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NTTの予防医療ビジネス!

皆さん、おはようございます!
街づくりといいますと、今までの経験からハードウエアである建物を土地の上に建てることをイメージしてしまいます。これからの時代の街づくりは、ソフトウエアとしての暮らしに必要な機能をネットワーク化して如何に意味を持たせるかということだと思います。



NTTが2020年にも予防医療事業に参入するそうです。個人のゲノム(=ある生物種を規定する遺伝情報全体のこと)と健康診断の情報を人工知能(=AI)で解析し、糖尿病など生活習慣病の予防に役立てることを計画しています。NTTは、100%出資子会社NTTライフサイエンスを7月に設立する目論みです。


NTTの持つビッグデータ解析や情報管理といった通信事業で培った技術を生かし、NTT東日本関東病院などの医師や米国に設けるライフサイエンス系の研究所と協力し、国内の大学などとの連携も進めていくそうです。まずはNTTグループ従業員のデータでAI分析の精度を高め、その上で他企業との契約を増やしていく方針です。


NTTグループは国内に約20万人の従業員を抱えており、既に過去30年分の健康情報を電子データで保有しており2020年より健診時に希望者に対してAIによるゲノム解析も予定しているそうです。ゲノム解析などを通じた予防医療を促がし、医療費の削減などにつなげたい考えです。


少子高齢化により医療財政が逼迫する中で、ゲノム解析と健康診断を結びつけることにより、今までの様な一律な健康指導ではなく、個々人に適した効果的な助言をすることが可能となりますので、企業の健康保険組合が支出する医療費削減に直結するでしょう。企業の健康保険組合に留まらず、広く国民健康保険にまで広げる必要もあるでしょう。


一方、ゲノムは究極の個人情報でもありますので情報漏洩対策には細心の注意が不可欠です。NTTでは、通信事業で培った情報管理技術を応用して厳重に管理する体制を構築する計画です。また第三者で構成する倫理委員会を立ち上げ、個人のゲノムが勤務先企業に把握され個人が不利益を被らない様な対策も講じることも考えているようです。


ゲノム解析でどの位の費用がかかるか気になるところですが、今や商業ベースで数万円で済むと言われています。数万円で自分自身の健康状態を完全に予防できるのであれば、安いものではないでしょうか。これでまた人間の寿命が延びることになります。人間にとって健康でいられることは何よりも堪え難い永遠のテーマではないでしょうか。


NTTという公営の電話会社であった企業が、自ら培ってきた情報通信技術を活用して予防医療ビジネスへと進出していくことに新たな時代の到来を感じざるを得ません。これからの時代は、自らが営んできた通信という事業領域に固執することなく、その事業のコアとなる技術やノウハウを生かして如何に新たなビジネスに置き換えるかが大切です。


確かに機密情報の管理問題など、これから確立しなければならない課題も多く含まれると思いますが、その課題を一つずつ解決して行くことがビジネスの醍醐味ということが出来るでしょう。最初から解決すべきハードルがないビジネスなどは、参入障壁の低い付加価値の低い事業だと言えます。


課題を解決することを通じて、また新たな技術やノウハウといったものが蓄積されて行くことになります。それから、これからのビジネスというものは、いままでの社会に現存する機能、NTTの予防医療ビジネスで言えばNTT東日本関東病院や米国のライフサイエンス研究所といった機能と協業することにより実現するものと言えます。


もう少し視野を広げてみますと、病院というものも私たちの暮らしに欠かせない街の機能であるということが出来ると思います。いままでも病院では定期健康診断が行われて来ていますが、ゲノム解析という先端技術と結びつけることにより、病院が持つ意味も今までのものとは異なった施設として受け止められることになります。


病院における医療のあり方にも大きな影響を与えることになるでしょう。カスタマイズ医療が急速に進み出すと思います。情報技術革新により今までの社会の枠組みがどんどんアップデートされていくことでしょう。それは医療の分野に留まらず、教育を始めあらゆる分野で、マスを対象とした社会からパーソナルを対象とした社会への転換です。


人間の全ての活動は街というプラットフォームの上で営まれています。街というプラットフォーム上には医療機関、教育機関、交通機関、商業施設、オフィス、そして暮らしの基本である家といったコンテンツが存在している訳です。それらのコンテンツがプラットフォーム上でネットワーク化されていくことがこれからの街づくりだと思います。


今日もありがとうございます!
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