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シェアリングCFO!

皆さん、おはようございます!
この数年を振り返って思いますのは、様々な事象において急速に社会の価値観が大きく変わりつつあることです。情報化社会の到来により新たな社会の枠組みが芽生えつつあることもありますが、旧態依然とした慣習にいつまでも捉われていられないからでしょう。



スタートアップ企業に対して資本政策の作成をコンサルティングするSOICO(=ソイコ、東京都)が、財務の専門人材をマッチングするサービス「シェアリングCFO」を始めています。上場企業の経営者や新規株式公開(=IPO)準備の経験者、公認会計士らプロ人材に対して、週1日から必要なタイミングで業務を依頼できるそうです。


初期費用はかからず、稼働日数に応じて月額数万円から10万円程度の業務委託料、および資金調達時に成功報酬を支払う形を想定しています。すでに数10人のプロ人材が登録しており、今後、副業でスタートアップ企業の支援に携わりたいと考える投資銀行の社員も集めていく計画を持っています。


ソイコは、スタートアップ企業やIPOを目指すベンチャー企業の資本政策(=株式公開に向けた、資金調達、 株主利益の適正な実現、株主構成の適正化を図るための新株発行・株式移動等の計画をいう)の悩みを解決することを事業の目的として掲げ、資本政策の立案に特化したコンサルティングを手掛けています。


確かにスタートアップ企業やIPOを目指すベンチャー企業の創業者のキャリアは、営業出身者やエンジニアが多く、創業当初から財務経験豊富なCFO(=財務責任者、財務担当取締役)がコアメンバーとしてチームに入っていることは稀かもしれません。企業の草創期は、それこそ創業者らが寝食も忘れて事業立ち上げに没頭している様な状況です。


創業間もないスタートアップ企業たちにとってCFO人材の人件費を負担することも、未だ業績が不安定な状況の中では重たい支出であると言えると思います。一方で、事業を営んで行く為には、将来に向けた運転資金や設備資金の調達が必要なことも現実の問題としてあります。


スタートアップ企業たちの資金調達の方法として、銀行からの融資は難しいため、ベンチャーキャピタル(=VC、主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下する投資企業)や事業会社からの資本調達に頼らざるを得ません。その為には、資本政策が必要となり専門的な財務スキルを持つ人材が必要となります。


ソイコのシェアリングCFOサービスは、その様なスタートアップ企業たちの悩みを解決する新たなサービスであるということが出来ると思います。従来でしたら、スタートアップ企業たちは資金調達に際して無理をしてでも財務責任者を雇い入れるところですが、ソイコのサービスを利用すればスポット的に起用することが出来ます。


労力を提供する財務のプロ人材たちも、必ずしもどこかの企業に所属している人ばかりではありません。中には、スタートアップ企業の株式公開を果たし、充電期間中の人材もいることでしょう。その様な人たちは、次なる活躍の場を探すべく、スポット的に広くスタートアップ企業の財務支援に関わっているものです。


また、投資銀行やベンチャーキャピタルなどに勤務する財務のプロたちは、いずれスタートアップ企業で今まで培ってきたノウハウを生かして活躍したいと考えている人が多いものです。その様な人たちが副業制度を利用して、スタートアップ企業の資金調達支援を行いたいと考えるのは自然なことだと思います。


ソイコのCFO派遣サービスにシェリングという名称が付いているように、CFO人材を多くのスタートアップ企業たちの間でシェアするという意味で、シェアリングエコノミー(=共有経済)の人材版であるということが出来るかもしれません。労働市場における人材を求める側と労力を提供する側の合致するニーズを踏まえた新しい取り組みです。


ソイコでは、財務のプロを対象としてシェアリングCFOサービスを提供していますが、他にも営業のプロ、エンジニアリングのプロ、マーケティングのプロなど、様々な業務においても正規雇用するまでに至らない、同じ様なスポット的なニーズが存在しているものと思います。


最近、トヨタ自動車豊田社長や経団連中西会長が、立て続けにこれからの企業は終身雇用を維持することが難しい旨の発言を為しています。経済のスピードが速まる中で、新たな事業や商品を開発する為には、企業の垣根を超えたプロジェクトでその目的を達成する必要があります。その都度、外部のプロ人材をチームに引き寄せる必要があるのでしょう。


今日もありがとうございます!
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