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オリックスのM&A型事業承継!

皆さん、おはようございます!
FP&Aという業務だって、ただ事業を管理統制するだけでなく、事業部と一緒になり事業を創っていく姿勢が必要でしょう。事業部とのコミュニケーション能力が必要なスキルの大部分を占めるのなら、同じ釜の飯を一緒に食べるくらいに事業にどっぷり漬かるべきです。



オリックスは中堅海運の三徳船舶を買収することを発表しています。買収額は負債込みの企業価値換算で約3千億円とみられており、創業者の代替わりに伴うM&A(=合併・買収)としては大きな規模になります。同社にとり、2023年に買収した通販系商品大手ディーエイチシー(=DHC)の約3千億円と並び事業承継目的のM&Aで過去最高になります。


海運企業のオーナーの高齢化が進む中、オリックスは事業承継の受け皿となって規模拡大を目指す意向です。ここまで見るとオリックスが資金提供するファンドとしての役割を担い、
先行き同業他社へ売却するのではないか考えてしまいます。ところが、私も知りませんでしたがオリックスは船舶3隻を保有し海運会社にリースする事業を営んでおり事業目的です。


オリックスのノンバンクとしての立場がはっきりしないのですが、今回の三徳船舶の買収はリースという事業目的の為であることを考慮しますと、大手総合商社が行っている商社金融と同じように位置づけることが出来ると思います。商社金融に対して私が持つ概念は、もちろんいつでも転売するヘッジを図るのですが、保有期間中は事業利益を享受するものです。


その様に考えますと、オリックスは半ば持てるネットワークを活用し商社的な機能をも持ち合わせているユニークな存在なのでしょう。以前も、いまは三菱UFJリースと合併した日立キャピタルというリースやクレジット事業を営むノンバンクがあり、その日立キャピタルがお金目線ではなく事業をお客様に提案する視点で事業展開していたことを思い出します。


確かに金融ビジネスといいますと、ついぞリスク・リターンという与信供与・利息の世界に終始しがちです。その金融事業の前に実業としての事業が存在していることを考え併せますと、例え金融ビジネスを営む事業者であっても、事業そのものに手を染めて行けば事業に対する目利き力も養われ、金融ビジネスに身を置きながら面白い事業展開が出来るでしょう。


事業に対する目利き力があるからこそリスクテーク出来るばかりか、リスクヘッジノウハウも蓄積されていきますので、その分の利益を高めることが出来るでしょう。ただし、金融機関の場合には法律によって事業会社を傘下に置くことが禁止されています(=最近では地方銀行救済政策の中で随分と緩和されています)ので、オリックスの様な訳にはいきません。


三徳船舶買収によってオリックスは、他社が保有する船舶の管理運航事業をも手に入れることになりますので、その事業を自前でできるようにし収益源を多角化する目的もあるようです。これなど正しく金融ビジネスではなく実業そのものでしょう。また、オリックスグループが持つネットワーク力を持ってすれば、収益拡大や費用削減を図ることも可能でしょう。


オリックスはこれまで、会計ソフトの弥生、再生可能エネルギーのグリーンコ、東芝への出資も進めてきました。ただの金融ビジネスに留まるなら、事業収益からのリターンのみを期待していれば良いのですが、例えば弥生なら金融機関とのオンライン化やカードビジネスとの相乗効果を発揮すれば、ユーザーに対して手軽な融資業務にまで広げることも出来ます。


今日もありがとうございます!
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