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株式会社という仕組み!

皆さん、おはようございます!
毎日、猛暑が続いていますが、早くも来週はお盆ですね。メーカーでもない限り、会社が一斉休業することもないでしょうが、夏休みをとられる方も多いことでしょう。暑い最中にゆっくりと疲れを癒すことも必要でしょう。



株式会社は、産業革命による生産の機械化によって、企業が巨額の安定資本を必要とするようになったことと時を同じくして発展してきた歴史があります。やがて資本市場が形成されるようになり、成長著しい企業は株式を公開し、更なる成長資金を安定的に株式市場から調達することを可能にしています。


同じ株式会社でも、欧米企業と日本企業の歴史を振り返ってみますと、欧米企業では早くから企業の所有と経営が分離され、株主が経営を牽制する体制が築かれてきたのに対して、日本の企業は戦後復興の必要から、また多くの企業が財閥経営であったことから、株主の利益よりも企業経営そのものが注視されてきたと言えるでしょう。


企業と従業員の関係も、欧米、特に米国的な経済合理性をもって標準化された業務に機械的に人員を配置していく組織風土とは異なり、日本の場合は企業と従業員が運命共同体的な協調しあう組織風土を醸成できたことが、その後の高度経済成長を支え、日本を世界でも有数の経済大国へと押し上げてきた理由となっています。


しかし、そんな日本企業も、モノが生活者の手に行き渡り、今後、国内人口の減少が確実視される中で、いままでの様に企業成長し続けることが困難になっています。その様な最中に、欧米流のもの言う株主による経営者への牽制が強まっており、企業を取り巻く多くの利害関係者の中でも、株主に対する経営者の意識が非常に高まっています。


日本企業の良さであった従業員との協調関係が薄れ、従業員にとってもギスギスとした働き心地の悪い職場へと変容していると言えます。これも一重に日本の企業がグローバル化により欧米流の経営手法を模倣せざるを得なくなっていることもありますが、実物経済と金融経済のバランスを欠いた現在の資本主義に課題がある様に思えます。


実物経済の成長が滞っている中で、金融市場には巨額の余剰資金が滞留しており、少しでも期待の持てるリターンを求めて、資金が世界中を駆け巡っています。その様な中で、機関投資家をはじめとする株主の企業への発言力が高まっています。株主による経営者に対する一定の牽制も必要でしょうが、時にはまた協調することも必要でしょう。


最近、企業の従業員が自社の株式を所有するコーオウンド企業が欧米に存在し、増えつつあることから関心を持っています。日本の企業でも古くから社員持ち株会が存在しており、従業員が企業に対して一定の帰属意識を持たせる目的としてはコーオウンド企業と同じだと思います。


しかし、コーオウンド企業の注目すべき点は、極端な話し、発行済株式の100%を従業員が所有している企業まで出現しているところにあります。単に企業への帰属意識が高まるのみならず、従業員として働きながらにして自らの会社であるというオーナーシップ意識が非常に高まると思います。


ピラミッド型階層組織による上から下への指示を受けての仕事ではなく、企業としての目標を従業員各人と共有するだけで、各人が率先して仕事に取り組む、一昔前の日本の企業のような企業風土が醸成されることと思います。従業員も株主の立場を併せ持ちますので、直接的に経営に参画し、自分たちの成果である利益をも配当として還元されます。


一方、ティール組織という企業の上下関係の分け隔てなく、社員があたかも経営を担っているが如く業務を遂行する運営体制が俄かに注目を浴びています。ティール組織も、働き手が主体的に仕事を遂行していくという点ではコーオウンド企業と似ていますが、実効性という観点ではコーオウンド企業の方が優れているように思えます。


ただし、コーオウンド企業は、成長著しい資金需要が旺盛な企業には新たな増資を行っていく必要から、どちらかと言えば安定した中堅、中小企業に適している様にも思えます。特に、地域住民の多くが勤める企業であれば、必然的に地域の課題を事業を通して解決していく社会の公器としての意味合いも高まることでしょう。


また、後継者のいない企業オーナーの事業承継の一つの方法としても有効であるように思えます。経済成長が著しい社会であれば、株式を所有するのは資本家であるというのが当たり前かもしれませんが、経済が成熟若しくは衰退していく社会であるのなら、従業員が自らの勤める企業の株式を所有することも一考に値するかもしれません。


今日もありがとうございます!
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