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メガブランド離れする消費者!

皆さん、おはようございます!
デジタル社会の到来が消費者の行動を大きく変え、世界の経済が転換期を迎えているのは間違いない現実です。インターネットを使った書籍の販売に過ぎなかったネット販売が、マスマーケットを前提としたブランドをも揺るがすほどの威力を持つ様になっています。



ネット通販の興隆により、大手企業によるマス(=大衆)マーケットを対象としたメガブランドの失墜が著しくなり、逆にスタートアップ企業などによるスモールブランドがネットを活用した販売で短期間でシェアを取るなど、いままでの常識では考えられないことが随所に見られる様になってきています。


いま米国では10年前になかったようなブランドが大きな売れ筋になっているそうです。大量生産方式の既存ブランドとは違って健康に良い製品だと打ち出すと、瞬く間に多くの顧客を得ることが出来るようになるそうです。クラフトビールなどにも、同じことが言えるようです。いま米国でビール市場の2割をクラフトビールが占めています。


一方、ビールメーカー世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブが同業との経営統合を繰り返し、スケールメリットを追求しているにも拘わらず、業績はというと逆に苦戦を強いられているそうです。ビール業界に限らず、世界の大手消費財メーカーの多くが屈強に立たされている様です。


消費者は、必ずしも大手消費財メーカーが供給してきたモノを欲している訳ではなく、それしか選択肢がないから、いままでそれを購入して来たと言えます。商品「情報」を得る手段がテレビコマーシャルなど、一方的なマス媒体に頼るしかなかったとも言えます。それが、デジタル社会の到来により情報を自由に取捨選択しながら得ることが出来ます。


それが企業の規模の対象に拘わらず、消費者が本当に欲しいと思う商品を提供できれば、複雑な流通経路など構築しなくとも、ネット販売で一定のシェアを取ることが可能な世の中です。大手消費財メーカーだけではなく、米ウォルマートや日本の大手小売業にとっても他人事ではないでしょう。


米アマゾンは電子商取引(=EC)が一番遅れていた生鮮食品分野に入るため、米高級食品スーパーマーケット大手ホールフーズ・マーケットを買収しています。逆にリアル事業を営むウォルマートはネット通販企業の積極的な買収を行い、やはりリアル店舗とネット通販をおこなう複合企業グループへと変容を遂げています。


どの様にリアル店舗とネット販売を絡ませるかについては、まだ現時点では明確な答が出ているわけではありませんが、少なくともリアル店舗側がメガブランド商品に偏った棚づくりをしていますと、消費者が本当に欲しいと思う商品の提供から懸け離れて行くでしょう。もっと多種多様な商品を取り扱っていく必要があると思います。


いままででしたら、小売業も規模の経済を追求して売れ筋商品を大量にバイイングパワーを効かせてメーカーより安く仕入れて、お客様に安く提供することにより活路を見い出してきたといえます。ところが小売業にも規模の経済が効かないようになってくると思います。その分、店舗運営にIT技術を活用して効率化していく必要があるでしょう。


スーパーマケットの仕入は、生鮮品を除き大量生産型の商品は卸売業者が商品をパッケージにして納めてくれるので、実は何処のスパーマーケットへ行っても取り扱っている商品に差がないのが現実です。今後、これらの人工的な商品は徐々に販売量が減って行き、代わりに手づくり感満載のオリジナルティ溢れる商品が売れるようになるでしょう。


イオンの岡田社長は、スーパー業界にも絶対に独自商品が必要となり、商品製造からお客様にお届けする物流までを含めた製造小売り(=SPA)にならないと生き残れないと断言されています。しかし、大手企業が規模の経済を追求して供給するメガブランド商品は売れないからといって、独自商品を作れば売れるのでしょうか。


イオンほどの規模の流通グループがSPAとなり自ら製品を作り出すと言いましても、それは大手メーカーへの委託生産にしかならないと思います。例えば、イオンのPBビールをキリンが受託生産することが話題になりましたが、結局それは独自商品でも、クラフトビールの様なオリジナリティ溢れる商品にはなり得ないでしょう。


いま消費者が求めている商品とは、生産者の思い入れや理念を感じられるものです。
世界の企業は資本の論理を追求し過ぎたため、企業の規模が大きくなり過ぎ、商品に込められる思いや理念を犠牲にする結果となっています。小売業におけるネットとリアルの融合を言い換えれば、多様化と標準化をどの様に融合するかということでしょう。


今日もありがとうございます!
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