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リージョナルプラスウイングス!

皆さん、おはようございます!
器用に何でも出来ることは良いことだと思いますが、その中から一つ他者に秀でた技能を磨き上げることが大切です。自分の専門性を確立し様々なことを手掛けると見えてくる景色も異なってきます。そうでないと周囲から良い意味で重宝されるだけで終わってしまいます。



AIRDOとソラシドエアは、経営統合に向けた共同持株会社「リージョナルプラスウイングス」を10月3日に設立することを発表しています。本社機能の一部を集約し、将来は羽田空港を中心に機材の整備も共通化する他、部品の共同調達も拡大させ、2026年度に45億円超の統合効果を目指します。航空業界は規模の経済が働くことは歴史が語ってます。


両社社長はいずれも筆頭株主の日本政策投資銀行(=DBJ)出身であり、共同持株会社の会長にはAIRDOの草野晋社長が、社長にはソラシドエアの高橋宏輔社長が就くとのことです。6月下旬に開催する両社の株主総会で統合計画の承認を得た後、10月3日に株式を移転して統合に向けた共同持株会社設立します。資本金は1億円でDBJが筆頭株主です。


両社が公表した中期経営計画によりますと、2026年度のグループ連結決算は営業収益(
=売上高)で約1000億円(=2021年度の2社の単純合計は約530億円)、経常損益で約90億円の黒字(=同100億円の赤字)を目指しているそうです。北と南を繋ぐ路線網拡大に加え、それぞれが展開する両社のマイレージ会員制度の連携も検討しています。


AIRDOは7月より九州発着では発の定期路線となる新千歳ー福岡線に就航しますが、統合効果もテコに2026年度まで路線網の拡大をつつける計画だそうです。福岡空港の滑走路増設という追い風があるにせよ、これまで北海道各地と東京を中心とした路線を持つ同社にとって、九州を拠点とするソラシドエアの整備や機体を活用することも視野に入ります。


国土交通省の路線免許という制約があるにせよ、北海道を拠点とするAIRDOと九州を拠点とするソラシドエアが手を組むことにより、誰が見ても相互補完効果(=シナジー効果)があると言えるでしょう。各社が単独で九州路線や北海道路線に進出をしていたら、機材繰りや整備のみならず、新たな拠点での営業や空港のスタッフなどを整える必要があります。


それが事業統合により、相手側の事業資源を活用することが出来る様になりますので、売上を増やしながらコストを最小限に抑えるメリットを享受することが出来る訳です。当然にソラシドエア側も北海道路線を新たに開設するメリットがある訳です。各社の機材を有効に運用していけば、例えば単純合算で26機必要な機材も24~5機で済むこともあり得ます。


その様に考えると、両社が公表した中期経営計画はあながち間違っておらず、実現可能な目標ではないでしょうか。きっとそれを達成した暁には、株式を公開(=IPO)してDBJは経営の一線から離れるという筋書きが見え隠れすのは気のせいでしょうか。それまでにJALやANAといったメガフラッグキャリアと差別化した独自体制を築く必要があります。


必ずしも許認可が絡み、自由市場とは言えない航空業界ですが、もう少し広く運輸業界という視点を持って、お客様の利便性を追求しながら差別化を図るべきではないでしょうか。これまで、空運、陸運、海運といった、輸送機材の特性によって縦割りの経済合理性を追求してきましたが、それらの枠組みを度外視して顧客視点で横串を刺して行く必要があります。


今日もありがとうございます!
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