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米SPACの失速!

皆さん、おはようございます!
カフェといえばコーヒーにスイーツが付きものだと思います。ところが、最近、コーヒーの替わりにワインを提供するカフェが増えてます。スイーツも嗜好を凝らし、これがワインと非常に合うんですね。燦々と陽に照らされた小洒落れたカフェでの息抜きがまた格別です。



米新規株式公開(=IPO)市場を席巻した特別買収目的会社(=SPAC)が、株式相場の大幅下落で企業の上場機運が低迷し、凍りついてるようです。合併候補先の成長期待もはげ落ち、約600社のSPACが総額約1600億ドル(=約20.5兆円)もの資金を集めながら塩漬け状態となっている様です。果たして株式相場の下落だけが要因でしょうか。


SPACとは、未公開企業と合併することを目的として設立された事業実体を持たない上場会社をいいます。スポンサーが設立し、どんな企業と合併するか決めず投資家から通常1株あたり10ドルで資金を募り上場します。通常、上場後2年以内に未公開企業と合併・統合させることを前提としており、IPOより早く上場できる利点に関心が持たれてきました。


2020年半ばより、米株式相場が急激に上昇基調となったことにより持て囃されてきたSPACですが、そもそも事業実体を持つことなく株式を公開するという前代見ものの取り組みに、現代資本主義のマネーゲームもいよいよ成れの果てまで来たかと思っていました。そもそも実体経済の裏方である筈の金融経済も、なんの拠り所もなくIPOをさせるとは。。


昨年、日本でもこの日本版SPACを導入すべきという検討がなされていましたが、今回の米SPACの失速を見て政策当局も見直しを迫られることでしょう。政策立案に時間が掛る日本の悪しき慣習が幸いした格好です。日本の政策当局も、欧米の動向ばかり後追いすることもそろそろお終いにし、自らの哲学を持ってことの良し悪しを判断する必要があります。


米SPACが失速をした理由として、米証券取引員会(=SEC)がSPACへの規制強化に乗り出したことも上げられます。SECは今年3月にSPACの提示する合併候補先企業の業績を取り込んだ業績見通しをセーフハーバー・ルール(=開示情報が「故意の嘘」でない限り、計画未達でも投資家に対する責任が免除される)から除外する旨を公表してます。


これにより投資家はSPACに対する訴訟が増えるものと警戒しており、事実上、SPACのブームは過ぎ去ることでしょう。日本でもソフトバンクグループが米SPACを活用して未公開企業との合併・統合を目論んでいたはずです。そうでなくともスタートアップ企業への投資を目論んだビジョンファンドが株価低迷により大幅な赤字に陥っていると思います。


ソフトバンクは、Jフォーン買収時にも事業を信託化、それを担保に資金調達をするなど、金融テクニックを駆使して急成長してきた孫正義氏率いるグループ会社ですが、少々金融テクニックに偏重して事業価値を吊上げたりするキナ臭さを感じざるを得ません。その様な綱渡りをしなければ一介のベンチャー企業が急激に押しも押されぬ上場企業に成り得ません。


それが孫正義氏流の経営手法なのでしょうか。もっと実体としての事業を持続的な変革軌道に乗せるべきですが、その様な施策はあまり伝わってきません。日本経済のニューリーダーと見做されているにも拘わらず、その様な理念しか持ち合せていないとしたらお寒い限りです。事業本質を突き詰め、ヒューマンキャピタル経営を模索する位のことを考えて欲しい。


今日もありがとうございます!
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