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ネット銀行の戦略!

皆さん、おはようございます!
よく創業しようとしている方から相談を受けることがあります。彼らは自分が営もうとする事業のことについては知見をお持ちの様ですが、それ以外のことについては全く分からないと仰ることが多いものです。アドバイスに終始せずに目線を合わせご一緒したいものです。



昨年、後発組ネット銀行であるGMOあおぞらネット銀行の法人口座累計数が10万口座を突破したようです。ネット銀行を立ち上げてからわずか5年での大台突破という快挙に素直に驚かざるを得ません。確かにメガバンクの1行あたり100万口座を超える法人口座数に比べれば、まだまだ足元にも及びませんが、フィンテックの足音が少しずつ忍び寄ります。


GMOあおぞらネット銀行が掲げている柱の一つに「スタートアップ向け銀行No.1」があります。既にネット銀行同士の競争が激化していた住宅ローンなどで競うことなく、中小
・新興企業に目を付け創業初期の企業に融資を行うという、金融とIT(=情報技術)を融合させたフィンテックを使って従来の銀行が手を出せない分野に特化した結果の実績です。


銀行の常識では、実績のない創業初期の企業に融資をすることが出来ないビジネスモデルとなっています。そこで同行は入出金のキャッシュフローを分析するシステムを導入し、担保や決算書を求めず、最短2営業日で融資できるようにしています。スタートアップの要望に応えるため、登記完了前に手続きを進めて創業後すぐ口座をつくるサービスも始めてます。


2023年11月にはアルトアと提携して人工知能(=AI)で審査を高速化して3千万円上限に融資する制度も設けています。ライバルの住信SBIネット銀行は、企業から融資の要請が来る前にAIを駆使して顧客口座の収支情報を分析し、予め金利などの条件をメールで知らせる「プッシュ型」融資を開発して運用するなど、先進的な取り組みを始めてます。


これに対してメガバンクも対抗すべく、三菱UFJ銀行はスタートアップ企業とシステムを連携させて収益などをAIで分析して融資する手法を今期中に国内で導入する方針です。みずほ銀行もAIで事業の収益性を評価して融資するファンドを立ち上げています。もともと金融とITの親和性は高く、玉石混交の様相を呈してきた金融業界が面白くなっています。


創業期はネット銀行から資金調達し、次第に地銀やメガバンクとの取引を増やしていく成長プロセスもおぼろげながら見えてきています。しかし、2000年代に自動審査システムを導入した新銀行東京が不良債権の山を築いて破綻した過去もあります。現在のAI審査システムは利用データや分析の精度が高まっているとはいえ審査モデルの磨き上げが必要です。


AI審査における実績が積み上がってくれば、その誤謬率も統計で把握できリスク換算できると思いますが、最後はやはり人的審査と危機管理能力に勝るものはありません。そもそも事業とは様々な外的イレギュラーな変数が絡み合っているものであり、経営者のヒューマンエラーをも考慮に入れる必要があります。それを統計ではなく直感で掴むことも大切です。


ネット銀行であるGMOあおぞらネット銀行の戦略は正しいと思います。ただ数々のトライ&エラーを繰り返しながらAI審査も磨かれていくのでしょう。フィンテックも未だ緒についたばかりで、まだまだこれから技術的な進歩によって少しずつ金融業界を変革していくことでしょう。技術の進歩と人間の英知を融合させながら社会が変わり行くことを望みます。


今日もありがとうござます!
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