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積水ハウスの米戸建事業買収!

皆さん、おはようございます!
事業を安定的に運営して行くためには、その事業の運営ノウハウのみならずバックオフィスといわれる事業管理する機能が必要であることは意外に知られていません。事業を安定的に成長させて行くためには、プランニング、リスクコントロール、マネジメントが必要です。



積水ハウスは、戸建住宅を手掛ける米チェスマー・グループ傘下の事業会社など4社を買収することを発表しています。買収額は約5億1400万ドル(=約690億円)です。同事業会社を核に、2025年度には日本と同程度の1万戸程度の住宅を海外で供給できる体制を整えることが狙いです。買収価額から判断すると、とても安い買い物の様に見受けます。


米国の現地子会社を通じて買収するのは、チェスマー・グループ傘下のチェスマー・ホームズと住宅ローンや保険を手掛ける企業など合わせて4社です。同グループは、米南部のテキサス州で事業を展開しており、2021年度の引き渡し戸数は約2千戸。同州を含む南部は住宅着工件数で全米の約半数を占めており、米国事業の成長に寄与するとの判断からです。


これまでに積水ハウスは、2017年にウッドサイド・ホームズ・カンパニー買収を皮切りに米国での戸建住宅事業を強化しています。2021年に買収した会社も含めて米国西部で事業基盤を固めてきており、今般のチェスマー・グループの買収で最大市場の南部に事業を広げることになり、米国での戸建住宅の年間供給能力は5500戸程度になる見込みです。


米国では日本で展開する木造住宅ブランド「シャーウッド」の販売を拡大する考えです。米国の住宅と比較して設計自由度が高いほか、耐震性能や耐風性能に優れており、地震が多い米西部に加えハリケーンや水害が多い南部での需要を見込んでいます。日本国内での住宅着工件数が減少を辿る中、企業として存続して行くためには避けて通れない難しい判断です。


ライバルの大和ハウス工業も同様に海外での戸建事業を強化しており、米国内での供給戸数約4500戸(=2021年度)であり、今回の買収によって積水ハウスが供給戸数で上回る見通しですが、大和ハウスとしてはオーストラリアを含む海外全体で1万戸を目指す考えです。日系ハウスメーカーによる米国内でのシェア獲得競争が激化する様相を呈してます。


果たして、地域性の高い戸建住宅という商品を海外に持ち出しても、生活様式も異なれば、自然環境も異なる米国の地で受け入れられるのか疑問が残ります。自動車メーカーですら、オイルショックが世界を襲うまで燃費の良いコンパクトな国産車が米国市場で受け入れられることはなかったでしょう。安い買収価額だからそのリスクを織り込んでるのでしょうか。


米国内戸建住宅着工件数は年間172万件ほどありますので、大手ハウスメーカーからすれば是非とも参入したい市場であることは間違いないでしょう。そのうち約0.5%のシェアを獲ろうという計画でもあります。しかし、ハウスメーカーは本来内需産業であることを忘れてはならないでしょう。国内の人口減少に歯止めが掛らなければ業態転換もあり得ます。


やはりハウスメーカーとして手掛けなければいけないのは、これまで住宅を購入して頂いたお客様に対して生活をサーポートするサービスを提供することではないでしょうか。ハードウエアからソフトウエアの時代です。情報技術を活用したIoT武装を進めるだけに留まらず、ファイナンシャルプランニングの様な生涯の安心安全を提供する視点も必要でしょう。


今日もありがとうございます!
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