誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

株式会社のこれから!

皆さん、おはようございます!
最近の20歳代の若いビジネスマンと話しをしていますと、将来に対する夢が妙に現実的であることが気になります。ちょうどご両親の世代がバブル崩壊、その後の失われた20年を生きてきた世代であることとも関係しているのかもしれません。



欧米企業に比べますと、日本の企業は株価収益率が大きく下回っているところが問題であるとの指摘がなされています。それと同じ様に、従業員1人当たりの生産性が欧米企業に大きく水をあけられています。だから日本はもっと生産性を上げて株価を高めていく必要があるとする、短期的な視点での論調が強まっている様に感じます。


確かに、情報技術革新という時代の変革期において、いまだ昔ながらの手法によるモノづくりを続けており、ピラミッド型階層組織による分業体制を敷いているため、企業は余剰な人財を抱えながら事業を運営していると言えるでしょう。最近、日本的な雇用慣行を見直す機運が高まっていることがそれを意味していると思います。


短期的な視点で株価を高めていくだけでしたら、大幅にコストを減らし、水膨れとなった余剰設備や持合い株式などの資産を流動化(=売却)する、いわゆる財務リストラを断行すれば良い話しです。余剰となった資金を活用して、海外の同業他社を買収しておけば、株価対策は万全でしょう。これが現在の多くの日本の大手企業の姿だと思います。


しかし、その様な短期的な視点だけで、社会の公器であるはずの企業が持続可能な成長を続けることができるのでしょうか。やはり将来に対するビジョンを描き、事業を通して社会の問題を解決してこそ、企業は社会に受け入れられるものと思います。その意味では、長期的な視点に立って株価を高めていく必要があると思います。


企業は、規模の経済を追求する生産体制を採り入れ、資本主義経済の発展により、その所有と経営の分離が著しくなっています。企業の所有と経営の分離が著しくなれば、株主が企業に期待することと、経営者の企図に乖離が生じて来てしまいます。株主は、株式という金融投資から如何に効率良くリターンを得るかという思惑が働いてしまいます。


経営者は、時代の端境期において、新たなビジネスを創出して行かなければならないのですがそれが出来ずにいるため、株主の意向に迎合して短期的視点で株価を上げるか、日本の企業の様にそれすらも出来ずに慢心しているように見えます。企業が直線的に右肩上がりに成長している時には成り立っていた企業統治という枠組みも見直しが必要でしょう。


ユニリーバ(=英蘭)という会社をご存じだと思います。同社では、短期的な視点で投資を行う株主を排除するスタンスを鮮明にしています。自らの理念、ビジョンに賛同する株主に長期的な視点で株式を保有して貰いたいからです。そうでないと経営者も長期的な視点で安定的な経営を営めないからでしょう。


最近、投資の世界でも環境、社会、企業統治に配慮した企業に積極的に投資しようとする考えクローズアップされています。行き過ぎた資本の論理を抑止するという意味では、ようやく資本主義社会にも新たな芽生えと言えるでしょう。株式会社という枠組みも、単に利潤を生み出すマシンから、一社会市民へと変わる時が来ているのでしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する