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CCCの新たな取り組み!

皆さん、おはようございます!
社長業というものは、つくづく理不尽な稼業だと思います。先行きが見えないなか自分の思いのみで事業のこれからを描いているにも拘わらず、それが必ずしも周囲から協力を得られるかどうかは別問題だからです。誰にも将来のことは分からない中で孤軍奮闘しています。



「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(=CCC)は、書籍の返本が課題だった流通の仕組みを変える意気込みです。約7000万人のTポイント会員の購買データなどから人工知能(=AI)が新刊本の売れ行きを書店ごとに予測し、適正な部数を自動発注する計画です。通常3割程度とされる書籍の返品率を約1割に減らします。


6月中旬から系列約800店舗に順次導入し、厳しい環境が続く書店ビジネスを効率化することを企図してます。一般的に3割もの商品返品が常態化している現状は見逃せません。返品された商品は不良在庫に繋がり、廃棄されることを考慮しますと、その廃棄損を加味して売価が設定されているということであり、無駄なコストを消費者が負担させられています。


書籍という水もの商品が予めどの程度の数量が販売できるか予測が立てられれば良いのですが、その商品がベストセラーになるのか否かなんて誰にも分からなかったから、出版社というメーカーが負担する単位当たりの生産コストを考慮しますと、そのコストを低減しようとする意識が働き、どうしても生産数量を多くしようとするモチベーションが働くでしょう。


そうは言っても、出版社はその商品がどの程度の数量販売できるのかを経験知として推測できる目利き力を持っている筈であり、だから書籍の出版というビジネスを成立させることが出来るのだと思います。それにも拘わらず、流通サイドから返本問題にメスを入れられるのは、些か残念ですが、消費者に近いのは流通サイドですのでやむを得ないかもしれません。


出版社というメーカーは、データーに基づく科学的な手法により書籍を企画しているのではなく、人間の感性に訴えかける書籍という商品を創り得るのは、それを創る人間の感性に頼らざるを得ない部分があります。流通サイドは、様々な出版社というメーカーの垣根を越え創り出された商品を横並びにした過去の統計から一定の売り筋商品を掴むことが可能です。


データーベースの情報量の多寡が流通業とメーカーでは異なります。マーケティング予測を立てるのであれば、情報量の多い流通サイドの方が優位と言えるでしょう。メーカーの中でも日用品などを生産するメーカーであれば、比較的に需要予測を立てやすいのですが、書籍の場合は飽くまでも感性商品であるため、日用品メーカーの様な訳にはいかないでしょう。


出版社と同じような商品を扱う業界としてアパレルメーカーがあると思います。アパレルも出版社と同じように大量の商品を一気に生産しますが、売れ残り商品の廃棄ロスが社会問題となっていることは記憶に新しいと思います。アパレル業界の流通などもAIを活用して一定の需要予測が可能となれば、一気に在庫リスクを軽減することが可能となると思います。


しかし、この時に流通サイドが仮に精緻なマーケティング予測に基づきメーカーからの購買量を減らしても、そのデーターがメーカーサイドと共有できなければ、結果的にメーカーの生産量は変わらずに在庫リスクばかりが高まる結果となってしまします。ここが感性商品の科学的マーケティングの難しさであり、固有ビジネスの目利き力を高める他ないでしょう。


今日もありがとうござます!
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