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会計の歴史!

皆さん、おはようございます!
会社を経営するにあたり、その時々の状況をきちんと把握することが大切だと思います。
貨幣経済においては、会計という枠組みにより会社の状況を整理し知ることが可能です。
その会計の理解を深める為には、会計の歴史を紐解くことが必要かもしれません。



会計の起源は中世16世紀後半のイタリアだと言われています。実際には、簿記の原型は中国やインドなど東方からイタリアに伝わってきたようです。当時のイタリアの経済は、東方とヨーロッパの交易の中継点として栄えています。まだ、現在のような会社組織はなく、個人や仲間内で商売(=貿易)をしていたと言われています。


その様な時代の会計は、一航海(=1回の商売)毎に収支計算を行い、黒字か赤字かを確認する様な簡単なものでした。収支計算とは、家計簿の様に現金の収入(=給料)と支出(=家計費)を記録に留めるものです。その収支計算に基づいて、仲間内で利益を分配するため、きちんと商売の状況を記録に残しておく必要がありました。


この様に、会計の起源では自分たちの商売の商売の状況を把握することを目的に行われていたということが出来ます。やがて商売の規模が大きくなり、自分たちの元手だけでは足りなくなり、外部の第三者から資金調達を行う様になりますと、その収支計算も精緻に行われる様になります。第三者へ報告をする為の資料という性質を帯びて来ます。


産業革命により経済の中心がイタリアからイギリスに移りますと、産業のあり方も蒸気機関を活用した鉄道や工業が興ってきます。産業の機械化により、商売にも生産設備を必要とする様になります。生産設備を整えるために巨額の初期投資を必要とするようになり、それを資本金として調達する必要から今の株式会社制度の原型が整えられます。


そこでの会計は、商売(=事業)を一航海毎ではなく継続して行うことを前提としていますので、人為的に会計の期間を1年間で区切るようになっています。また、それまでの資金収支計算書による方法では、巨額の設備投資を行った年には収支がマイナスになり、行わない年にはプラスになり、実態が良く分からない為に新たに損益計算書が誕生します。


損益計算書とは、例えば設備投資である固定資産をその支出をした年に全額を費用として把握(=認識)するのではなく、その耐用年数に渡り毎年均等に費用として認識させることにより、毎年の利益を平準化して計上できるようにしたものです。巨額の資金調達をする必要から、便宜的に生まれて来た見積り計算の手続であると言えます。


この損益計算書の考え方がいま現在にも続くことになります。また、会社による見積り計算は恣意性(=厳密な計算に寄らずに適当に行うこと)の高い手続である為に、第三者により確認を行う必要から会計士という職業が誕生しています。この時から、会計が会社の経営判断の為だけではなく、株主や銀行への報告目的の色彩を強めて行きます。


経済の中心がイギリスからアメリカに移ります。広大な土地を多くの移民者により開拓して行くことが経済の原動力となっています。歴史のない土地に社会を築き上げていくには、標準化という合理的な思想を必要とし、いまの規模の経済を追求する工業化社会が生まれます。何でもスケールが大きな国となった理由が窺い知れます。


自動車産業における流れ作業による工場生産、商業施設のチェーンストアオペレーションなどを見れば明らかですが、規模の経済を追求しますと、イギリスでの経済とは比較にならない位の大きな資本を必要とするようになります。資本金を広く民衆から集める必要から証券市場が誕生し、発展して来ています。


そこでの会計の変遷を見ますと二つの大きな特徴を見い出すことが出来ます。一つは、会計の目的が、広く投資家(=将来の潜在的な投資家を含む)から資金を調達する必要から、それら投資家に会社の財務諸表を厳格に報告することにあったこと。その為に、制度としての会計基準が整えられ、また公認会計士という仕事が設けられています。


そして、会社の規模が非常に巨大化してきたことから、投資家へ報告する目的の会計では経営者が会社の業績を把握する為の羅針盤になり得えず、新たに管理会計という枠組みが派生的に誕生しています。管理会計とは、例えば巨大化した企業の状況を精緻に把握する為に、事業部門別に損益計算を行ったり、製品別に損益計算を行うものです。


また、いまでは財務諸表の一つとなっている製造原価計算書が、管理会計の一種として誕生しています。製造原価計算書とは、製造業において製品を製造するのに必要な材料、労務費、経費(=製造原価)を分かり易く纏めた計算書です。製造原価が分からなければ、販売価格を付けることが出来ません。これで財務諸表の原型が整うことになります。


今日もありがとうございます!
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