中小企業社長の心理状態!
皆さん、おはようございます!
今日はこれから松本へ参ります。この時期の松本もとても暑いのですが、東京に比べて湿度は低いため幾分過ごしやすく感じます。東京より太陽に近く、空気が澄んでいるため、陽射しが眩しく直ぐに日に焼けてしまいます。
日本の企業数は382万社、従業員数は4794万人といわれています。その内、中小企業が占める割合は、企業数で99.7%であり、雇用数ではほぼ3/4となっています。
中小企業白書によりますと、中小企業のうち社長の右腕となる人材がいない中小企業の割合が、実に50%近くにまで達していると言いますから驚かざるを得ません。
また、社長の年齢が60歳を超えている後継者のいない中小企業の企業数が127万社も存在しており、この数字が廃業予備軍として社会問題となっています。中小企業のうち実に1/3に相当する企業が廃業に追い込まれる可能性がある訳ですが、業績の思わしくない中小企業を含めますと、もっと多くの中小企業が失われる可能性があると思われます。
国税庁の統計によりますと、国内企業のうち約6割強の企業の決算が赤字であるとのことですので、この赤字企業まで廃業予備軍として捉えてしまいますと実に200万社以上の企業が倒産を含む廃業予備軍と受け止めることが出来るかもしれません。仕事がら中小企業との関わりが多いのですが、こうやって数値で見ますと改めて驚かされます。
中小企業の社長の多くは、従業員の生活を背負いながら、目先の業績に一喜一憂し孤軍奮闘している姿が改めて浮き彫りになってくると思います。明日がどうなるのかも分からない状況の中で、悩みを誰にも相談することが出来ず、それこそ精神的にジェットコースターにでも乗っている様な日々を送っているのではないでしょうか。
私にも、そういった経験がありましたが、いつも心臓の鼓動が高く、少しでも仕事が思う様にいけば非常にテンションが上がるのですが、逆にどんなに努力をしても上手くいかなければ「倒産」という文字が脳裏をかすめ、まるで躁鬱病にでもなったかの様な精神状態で日々を過ごさなければなりません。
身体じゅうに鉛の重しを纏ったような感じで、本来の自分の持ち味を発揮することが出来ないもどかしさに腹立たしくもあり、遣り切れなさを感じているものです。必ずしも中小企業の社長に能力がないという訳ではなく、それだけ一国一城の主として自らの企業を守って行く為に重圧に耐えているというところでしょうか。
ただし、その様な状況の中で日々の事業を営んで行きますと、必ずしも業績が芳しくなくても事業の軌跡はきちんと残っているものです。振り返ると、取引先、商品、従業員、ノウハウなどが蓄積されていることに気付かされます。問題は、日々の忙しさのあまり、経営がどんぶり勘定になりがちだという点でしょうか。
やはり企業を経営していくには、日々の事業運営上の課題を一つずつ改善していく積み重ねが必要となります。大手企業ならあたり前に出来ている、予算を作成して、毎月実績と見比べて、問題点を改善していくPDCA(=Plan、Do、Check、Action)を地道に回し続けていく余裕が必要なのでしょう。
どんな大手企業にも、創業期や中小企業であった時期が必ずあるものです。創業3年目、5年目、7年目には乗り越えなければならない壁があると言われています。企業の成長に応じて企業の至る所に軋みが発生するものです。これらを乗り越えて成長していく企業には、必ず陰で社長を支える右腕となる人材が存在しているものです。
社長が大きな事業の画を描いて、それを実務的に具現化していく人材の存在は無くてはならないものですが、残念ながらいまの中小企業には少ない様に思えます。ちょうど、冒頭の中小企業白書における社長の右腕となる人材の比率が50%位と出ていますが、肌感覚的にもその様な感じだと思います。
個人的には、大手企業に勤めたことのある実務経験者が、中小企業社長の片腕として流動化が進めば、これからの中小企業の経営状況ももっと変わって行くものと思います。その意味では、経営の安定性ばかりがクローズアップされている大手企業も、これからの時代、必ずしもこれまでの日本的な雇用慣行を維持できなくなっています。
大手企業に勤めていても安定しているとは言えなくなる状況の中で、働き手も本当に自分の遣りたいこと、多少のリスクをとってでも伸び伸びと仕事ができる環境に身体を委ねても良いのではないでしょうか。どんな中小企業にも、きらりと光る他社に負けないリソースがあるものです。それを生かしていく為には、中小社長を支える人材が不可欠です。
今日もありがとうございます!
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