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新卒を全員出向させる関西みらい銀行!

皆さん、おはようございます!
マネジメントで一番大切なのは、やはり人のマネジメントだと思います。人間というものは自律的に行動した時に、最高のパフォーマンスを出しますので、いかに個人のベクトルと会社のベクトルをニアイコールにさせられるかという組織デザインが必要なんだと思います。



関西みらいファイナンシャルグループ(=FG)は、傘下の関西みらい銀行に今後入社する全社員を外部の企業に出向させる考えを明らかにしています。2021年4月から同FGの完全親会社となる、りそなホールディングス(=HD)のグループ企業や取引先企業を受け入れ先と想定しています。狭まりがちな行員の視野を広げる施策として良いことでしょう。


対象は2021年以降に入社する全新卒社員で、30歳代前半までに2~3年の出向を経験させる計画です。既に取引先と受け入れの交渉をはじめており、グループ内外への出向の比率は今後詰める予定です。グループ内との交流や外部での勤務経験などで若手行員の人材育成につなげることを狙いとしています。外から自分の会社、仕事を見つめる良い機会です。


関西みらい銀行は、銀行員は顧客のニーズを探す力がまだ弱いが、外部勤務を経験することで身に付けて行くことが出来るものと期待しています。また、りそなHDによる完全子会社化で得られるシナジー効果を最大化する為には、グループ内の人材交流も鍵になると考えています。システム化された銀行の殻を破るには、一人ひとりが自律する必要があります。


銀行のビジネスは、お客様から預った預金を運用して利ザヤを稼ぐ、ストックビジネスの典型だと思います。運用する資産が毀損することがないよう、リスクヘッジする視点など保守的な思考により支えられた企業文化が、長年勤めていますと身体に染みついてしまうのはやむを得ないことでしょう。でも、それはこれまでの銀行のビジネスのあり方だと思います。


これからの銀行ビジネスのあり方は、ただ単にお客様のニーズを探しだし応えるのみに留まらず、お客様とともに新しい事業や商品を構想して、それを実現していくことにあるのではないでしょうか。地方銀行にとって最大の顧客基盤である中小企業の経営者たちは、日々の業務を廻すことに埋没してしまっており、新たな事業展開ができないでいるのが実態です。


折角、他よりも秀でた事業資源を持ちながら、それを新たな事業環境において活かし切れないでいるジレンマがあります。そんな中小企業をサポートすべく、新たな斬新な視点でこれからの事業を描いてあげることがどれだけ大切であるかが問われています。地域に密着して活力を高めて行くことを使命とする地方銀行にとって、銀行自体が変わる必要があります。


その意味で、これからの銀行は守りのストックビジネスではなく、攻めのストックビジネスへの転換が求められると思います。ただお客様同士が名刺交換するだけの商談会を主催するだけでなく、銀行主導で具体的な提携の目的を明らかにし、能動的な意味あるマッチングを仕掛けてる必要があるでしょう。行員の出向も一歩前進ですが、それだけでは足りません。


銀行自体が商社のようにビジネスをオーガナイズしていく必要があると考えます。その為には、漠然と行員を出向させるに留まらず、経営方針に基づく人財戦略の下で積極的に必要な人財を育てて行く必要があるでしょう。商社やコンサルティングファームに出向させても面白いでしょう。それにも増して、銀行というビジネスの将来像を描かせることが大切です。


今日もありがとうございます!
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