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スノーピークのMBO!

皆さん、おはようございます!
実際にお客様と対峙し提供する商品の価値を感じ取り、商品を手直しするビジネスマンはどの位いるのでしょう。一般の仕事は既に標準化されており、少しばかりの営業努力と知恵を働かせれば商品が売れるのではないでしょうか。その様な醍醐味を感ずる必要があります。



アウトドア用品大手のスノーピークがMBO(=経営陣による公開企業の買収)により株式を非公開化するようです。米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOB(=株式公開買い付け)を実施します。スノーピークは東証プライム市場に上場、足元の時価総額は320億円であり、想定されるTOB株価は時価838円を4割以上上回る1200円台です。


TOB総額は500億円規模となる見通しであり、TOBが成立すればスノーピークは上場廃止となる予定です。創業家で株式の14%を保有する筆頭株主の山井太会長兼社長は引き続き出資し、MBO後も社長として経営にあたると見られています。10年前に当時の東証マザーズ市場に上場してから、わずか10年間しか経っていませんが、何が理由でしょう。


最近、ベネッセホールディングや大正製薬ホールディングスといった大型案件を含めたMBO流行りとでも言うようなマーケット動向を示していますが、いったい何が経営者をMBOに駆り立てるのでしょう。また、MBO資金を提供する投資ファンドにしましても、そこに投資機会があり利ザヤを稼げるのであれば、何にでも手を出す考え方で良いのでしょうか。


スノーピークは、新型コロナ禍で密を避けられる屋外でのキャンプなどアウトドア人気の高まりを受けて、2021年12月期の純利益は過去最高となる27億円を叩き出しています
。株価も4490を付けています。その後の新型コロナ禍の収束でアウトドアブームがピークアウトした結果、事業拡大に伴う人件費の増加もあって業績が落ち込んでいるそうです。


2023年12月期連結決算では、売上高が前期比16%減の257億円、純利益は99.9%減の100万円となってます。決算発表を受け株価も大きく急落してます。非公開化で限られた株主とすることで、コスト削減など経営改革に取り組み業績回復に繋げる考えを持ってます。ベインが持つグローバルなマーケティング知見を生かし海外展開も急ぐ様です。


必ずしも株式公開したままでリストラクチャリングを進めることが出来ないわけではありませんが、MBOを行う企業属性を見てますと、もともと創業家が存在する企業で、業績が低迷し株価が冴えない企業が多いようです。いわゆるキャッシュリッチで保有する現預金が多く、アクティビストと言われるものいう投資家から標的にされるのを避けたいのでしょう。


確かに株式公開しますと、会社としての経営スピードが鈍化することは否めません。上場維持コストも半端なく掛かってきます。本当に成長資金としての需要があるのなら別ですがブランド力を高めるため安易に株式公開をすべきではないことを意味しているものと思います
。投資ファンドにとって、このMBOは比較的リスクの少ない投資案件と言えるでしょう。


これからの投資ファンドは、持てる資金量に物を言わせてファイナンスストラクチャーによるテクニックのみで企業の経済価値を高めることに終始せずに、来るべき将来の時代に相応しい事業にリストラクチャリングすべく、ビジネスモデル改編に必要なノウハウやネットワークを持ち合わせているべきでしょう。その様な正統派の投資ファンドが出現すべきです。


今日もありがとうございます!
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