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新しい事業承継のかたち!

皆さん、おはようございます!
将来の見通しが立ちにくい社会の揺らぎは、大手企業ばかりでなく中小企業の経営者に大きなインパクトは与えているように見えます。額に汗水を流し実直に仕事に取り組んでいれば業績が付いてきた時代は過去のものとなり、経営者個人が希望を持たなければなりません。



後継者不足の中小企業の買収を専門とする米スタートアップ企業チームシェアーズが日本市場に参入するそうです。オーナーから企業を買収した後、段階的に従業員に株式の8割を付与して事業の持続性を高める手法を取るところに目新しさがあります。2023年に三菱UFJファイナンシャル・グループ傘下のVCから資金調達して日本法人を設立しています。


チームシェアーズは米国で2019年に設立し、売上高10億円前後の中小企業を中心に、製造業や小売業、飲食業など幅広い業種の企業90社を買い取っています。売上高の合計は約600億円に上るそうです。同社は買収先の従業員に無償で株式を配るのが特徴で、買収直後に株式の10%を与え、20年以内に従業員の持ち株比率を8割まで高める手法です。


株式保有により、従業員は給与に加えて配当金を得られます。チームシェアーズと経営層、従業員が業績改善に一体的に取り組む効果を狙ってのことです。同社は一度買収した企業を事業会社やファンドといった第三者に売却せず、買収した企業からの配当金で収益を上げるストラクチャーを取ります。果たして配当収益だけで事業が成り立つのか疑問は残ります。


買収先の社長は外部から招き、中小企業の経営ノウハウや事業管理ソフトウエアを共有するなどして収益の向上を図ります。この点に関しては、私自身非常に納得できる部分であり、
中小企業の経営は業種業態が異なれど、抱える課題は①トップマネジメントの資質、②売上向上策、③業務標準化とDXに収斂するものであり、そのノウハウを共有できるでしょう。


ここで売上向上策を掲げているのは、例え中小企業の取り扱う商品が異なっていても、各々企業が目指す営業戦略として、大手企業の下請仕事から直接エンドユーザーとコンタクトを取ることが必要です。それを大別するとBtoBとBtoCに括ることが出来ますので、その何れにも商品種別にカテゴライズしたECプラットフォームを設ければ良いと思います。


チームシェアーズとしては、優良な中小企業を買収し、それぞれが収益を拡大すれば自社の利益につながることは勿論、長期的に日米で計1万社を傘下に入れる目標があるそうです。売上に換算しますと6兆円規模のグループが誕生すると推測されます。その他にも、それら買収した企業に対して金融サービスを開発して提供することも視野に入れているそうです。


このチームシェアーズの取り組みの課題は、競合となる事業承継ファンドが増える中、比較的優良な中小企業を割安で取得することが出来るかという点と、日本の中小企業に知見を持つ経営者を確保できるかだと思います。何れにも共通するのは中小企業に対する目利き力であり、業績不振でも事業を立て直すことが出来る有能な経営者が不可欠であるのでしょう。


少し手間が掛かるかもしれませんが、長期的な視点でその様な経営人財を育成していくことも必要でしょう。また、その事業再構築に際して取得する中小企業間を連携させることによって、新たな事業や商品を創出する視点も持つべきです。出来ることなら、中小企業連合のオーケストレーターとしてバリューチェーンを築き、自らも事業に乗り出すべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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