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雇用改革!

皆さん、おはようございます!
いま日本が取り組まなければいけない最重要課題は雇用改革だと思います。世界に比べて日本企業の生産性が低いことが指摘されていますが、それ以前の問題として働き手がもっと自由に遣りたいことに取り組める社会でなければ変革は起き得ないからです。



政府は、今夏にまとめる未来投資戦略の骨格を未来投資会議(=議長安部首相、国や地方の成長戦略を話し合う場)で示しました。米欧主要国に比べて低い日本の労働生産性の向上が優先課題であり、改善のためには雇用改革が不可欠だとして、今年の成長戦略の柱に据える方向性を明らかにしています。


少子高齢化で生産年齢人口(=15~64歳)が減少して行くことを踏まえて、70歳までの就業を可能とする他、兼業や副業もしやすい環境づくりを目指し、地方の活性化にも重点を置く方針です。従来の雇用慣行などで非効率になっている社会構造を見直し、生産性の向上を急ぐとしています。


雇用改革の具体策として3つを掲げています。1つは、2つ以上の仕事を兼ねる兼業や本業以外の仕事を持つ副業の促進です。兼業や副業の経験が本業の効率や意欲を向上させ起業にも役立つと言う見方を示しています。副業をしている人は2017年までの20年間で2割減った一方、副業を希望する人は3割増えているそうです。


また、兼業や副業と併せて未来投資戦略の骨子として、中途(=経験者)採用の促進も明記される予定で、雇用の流動化に重点を置く姿勢を示しています。戦後長らく続いた日本型雇用慣行も、企業に硬直的で画一的な働き方を強いる結果となり、個々人の特性に応じた多様な働き方の選択肢を整えることにより社会の活力を取り戻す必要があるでしょう。


2つ目は、この雇用の流動化とも関係することですが、特に人手不足が深刻な地方の企業で首都圏の人材が兼業や副業をしやすくする仕組みを設ける考えで、仲介役を果たす地方銀行や人材紹介会社に支援金を出すことも検討する様です。私自身、月に1~2度ほど長野県の企業を訪問していますが、首都圏に比べて人手不足が否めないと感じます。


その地域企業とは異なる経験と知見をもって仕事を通して交流することは、お互いにとって刺激にもなりますし、その結果として目的である事業が目覚しく変わりはじめることは驚きとともに、自らの遣り甲斐にも繋がります。その意味では、兼業、副業、中途採用は、働き手個人の狭まった視野を広げ、英気を養う効果があります。


そして3つ目として、70歳まで働ける社会づくりとして、高年齢者雇用安定法の改正が予定されています。現在の同法律は、企業に希望者全員の65歳までの雇用を義務付けていますが、それを単に70歳まで延長するに留まらず、他に6つの選択肢を用意しています。一つが定年制の廃止。二つ目が契約社員や嘱託などによる再雇用。


ここまでは現行法と何ら変わらないのですが、新たに盛り込まれる次の4つは目を惹きつけます。社外でも就労機会を得られるようにすることが目的で、他企業への再就職支援、フリーランスで働く為の資金提供、起業支援、NPO活動などへの資金提供です。単に生産年齢人口の減少を埋める為の施策に留まらないところに好感が持てます。


元気で意欲ある高齢者に経験や知恵を社会で発揮して貰えるよう、それぞれの高齢者の特性に応じて多様な選択肢を準備しているところが素晴らしいと思います。しかし、折角やる気のある高齢者層が多くいるとしても、働くことによって年金が減額されては意欲を削がれてしまいます。併せて年金改革も行っていくことも必要でしょう。


以上が未来投資戦略における骨子の柱である雇用改革の内容ですが、最近にしては珍しくバランスの取れた良い内容だと思いますので、是非とも安部政権にはこの成長戦略を遣り遂げて頂きたいと思います。いまの日本の社会は、左脳ばかりが働く枠組みとなっており、もっと右脳を信じてバランスの良い枠組みへと変化させて行く必要があります。


その根源は現在の企業社会にあると言って間違いありません。企業という一定の枠組みの中でばかり仕事をしていますと、その組織固有の文化に染まり切ってしまい、視野が狭まり、頭がフレキシブルに働かなくなってしまうことは良く知られたことです。その様な企業文化の中で気働きできる人が出世して行くところにも問題があるでしょう。


変革を迫られている企業も、この経営環境の速まるスピードの中で、硬直しきった組織の舵をとって行くことに限界を感じはじめています。その様な中で、政策的に人財の流動化の枠組みを作って行くことは正しいと思います。人間は、もともと自律的に動くように出来ていますので、あとは社会の枠組みを如何に変えて行くかでしょう。


今日もありがとうございます!
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