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転職の薦め!

皆さん、おはようございます!
安定した生活を営むためには定職に就いている必要があると思います。しかし、人生100年時代、いくら雇用延長で70歳まで一つの会社に勤められる様になるとはいえ、一生を一つの会社で勤め上げるのは、人間の本能として薹が立つのではないでしょうか。



定年後の社員を再雇用する際の上限となる年齢を70歳に引き上げる銀行が相次いでいます。先行していた地方銀行に続き、りそなホールディングスが10月に大手銀行では初めて再雇用上限年齢を70歳に引き上げるそうです。銀行業界は不良債権の処理に追われた2000年前後の採用抑制で人員構成がいびつになっていることが背景にあります。


りそな銀行が60歳以上の従業員にアンケートを採ったところ、65歳以上も働き続けたいという希望者が4割以上に上ったそうです。寿命の延びにともなう老後資金の増加や、年金受給の開始年齢引き上げに対応するために、従業員側も現役へのニーズが高まっているということが出来ると思います。


銀行業界の定年廃止の狙いの一つとして営業体制の拡充という思惑もあるようです。顧客の中心であるシニア世代からの資産運用や相続に関する相談が増えており、同世代の社員が継続して担当することで信頼感が高まるというメリットもあるようです。今後、戦力としてシニアをどう活用するかが金融各社の競争力を左右することにも繋がりそうです。


一方、産業界全体を見渡せば、45歳以上のバブル入社組が大手企業に500万人いて、そのうち200万人は役職定年で管理職をはずれた、または管理職になれなかった社員も存在しています。過去最高益を計上する大手企業が多い中で、その裏には早期退職を募る電機、精密機械、医薬、化学メーカーといった企業が増えていることも現実にあります。


バブル入社組のような企業が抱え込む大きな人材の塊を人生100年時代において、社会にどう還元して行くかも並行して検討して行く必要があると思います。経団連では新卒一括採用という雇用慣行を見直し、通年採用に改めることを打ち出していますが、これと並行していかに中途採用を広げていくかも検討せねば片手落ちだと思います。


通年採用化の議論は、イノベーションを生む組織の実現が起点になっていると思います。
イノベーションを生み出す為には、知と知を融合させて今までにない新たな知を創出させる他ありません。それは、異なる知識背景を持つ人間が混じりあうことも必要ですが、一人の人間が様々な知を吸収し、結合させて新たな知を発見・創造することでもあります。


そもそも企業にとって、これまで人材とは何だったのでしょうか。財務諸表で表せば、有形無形のモノとしての資産とそれを調達するためのカネとしての負債を表示する貸借対象(=バランスシート)にはヒトとしての価値がこれ位だと分かるような数字としての表示は為されていません。一番大切な経営資源であるにも拘わらず不思議なことです。


ヒトの価値が数字として表示されるのは損益計算書の方で、製造原価や販売費及び一般管理費の費用として計上されることになります。費用とは、企業活動に伴って発生した当期に負担する「コスト」をいいます。コストとしての人件費は、売上に対応して計上することになりますが、意味合いとして使い切り的なイメージがあります。


しかし、企業の本来的な経済的価値を考えますと、バランスシートに計上されているモノとしての資産額を超えるブランドや無形の資産(=インタンジブル)といった超過収益力が付加価値として見い出されます。このインタンジブルとは、企業で働く社員以外の何物でもありません。社員の活力が企業の経済的価値の源泉となっている訳です。


最近23ヶ国の企業の社員に調査した仕事への熱意度によれば、日本の大企業に勤める社員のそれは最下位だったそうです。逆に欧米の社員の熱意度は高かったそうです。社員の活力がなければイノベーションは起きず、企業の見えざる資産も小さくなってしまいます。どうすれば、日本の社員の活力を高めることが出来るのでしょうか。


欧米の社員は、自らの仕事に不満を感じれば自然と企業を離れて外へ出ていき、他の場所で自らの満足を探す循環が社会の枠組みとして出来ているということが出来ていると思います。その意味では、日本の社会では転職に対して、最近は高齢者層の転職者が増えているとはいえ、まだまだネガティブな発想が先に立っているように見受けます。


転職により新たな知を発見・創造する機会が増えるものです。自然界には成長段階や環境に応じて生息場所を移る行動をする生きものが多いと言われていますが、人間も動物であることを考えるともっと自らの気持ちの趣くまま生息場所を移して行っても良いでしょう。新卒一括採用は私たちが考え出した枠組みにしか過ぎません。


今日もありがとうございます!
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