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アグリゲータービジネス!

皆さん、おはようございます!
最近、臨床心理学、組織心理学、幸福学といった、働く人間のメンタルに関わる学びに再び嵌まっています。丁度40年前に大学の進路を決めるにあたり、商学や経営学を学ぶつもりでいたところ、直観的に心理学に進路変更し組織行動論を専攻したことが思い返されます。



米アマゾン・ドット・コムの電子商取引(=EC)サイトで商品を販売する事業者(=セラー)から事業を買収して成長させる「アグリゲーター」と呼ばれるビジネスを手掛ける米セラシオが、遂に日本でも第1号となる案件を買収しています。ゴルフ用レーザー距離計のブランド「ピンイーグル」を企画・開発、販売するエクス・インプライズより取得してます。


同社は2019年よりアマゾンで距離計の販売を開始し、注文管理や商品の発送などをアマゾンに委託し、1人で運営しながらゴルフスコープ・距離計という商品カテゴリーで売れ筋のトップを快走してきました。ただ競合商品が多い中で長期にわたりブランドを成長させて行くためには、積極的なプロモーションを継続して行う必要があり経営資源が不可欠です。


そう考えた同社は自ら距離計を販売し続けることに見切りを付け、2021年夏に約320億円の買収資金を整え日本に上陸した米セラシオに売却することを決断します。対価数億円で、両者はパートナーシップ契約を締結し協力して製品の改良や米国進出の検討を進めています。素晴らしい商品を開発しても、販売し続けることの難しさを裏付ける好例でしょう。


年間売上高100万~300万ドル程で評価の高いブランド商品を買収対象とするアグリゲーターと呼ばれる事業者の存在は世界に広がっており、その数は約100社とも言われており2018年創業の米セラシオはその筆頭格です。家庭用品、アウトドア、フィットネス関連商品など、米国を中心に200以上のブランドを持ち売上高は10億ドルを超してます。


米セラシオにはサプライチェーン(=供給網)やマーケティング、ブランド管理などECの専門家が揃い、協業先を含め約2000人が同社の事業に関わっているそうです。個人の創造力を原動力にして増え続けるMaker’sやプロシューマー(=生産消費者)が生み出す新たな商品を買収し、再び成長に弾みをつけグローバル展開を目指すビジネスモデルです。


アグリゲータービジネスの真骨頂は、一定カテゴリーの商品に対する目利き力であり、それを確実に拡販していくノウハウに巨額の買収資金が集まっていると見ることが出来ます。既に米セラシオの企業価値は100億ドルに達し、創業4年目にしてユニコーンを遥かに超える迄になっており些か過熱気味という感じですが同社が何を目指しているかだと思います。


新たな商品を創出する個人の事業成長を目指すのであれば、米セラシオが持つ事業資源を活用して、事業者たちに対してノウハウや必要な資金を提供するビジネスモデルを考えることも出来るはずです。例え正当な公正価格で商品ブランドを買収してたとしても、それを遥かに超えるあり余る利益を手にしていると見ることができ、その利益も還元すべきでしょう。


その意味では、アグリゲーターも事業者たちと共存共栄の道を選ばなければ、社会から淘汰されることもあり得るでしょう。いまの社会に必要なことは、画一化されてしまっている大手企業に風穴を開けるべく、多くのMaker’sやプロシューマーを世に送り出し、成長させて行くことだと思います。その為に必要なビジネスモデルをどう描くかが問われてます。


今日もありがとうございます!
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