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スタートアップの集積拠点づくり!

皆さん、おはようございます!
イノベーショーンといいますと、企業固有の問題という捉え方が為されてしまいます。
人々が集積するところでイノベーションが起り得ますが、日本では企業に人々が集積してしまい、地域に人々が集積するというイメージがなかなか持ち難いと思います。



政府がスタートアップ企業の集積都市を整備する検討を始めるそうです。全国の市区町村に公募して貰い、来年度中に2~3ヶ所を拠点都市に認定する計画です。認定された市区町村は優先して規制緩和を進める特区に指定し、海外から起業家や投資家、創業支援のノウハウを持つアクセラレーターを呼び込み、新産業を起こすことを狙いとしています。


こうしたスタートアップ企業を集積させた拠点都市を設置する背景には、分野を超えた情報共有、人材連携がないとイノベーションは起らず、拠点都市を中心に起業家や投資家が集うエコシステムの形成を目指すことにあります。日本は、米シリコンバレーなど海外に比べ拠点づくりで大きく後れを取っていることも挙げられます。


都市づくりでは施設や投資家との交流機会の充実にとどまらず、外国人起業家の住環境の整備など、自治体と連携した地域全体での支援が必要であるとしています。スタートアップ企業への活動場所の提供や運営費の補助を想定するなど、誘致に必要な様々な優遇措置を考慮している様ですが、どこまで実効性をあげられるかが課題だと思われます。


確かに地域からイノベーションが起り様々スタートアップ企業が育っていく為には、地域に様々な人財が集積し、異なる分野の人財による情報共有が自然発生的に行われている必要があります。更にそれは、職住接近している街を前提としており、日本の様に1時間以上も掛けて通勤することをあたり前とする文化では成立するものではありません。


シリコンバレーの歴史を紐解きますと、第二次世界大戦までは何も存在しなかった地域でしたが、軍需産業が集積するようになり、それらがやがて半導体製造で株式を公開し出します。株式公開で得られたそれらの資金が地域のベンチャー企業へ再投資されるという循環プロセスが自然と定着して行ったところにあります。


それがやがて、アップル、インテル、グーグル、フェイスブック、ヤフー、アドビシステムズ、シスコシステムズなどに代表されるソフトウェアやインターネット関連企業を多数生みだし、今ではIT企業の一大拠点となっています。 それがまた、優秀な人財や資金を惹きつけるという好循環をもたらしているということが出来ます。


都市の形成で大切なのは、自然発生的にそれが形づくられる点だと思います。日本の都市づくりは、行政主導で計画的な都市施設づくりに偏重する帰来がありますが、本来はその地域に魅力を感じて人々が集積し、結果として人が活きづいた街が形成されるのがあるべき姿だと言えます。スタートアップ企業の集積都市も同じことが言えるでしょう。


現在の日本の国土を見渡しますと、東京に企業が集中し過ぎてしまい、支店や工場が地方に分散しています。企業が集積する地域と生活圏も分断されてしまっており、全てが縦割り構造を持つ社会となってしまっています。その様な社会構造からはイノベーションは起り難いと言わざるを得ません。


やはり地域に企業や生活圏が隔たることなく混在し、そこに様々な人財が集積して、異なる分野の人財が交わることを通して情報共有が図られる環境が自然と整っていくプロセスの中にこそイノベーションの可能性が見い出せるものと思います。その中で、企業の果たす役割は大きいものと言えるでしょう。


その意味では、政府が掲げるシリコンバレーの様なスタートアップ企業が集積する都市づくりという着眼点は良いと思いますが、余り人工的なハードウエア先行型の都市づくりは行うべきではないと思います。スタートアップに関係する人財が自然と集まって来る様な仕掛け作りが不可欠でしょう。


最近、大手企業がスタートアップ企業と連携して新たな事業や商品を創出しようという動きが盛んになってきています。両者ともに求めているのは、出会いの場だと思います。そこに可能性を見い出して、シェアオフィスやコワーキングオフィスといった事業者が、単に事務所を個割にして貸し出すだけではなく、マッチングに力を入れています。


ここに一つのヒントが隠されている様に思います。オフィスビルにその様な場を設置するばかりでなく、これから増えていく街の空き家を利用して面として場を捉えられたら街づくりに寄与すると思います。その時に必要なのが職住接近だと思います。大手企業も積極的に新規事業開発部署をその様な地域に移設して溶け込ませて行くべきでしょう。


今日もありがとうございます!
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