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観光再生マネー!

皆さん、おはようございます!
取引先との呼吸がピッタリ噛み合う、その様なことが一日のうちに幾つか重なると流石に嬉しくなるものです。でも、それって自分自身の気持ちの持ちようかもしれません。自分のことを超越して取引先に対して誠意を尽くしていれば、必ず帰ってくる成果かもしれません。



中小企業基盤整備機構が観光産業の再生事業に参入するそうです。投資ファンドを通じ成長資金を供給し、旅館や食産業、プロスポーツクラブなどに幅広く支援する計画です。新型コロナウイルス禍で債務を抱え、設備投資や人員増強のための資金が不足する企業が多いことへの対応です。3つの民間ファンドに総額100億円超を出し、構造転換を後押しします。


製造業を中心に投資してきた中小機構が観光支援に乗り出すのは初めてのことになります。観光業ではポストコロナで需要が急増しても供給側の体制が整わないケースが増えているそうです。ファンド運営のPROSPER(=プロスパー)がホテルやレストラン、婚礼で経営ノウハウを持つプラン・ドゥ・シーと組み観光特化型ファンドへの投資を募っています。


既に三井住友信託銀行やゆうちょ銀行、福岡銀行が同ファンドに出資ていますが、中小企業基盤整備機構も50億円の出資契約を結んだそうです。ファンド総額は200億円規模で、運用期間は10年程度を想定しています。多分に政策的な立場の中小企業基盤整備機構ですが、政府が応えきれないニーズを補完することを目的に投資先の公募を行ったのでしょう。


その他にも、食産業に特化した中堅・中小企業向けのテーマ型ファンドにも資金を投じる計画です。日本成長投資アライアンスと食産業の事業承継を手掛けるまん福ホールディングスが運営するファンドににも50億円を出資します。更には、宿泊業再生に特化したコンサルティング会社であるリアルクオリティが運営するファンドにも35億円を出資しています。


観光再生に力を入れるのは良いことですが、それ以前に未だ観光再生事業に特化したファンドが珍しいなかで、それらファンドを育成するという意味も多分にあるでしょう。また、それらファンド運営者をどの様に選別したのかも興味が湧いてきます。3つのファンドに共通するのは、経営ノウハウを持つ事業会社や自ら事業を行っている会社との協業が特徴です。


観光産業というユニークなファンドを運営する事業者に的を絞っている様にも思えます。中小機構が観光支援に乗り出すのは、人手不足の背景にある低賃金を解消したいとの狙いがある様です。プロスパーへの投資は、プラン・ドゥ・シーが運営に参画、自らリスクを取って施設やサービスの付加価値を高めて賃金の底上げに繋がるという判断が働いたのでしょう。


独立行政法人である中小機構という公的団体から投資を受けるということは、それなりの制約も多いものと思います。今般投資を受けるファンドの知名度は決して高いとは言えないと思いますが、中小機構から資金を投資して貰うことにより、ファンドとしても知名度の向上につながることでしょう。その意味では、可成りのリスクマネーを中小機構は投資します。


もう一点、ファンド自体には投資先事業を再構築したりモニタリングするには限界が伴います。あくまで投資した資金管理の領域を越えられない事から、投資先である業界に対する知見を持つ事業会社やコンサルティング会社と協業することは先駆的な事例として、率直に興味を持てます。それら事業会社なども、ファンド資金を活用して事業展開できるからです。


今日もありがとうござます!
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