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事業とマイパーパス!

皆さん、おはようございます!
事業開発と企業財務という2つの専門領域を持つ、リース会社の様に両生類の様な珍しい存在なのですが、だからこそ見えてくるものがあります。事業資源が持つポテンシャルを引き出し、数字でその空間を読み解きながら描き出す中にこそ、生きた事業が語れるからです。



事業とは、生産や営利を目的として経営する社会的に大きな仕事。マイパーパスとは、自分自身はどのような人間なのか、自分にとっての幸せとは何か、自分自身が人生において成し遂げたいことは何か、といった「自分自身の人生の意義や目的」あるいは「働く意義」を指します。事業を営む者は、マイパーパスが明確になっていないと上手くいかないでしょう。


事業を行おうとすると、お客様に提供する商品、その商品を誰にどうやって提供するか、また必要資金をどうやって調達するかなど、経営の教科書に記載されている様なことばかりに目を奪われ頭が巡ってしまうものだと思います。それはそれで必要なことなのですが、それでは事業の成功に覚束ないと思います。成功する事業と失敗する事業の違いは何でしょう。


その答えは、事業を営もうとする人がマイパーパスに気付いているかどうか、そしてそれをベースとして事業を組み立てようとしているかという本質的な問題があります。事業に魂というべきマイパーパスが込められていないと、事業を頭ばかりで考えて判断してしまい、やがて自分が真空状態の中でどこに位置しているのかを見失ってしまうことになるでしょう。


事業を行うということは、自分に問いかけ、自分を感じながら表現していくアート活動の様なものです。まずは事業を行うこと自体が気持ちの良いものでなければいけません。忙殺される事業活動の中で、それを楽しみながらワクワクする自分がいなければ長続きするものではありません。頭だけで考えていますと事業がブレますので、感じることが大切なのです。


どの様な事業を行うかと考える以前に、自分自身の人生の意義や目的が可視化されている必要があります。一般的に行う事業というものは、その事業を行おうとする方の経験や興味から全くかけ離れたものにはならない筈です。それを意識してようがいまいが、少なからず自分自身の原体験の中にあるものの中から、自分の事業に結び付けてそれを始めるでしょう。


ところが人間というものは自分で自分が分からないように、意識的に自分自身の人生の意義や目的(=マイパーパス)を客観的に見つめて可視化しておかないと、その土台を前提に始める事業について他者に語ることが出来ないのです。事業を行うということは、商品を提供する以前に、その商品に込めた自分自身の思いを社会に提供していくことに他なりません。


たぶん松下幸之助にしても、井深大や盛田昭夫にしても、自転車のライトやラジオといった商品づくりを通して、実現したい社会やありたい自分の姿を重ね合わせていたものと思います。戦後間もないモノが不足する時代でしたら、モノの提供を通して自己実現を図ることが出来たのですが、現代は飽食の時代でありモノではなくコトの意味が強く問われています。


その意味では、今は昔に比べて事業を行うことが難しいと言えるでしょう。だからその事業を営もうとする方のマイパーパスを研ぎ澄ますことが不可欠なのです。そして、マイパーパスを事業や提供する商品に込める必要があります。それは事業に成功する為の必要十分条件という以前に、人間として成長しながらより良く生きる上で通らねばならない道でしょう。


今日もありがとうございます!
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知識集約型事業!

皆さん、おはようございます!
これからジョブ型雇用制度や副業兼業制度が広まって人財流動化が顕著になってきますと、もしかしたら新しくドラフト制度の様な仕組を導入する企業も出現するのではないかと思います。やはり有能な人財というものは希少性が高く、効率よく囲い込みたいものでしょう。



目鼻の利く企業は、これからの経営の活路を切り開くのが人財であることに、ようやく気が付き始めたように感じます。これまでは、メーカーをはじめとする、所謂、工場や生産装置といったものを効率的に活用する機械集約型事業構造(=資本集約型事業構造)は、経済が右肩上がりの時には威力を発揮してきましたが、必ずしもその様な時代ではないでしょう。


これからは、社会の課題を見出し新たな事業を創出したり、消費者のニーズを踏まえて新しい商品を開発する知識集約型事業構造へと、大きく舵を切る必要があると思います。歴史的変遷を見れば、企業利益の源泉が人間の肉体に依拠する労働集約型から機械集約型へと移り変わり、そしてまた知識集約型という人間を主体とする社会に戻ることを意味しています。


りそな銀行では、後継者のいない中小企業に対し、事業承継ファンドを立ち上げ自ら直接に中小企業を買収することに乗り出しています。これまでの銀行であれば、資本仲介業として預金を融資することを本業としていますが、社会構造の変化にともない資本に対する需要が減少していることを捉えて、新たな活路を見い出すべく新天地を模索しているのでしょう。


銀行の最大の資源は、融資業務により培ってきた事業に対する目利き力であり、その資源を事業承継の分野に再配分しようということです。りそな銀行としては、中小企業の悩みを解決するコンサルティング業務に注力する方針を鮮明にしてます。中小企業の困りごとに着目し、融資以外の資産や経営の観点で総合的なコンサルティングが出来る様にする計画です。


事業承継ファンドであれば、買収した中小企業の経営課題を解決しながら企業の経済的な価値を高めて行くことが求められ、そこに事業の目利き力に基づくコンサルティングノウハウを活かすことになります。りそな銀行では、企業投資のほかデジタルトランスフォーメーション(=DX)を支援する事業にも力を入れており、専門人財の育成に力を入れています。


一方、NTTデータでは、企業のDXを支援する社内人財の育成方法を開発しているようです。社員の性格や興味を分析して「起業型」「適応型」など4タイプに分け、資質に応じた育成計画をつくり、職務経験を積ませています。DXのなかでも特に難しいとされる事業開発を担える人財(=この職種を「ビジネスディベロッパ=BD」)の育成を目指してます。


事業開発は実務経験を積む機会が少ないため、効率の良い育成が必要であることから、事業開発の経験などが豊富でBDとして社内で認定されている60人にインタビューなどを実施し、価値観や性格、仕事の動機、興味などを分析して人財育成に活かしているようです。BDに向く人財には、若いうちから新規事業を担当させる等して起業型人財を育成してます。


これらの企業の動向から見て取れるように、そもそもこれからの新しい事業が人財という知識に依拠したものであり、そのノウハウを活用して如何に糧に結び付けるかが問われています。その為には、単に新しい事業に人財をあてがうだけでなく、その事業に相応しい人財を育成していくことも必要でしょう。知識集約型事業構造への転換は緒についたばかりです。


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副業という制度!

皆さん、おはようございます!
これだけ時代の移り変わるスピードが早まりますと、学校やその後の職業生活の中で学んだ実務だけで生涯人生を豊かなものにしていくには無理があります。だからといって、皆が情報技術を学び直すのもどうかと思います。もっと様々な分野で個性を磨いて行くべきです。



自分自身のスキルを磨き、それを試す場として副業に関心を持つ働き手が増えてます。リモートワークの普及で地方の仕事も行い易くなっています。企業は支障がない限り、副業を認めて社員を後押しすべきだと思います。企業の枠を超えて人財が行き来する副業は、柔軟な労働市場を形成する上でも重要です。成長分野へ労働移動が進む切っ掛けになるからです。


帝国データバンクが2021年2月に実施した調査によると、副業・兼業を認めている企業は約18%に留まっていますが、2017年の調査からは約8%上がっているそうです。大手企業ほど認めない割合が大きいそうです。一方、厚生労働省は、7月に副業・兼業に関する指針を改定し、ホームページなどで副業の可否や条件を公表するよう企業に促してます。


多様な働き方を認めることは、人財獲得でも有利になることが背景にあります。働き手側の副業・兼業に対する関心はといいますと、リクルートが2022年1月に実施した調査によりますと、約4割に昇る働き手が副業・兼業をやってみたいそうです。その理由としては、副収入への期待が4割弱であるのに対し、新しい視点やスキルを得たいが各々3割います。


働くということは、ただ対価を得ることのみならず、仕事を通して自己成長につなげて行きたいとする考え方を表していると思います。その様な仕事に対する積極的な受け止め方が心理学の分野でも実証されおり報告されています。考えてもみれば、人間というものは自己内省を繰り返しながら行動に移し、他者との関係を築きながら創造と自己成長する存在です。


経営側からすれば自社の業務に集中して欲しい思いもあると思います。しかし、同質な発想からはイノベーションは生まれるものではありません。社員が社外で多様な経験を積み、本業に生かすという循環サイクルを作らなければ、企業の発展は考えるべくもありません。その意味で、私たちはこれまでの雇用形態概念を絶対視し過ぎているのではないでしょうか。


ライオンは20年前から副業を認めてきており、社員と地方の中小企業を橋渡しする等仕事探しも支援するそうですから、その先見性に驚かされます。ライオンとしては、社内に10年いても得られないような知見を短期間で獲得する効果があるとの考えを持っているそうです。横並び意識の強い企業の中で、ライオンの取り組みは時代の先を捉えているようです。


カシオ計算機は、50歳以上の社員について週2日まで他社と雇用契約を結んで兼業することを認めています。それは、社員が自分自身のキャリアを広げ、定年後の仕事の選択肢が増える様に後押しをしているからです。また、タニタなどは一定の職務経験を積んだ社員が個人事業主として独立することを仕事の自由度と創造力の観点から積極的に奨励しています。


確かに企業には、その固有業務を知り尽くしたオーソリティーの存在も必要ですが、全ての社員がその様なノウハウを持つ必要はありません。やはり企業として成長発展を考えて行きますと、ヒューマンキャピタルとしての人財が規則に縛られずに自らの考えに基づく規範に従って自由に仕事をすることが大切です。現在の雇用概念は一過性の幻想かもしれません。


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