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ディベロッパーの真髄!

皆さん、おはようございます!
最近の若い世代を見ていますと自分の気持ちの思うがまま素直にそれに従っていて良いことだと思います。それに比べますと今の30代後半以上の男性は自分の気持ちを度外視して、企業戦士として戦うことが身に染みついているためか、発想にしなやかさが欠ける様です。



大手ディベロッパー三井不動産は、千葉県(=千葉大学柏の葉キャンパス)内に開校を予定するインターナショナルスクールの学校設置計画が承認されたことを発表しています。開設するのは英国の名門パブリックスクール「ザ・ナイン」の一つ、ラグビー校の日本拠点です
。誘致を通して周辺の住宅やオフィスビルなどの利用者増につなげることを企図してます。


日本校の設立準備財団の他、三井不動産や千葉大学、学校マネジメントを手掛けるCEAMS(=シームス、東京都港区)等が共同で開校準備を進めてきたそうです。三井不動産は国際企画のラグビー場や木造建築の食堂といった付帯施設の整備や、関係者間の調整などを担うとしています。今回の実質的なオーガナイザー役を三井不動産が担っているのでしょう。


三井不動産は柏の葉キャンパス駅を中心とした街づくりを手掛け「ららぽーと」など商業施設やマンション、オフィスビルの建設・運営などに携わって来ています。今般のインターナショナルスクールの誘致で、地域の教育インフラを強化し、地域にグローバルな人財や外資系企業をより集めることにより、街の付加価値を更に高めて行くことに余念がありません。


一方、みずほファイナンシャルグループ系の最近急成長しているヒューリックは、同社が開発した東京・銀座の木造ビルに米アップルの直営店「アップルストア」が中核テナントとして入居することを公表しています。8月30日から日本初の耐火木造12階建の商業ビルの営業を開始します。脱炭素の流れが、商業ビルでも求められる時代に入ってきたようです。


アップルストアが入居する商業ビルは、鉄筋コンクリートや鉄骨を一部使うものの、建物荷重の過半を木材(=木材使用量約300立米)が支える構造です。近年、国内外の大手企業は施設の使用電力が再生可能エネルギー由来かなど、脱炭素への取り組みの有無をオフィス選定の条件に入れ始めています。通常より建設費は高くなりその分家賃も割高となります。


それでも、環境対策を進める企業が入居を決める例が少なくなくなっており、商業ビルでも同様に環境負荷の低さをテナントである企業が求め始めています。大手ディベロッパーで木造ビルを建設する事例が相次いでおり、三菱地所は2021年秋に札幌市に木造高層ホテルを開業したり、三井不動産は東京日本橋に木造オフィスビルを建設する計画を進めてます。


ディベロッパーは、メーカーなどとは異なり標準化した商品を大量生産することが出来ません。一つずつの商品である不動産が一物一価の代替の利かない商品であり、それをハンドメードで街づくりの視点で大きな構想を持って創っていくものです。付加価値の高いより良い街を形成していくために、社会の趨勢や動向を見極めながら街を経営する視点が必要です。


街の機能には様々なものがあります。例えば学校の様に営利を追求しない施設も必要になります。これを個々の事業で採算を合わせようとしたら、その施設は行うべきでないという判断になってしまいます。それでは、つまらない街となってしまうので、それら様々な施設を合わせたトータルで採算を合わせる所にディベロッパとしての持ち味、真髄があるのです。


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オリックスの投資スタンス!

皆さん、おはようございます!
8月も残すところ4日となり、まだまだ残暑厳しい日々が続きますが、どことなく秋の気配がするといったら言い過ぎでしょうか。降り注ぐ刺さる陽射しの中にも、柔らかい心地よい光を感ずる様になっています。秋の訪れは、意外に駆け足でやってくるのかもしれません。



オリックスは国内で企業投資を拡大するそうです。従来から強みを持つ中小企業の事業承継の受け皿としての取り組みに加え、外部より専門人財を招聘し大型カーブアウト(=大手企業の事業切り離し)案件にも本格参入し、投資資産規模を今後3年程度で現在の3倍である約1兆円にする計画です。オッリクス全体の営業資産約12兆円の1割弱あたる規模です。


同社はノンバンクとしてリース、不動産、保険などの事業と並行し、自己資金で事業投資を手掛けてます。あまり業種を問わず企業価値で数百億円規模の会社を買収し、社員を買収企業に派遣して経営にあたってます。これまでに酪農・農業機械のコーンズ・エージーや地理情報システムのインフォマティクスなどに投資を行い現在も17社に投資を行っています。


本来、金融会社であれば投資先の価値を高めた後、IPO等により資金回収を図るのですが
、そのままグループとして取り込み事業運営していく場合もあるそうです。ファンドが投資先を通常3~5年で転売し利鞘を稼ぎ、事業会社が投資先を将来的に継続保有し運営利益を享受するのに対して、オリックスはその中間の長期継続投資により差別化を図っています。


更には、戦略上重点分野と考えられる事業領域については、例えばヘルスケアやIT(=情報技術)、物流などの事業領域で、複数社を買収しオリックスの新たな事業部門として成長させることも視野に入れているそうです。事業承継案件でも将来的に転売をしない可能性を持って、年間数百億円ずつ取り組んでいることは既に良く知られたところとなっています。


リース事業を祖業とする金融会社であるオリックスですが、なぜ事業を投資目的だけでなく事業目的で取得するのでしょう。また、オリックスのビジネスモデルを見ていつも思うのですが、総合商社の事業目的の投資と投資目的の投資と、どこが異なるのでしょうか。最近では総合商社も自社が持つ金融力を裏付けとして、業界再編目的の買収を繰り広げています。


リース会社は、同じ金融業界の中でも銀行や他のノンバンクと異なり、商品が金銭の消費貸借ではなく、物品の貸借であることにその鍵が隠されていると思います。物品という商品を取り扱っているため、当然にその商品の仕様や用途のみならず、金融会社として当然のことながらリスクに対しても目利きが出来ると思います。その商品を知り尽くしている訳です。


その様な専門的知見を持った上で、顧客の事業や業界のことを把握している訳です。その知見という事業上の無形資源を活用してビジネス展開することを考えれば、経営ノウハウを持たないことを除けば、事業そのものに参入することも考えられるでしょう。銀行や他のノンバンクは、その物品の目利き力を持たないところがリース会社と大きな違いだと思います。


それは総合商社にも同じことが言えると思います。商事取引により蓄積した特定業界や事業の知見を活かし、更に事業をオーガナイズするノウハウを活用しダイナミックな事業展開を考えれば、当然に事業目的の投資や投資目的の投資を行うということになるでしょう。ただし、リース会社にしても総合商社にしても、自らの存在意義を明確にする必要があります。


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これからの企業のあるべき姿!

皆さん、おはようございます!
最近の大手企業でこそ業務執行を取り締まる機関として取締役ないし取締役会が確立していますが、この株式会社制度を中小企業にまで持ち込むには無理がある様に感じます。企業に求められる使命も変わりつつあり、営利組織の新しい制度設計をする時期かもしれません。



営利を目的とする企業の大小に拘わらず、これからはその存在意義を明確にしていくことが企業の存続の為に避けては通れないでしょう。これ迄の様にモノがない時代には消費者もとにかく物質的欲求を満たすことが優先されてきましたが、社会にモノが満ち溢れる様になりますと、消費者も同じモノであってもそこに精神的欲求を満たそうという動機になります。


良く言われる格言として「お客様が電動ドリルを購入するのは、電動ドリルが欲しいからではなく、壁に穴をあけるという欲求を満たしたいから」ということが言われています。その先の想像を働かせれば、自宅の部屋にお客様が気持ちが良いと感じる絵画を飾りたいからかもしれません。勿論、自分自身でDIYを行うプロセスを楽しむという意味もあり得ます。


だから、企業もただ独り善がりで必要以上の機能を持った新製品を開発した所で、それがこれまでの様に売れるという保証はありません。あくまで、お客様の精神的欲求を満たすものでなければならないからです。その意味では、ただ精神的欲求を満たしたモノであれば良いかというとそれだけでは足りず、その企業がどの様な思いを持っているかまで問われます。


今や経済合理性追求は、資本主義と結びつき留まることのないスケールメリットを追求すれば良いのかということが問われ始めています。そのことは、作り手の意志の見えない標準化されたモノよりも、そこに企業としての消費者に対する明確な意志が込められている必要性が問われ出しているのです。だから企業は自らの存在意義を明確化に迫られているのです。


それは社会が情報化していることからも、企業という旧態依然とした存在に対して賢くなった消費者の見る目が厳しくなっていることを意味しています。そして、このことは企業と消費者の関係だけでなく、企業と消費者の延長にある働き手との関係にも同じことが言えるでしょう。同じ働くなら、自分の生きる価値観と共有できる価値観を持つ企業で働きたいと。


現在のピラミッド型階層構造を持つ企業の中で、企業の命に従い黙々と仕事をこなし成果を出した人間のみが登り詰め出世し、昇給するインセンティブだけで数十年間も一つの企業の中で勤め上げること以前に、閉塞感漂う社会の中で自らの価値観や知見を生かしながら少しでも社会を良くして行きたい人々が増えています。ここでも企業の存在意義が問われます。


誰が不祥事が常態化している企業で働きたいと思うでしょう。働き手の価値観のみを生かして仕事をしたいのなら自分で事業を起すしかありませんが、それでも少しでも企業が持つ価値観と自分の価値観を重ね合わせたいと思うでしょう。労働人口減少下、有能な人財はどの企業も欲しいという動機と相まって、副業兼業を含む人財流動化が大きく進むと思います。


ジョブ型雇用の導入がそれを更に促すことになるでしょう。人財としてのヒューマンキャピタルが企業にとっての最大の資本であることを考えますと、企業の行きつく先は企業の外側との垣根を低くした出入り自由なオープンプラットフォームということになると思います。
その時に、企業と働き手の関係が旧態依然とした雇用関係で良いのかが問われるでしょう。


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