問うても良いように思えますが、米国でその様な事実関係があったことを伝えるのみなのは何故でしょう。そもそも日本企業の株主第一主義への傾斜は、グローバル化した企業が世界標準に迎合する必要に迫られたからであり、必ずしも自らの本質的な意思に基づいていないからではないでしょうか。


米国における株主第一主義の考え方は、荒野であった米国大陸を短期間のうちに近代化するために、企業が規模と標準化を追い求めることが不可欠であったからであり、そこで必要な巨額資本を得るための必然であったと考えられます。いまの世界最大の経済大国を築くに至る歴史的な背景があったことを見逃してはならないと思います。


そんな米国経済も、所得格差問題が是正されず拡大する一方であり、ミレニアル世代の約6割が企業の主な目的を利益追求より社会貢献と考える現実の中で、米国市民の意識の変化を無視できなくなっています。また、経済のソフト化進展にともない、そもそも企業も従来の様に巨額な設備投資を必要としなくなっていることも考慮する必要があります。


米財界がどこまで本気で経営スタンスを変えようとしているのか読み切れないところもありますが、米社会の風潮として新たな兆しが芽生えつつあることは事実です。日本は、逆にここ数年、利益水準を高めることや利害関係者としての株主を重んじる方向に舵を切っていますが、それはむしろ欧米経済に迎合する形で為されています。


日本と米国では企業の置かれた歴史的な背景が異なり、日本は逆に株主の利益を余りにも軽視してきた経緯があります。今回の米国における行き過ぎた株主重視の是正は、日本にも影響してくると思います。時代の変革期の中にあって、企業の役割も変わらざるを得ません。これからは働き手個々人の創造力が何よりも大切な時代となるでしょう。


今日もありがとうございます!
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