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サブスプリクション!

皆さん、おはようございます!
消費者のモノを買う価値観も大きく変わり、企業もモノを売ることからコトを利用して貰うように試行錯誤しています。デジタル社会においては、モノを利用することにより、いかに付加価値の高い豊かな暮しを享受できるかが問われる時代ということが出来ます。



動画や音楽を定額配信するサブスプリクション(=継続課金)の波が飲食店にまで広がって来ています。サブスクリプションとは、一定額を払えば新聞や雑誌の定期購読、音楽や映画などの配信を継続的に利用できる定額制サービスのことをいいます。米動画配信大手のネットフリックスなどを代表的な企業として上げることが出来ます。


自動車、スーツ、家電のほか、コーヒー飲み放題など小売業界にも波及しつつあるようです。本来、コトを利用する為の一つのサービス提供方法であるはずのサブスプリクションですが、これらモノを提供する形のサブスプリクションはレンタルやリースとも同じ様に見受けますが、果たして消費者に受け入れられ事業として成り立つのでしょうか。


トヨタ自動車では、高級車レクサスのサブスプリクションサービスを開始しています。月額19万4400円の支払いで3年間、半年ごとに新車の多目的スポーツ車(=SUV)など6車種を自由に乗り換えられるサービスです。税金や保険代も含み、クルマを手軽に利用したいと考える消費者に提供して行きたい考えです。


このサブスプリクションサービスの期間3年間での代金の支払総額は700万円となり、新車を1台購入するのに相当する金額を支払うことになります。車種を自由に乗り換えられるところが付加価値になるのでしょうが、それは購入したクルマを下取りに出して新車に乗り換えるのと経済的な効果は変わらない様に思えます。


トヨタ自動車としては、落ち込む国内新車販売台数を補う目的でサブスプリクションサービスを始めたのでしょうが、果たしてこのサービスを厳密な意味でサブスプリクションと言ってしまって良いのか疑問が残ります。パナソニックの家電、紳士服AOKIのスーツなどもビジネスモデルとしては同様の形態をとっています。


ビジネスモデルとは、事業で収益を上げるための仕組み、事業として何を行ない、ターゲットは誰で、どのようにして利益を上げるのかという儲けを生み出すための具体的な事業としての仕組みのことを指します。トヨタ自動車などのサブスプリクションは、単に代金の支払方法が継続的な分割支払となったレンタルにも見えます。


一方、カフェや居酒屋、ラーメン店など飲食店にまで広がるサブスプリクションサービスとはどの様なものなのでしょうか。居酒屋金の蔵では、飲み放題定期券サービスを始めています。約60種類のお酒が対象のプレミアム飲み放題120分は、通常、1800円ですが、定期券を買えば月額4000円で何度でも利用できる仕組みです。


消費者から見て月に3回行けば元がとれ、仮に毎日行けば1回130円という計算になる様ですが、果たして同じ居酒屋に毎日行くものでしょうか。金の蔵の狙いは、リピーターの獲得と、飲み物と一緒にオーダーする食事(=おつまみ)による収益を期待することです。これも厳密に言えば、サブスプリクションというよりも飲み放題の拡大版です。


動画や音楽などのデジタルコンテンツは会員数が増えても基本的にコストは変わりません。1件あたりのネットでの配信料はたかだか知れています。これに対して、物販のサブスプリクションでは、利用頻度が増えるとコストも比例して増えるということが出来ます。収入が継続課金で固定していますので、利益管理が難しいと言えるでしょう。


むしろ、サブスプリクションサービスとは呼ばれていない既存サービスの中にサブスプリクションに適しているサービスが存在する様に感じます。それは鉄道会社の定期券です。
一定区間を自由に乗り降りできる「移動」というサービスに対して、一定期間ごとに定期券を買い直していますが、これなども継続課金をすることが出来ると思います。


鉄道会社に関わらず、航空会社なども出来ると思います。ここでのサブスプリクションについて示唆していることは、移動というコトに対するサービスを提供していることです。サービスの質を上げることによって差別化を図ることも出来ます。この様に考えますと、
クルマの乗り換えではなくMaaS(=移動サービス)に適していると思います。


例えばコーヒーを提供するスターバックスの場合、コーヒーを購入することを目的とするのではなく、それを心地よい空間で楽しむというコトを目的とした時に、そのサービスに対してサブスプリクションが有効なのではないでしょうか。まだまだ企業は試行錯誤の途上なのでしょうが、ビジネスモデルの要点を押さえる必要があるでしょう。


今日もありがとうございます!
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