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イトーヨーカ堂の衣料品事業!

皆さん、おはようございます!
自分で自分のメンタルが分かりにくいのと同様に、自分で自分のビジネスモデルを描き出すのは難しいものです。他人のビジネスについては客観的に俯瞰しながらその望ましいモデルが湧き出て来るものですが。自分を客観的に見ようとしても主観が邪魔をするのでしょう。



セブン&アイ・ホールディングス傘下の総合スーパー(=GMS)イトーヨーカ堂が自前で商品を企画開発する衣料品事業から撤退して、アパレル国内3位のアダストリアから供給を受けるそうです。イトーヨーカ堂にとって祖業である衣料品販売事業について、新体制で再出発することになります。最近の同社は事業の目的を見失っているのではないでしょうか。


まずイトーヨーカ堂木場店の衣料品売り場でアダストリアが立ち上げた専用ブランド「FOUND GOOD(=ファウンドグッド)」商品の売り場700平方メートルを設けて、GMS全体の半分にあたる60店舗強まで広げる計画です。元々はイトーヨーカ堂のプライベートブランド(=PB)衣料を中心に展開していた売り場を改編していくことになります。


イトーヨーカ堂はアダストリアが企画・生産したGMS向け商品の供給を受け、売り場づくりや販促活動といったマーケティングもアダストリアが担います。イトーヨーカ堂は商品の発注量の確認や調整などに終始することになりますから、事実上SPAビジネスから単なる棚貸しビジネスにビジネスモデルを転換することになりますが、それで良いのでしょうか。


SPAとはプライベートブランドアパレル小売業を意味しますが、製造から販売までの全ての機能を垂直に統合したビジネスモデルであり、消費者ニーズに迅速に対応することを目的とした、無駄なく効率的なビジネスモデルとしてユニクロやGUなどの衣料品販売を運営するファーストリテイリングや、家具や生活雑貨を販売するニトリなどが取り入れています。


イトーヨーカ堂が売り場づくりや販促活動を行わないということはマーケティング機能を手放すことになります。小売業がマーケティング機能を手放すと何が残るのでしょう。そこには立地の良い店舗の床と棚を貸し出すしかありません。それは、もうすでに小売業ではなく商業不動産施設賃貸業にしか過ぎません。それでは消費者の心を掴むのは難しいでしょう。


その様なビジネスモデルにパルコがありますが、パルコは商業施設全体としてのコンセプトを明確にして販売促進や広告などのマーケティングは自ら行っており、更にはビジネスインキュベーションの観点からパルコ内で販売する目新しい商品を創出する事業者を自ら開発するビジネスモデルが今でも息づいています。イトーヨーカ堂はそれ以下に成り下がります。


カルチャコンビニエンスクラブが展開するTサイトシリーズの様に、生活シーンに合わせ様
々なカテゴリー商品で売り場を創るのも一つの方法だと思います。いまの小売業は、まだまだ売り手の論理で商品カテゴリー別に売り場を作っていますが、それは必ずしも消費者にとって望むべきものではなく、売り手から消費者への押し付けであることに気付いてません。


イトーヨーカ堂はもっと小売業としての使命を考えた方が良いでしょう。確かに衣料品の競争は厳しいものがありますが、だからといって良いものを安く提供する発想から抜け出して本当に消費者が望むものを考え提供すべきだと思います。いまのイトーヨーカ堂は企業価値を意識し過ぎており、資本をどう効率よく回すかということばかりに目を奪われています。


今日もありがとうございます!
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