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ゴディバの価値!

皆さん、おはようございます!
クラフト製品が受け入れられ需要が大きく伸びると、やがて工業製品化への岐路に立たされます。その製品の本来的な価値を守る為には手づくりを貫き通すことだと思います。しかし、その価値を世界の多くの方に受け取って貰いたいというジレンマもあるでしょう。



ベルギーの高級チョコレート会社「ゴディバ」の日本事業を売却するという話しがあります。ゴディバ社は、2007年よりトルコ食品最大手ユルドゥズ・ホールディングスの傘下にありますが、トルコとトランプ米政権の関係悪化を背景に、トルコの通貨リラが急落し、過去の大型買収で抱えたドル建て負債の圧縮を急ぎたい事情があるようです。


トランプ米政権の余波がこの様なところにも出ているのかと感心している以前に、ベルギーの創業100年にも上る老舗チョコレート会社が資本の論理で振り回されるのは、不甲斐なくも思います。ゴディバ社の歴史を紐解いてみますと、創業は1926年にジョセフ・ドラップスがブリュッセルにて設立しています。


1956年に販売店をグランプラス広場に開業、1958年にはパリのサントノーレ通りに販売店を開いて国外進出を果たしています。その後、1966年にはキャンベル・スープ・カンパニーの支援を受けて米国フィラデルフィアやニューヨーク5番街にも進出しています。1972年に米キャンベル・スープ・カンパニーの傘下に入っています。


アジアには1972年に日本橋三越に第1号店を開業。1998年には香港、2009年に台湾、シンガポール、中国、そして2010年にトルコに進出しています。
現在、世界100ヶ国以上に約650店もの出店を行い、 ロンドンのカフェ・ゴディバの経営や、インターネットを通じた通信販売事業も手掛けているそうです。


日本事業は、食品商社の片岡物産による商品の輸入販売で始まりまり、現在では日本全都道府県の路面店、百貨店、ショッピングセンターなどに約300店を構え、売上高400億円に上るそうです。2015年には片岡物産との契約を解消した後は、全ての店舗がゴディバジャパンによる直営となっています。


日本のチョコレート市場は、7年連続で過去最高を更新しており、2017年の市場規模は5500億円です。健康効果が注目されており、大人の需要が増えているそうです。
ゴディバジャパンは、日本のギフト用チョコ市場の26%と首位を占めており、高級チョコ市場で大きな存在感を持つようになっています。


ゴディバはベルギーで創業し、欧州諸国へ進出したことは地政学的に充分にあり得る話だと思います。その後、なぜキャンベル社の支援を受けるに至ったのかは分かりません。
創業者が引退を考える年齢であったのか、業績不振だったせいでしょうか。それでも、その時の判断が、その後の事業を変える大きな岐路であったことは間違いありません。


米国、アジア太平洋諸国へ、更には日本国内での販売網を築き上げたのは、キャンベル社から支援を受けてからのことです。それまでのゴディバ社は、きっと高級チョコの老舗企業として欧州各国にその名を轟かせる企業だったのではないでしょうか。勝手な思い込みかもしれませんが、手づくり感を醸し出していたと思います。


資本の論理で規模の経済を追求するようになってからは、多店舗展開により経済的な付加価値を高めて来たと思いますが、それは新規出店を行うからであり、既存店舗の売上は必ずしも事業成長と同じくらいに成長していたかは疑問だと思います。最近では、少なくとも日本国内においては多店舗展開をしたが故に市場に飽和感が出ているように思えます。


こうなって参りますと、メディアにより醸成したブランド力をも維持することも難しくなるのではないでしょうか。本来であれば、創業以来の手づくり感や老舗イメージが色褪せる前に多店舗展開を止めてブランド力を維持すべきではないかと思います。ある一定の臨界点を超えると、急激にブランドの色が褪せてしまいます。


それ以前に、キャンベル社から支援を受ける前に、まだ誰が見ても老舗企業と言えた段階で急激な多店舗展開を止めていれば、経済性だけでは計れない事業としての本来的な価値を高めることが出来たのではないかと思います。必ずしも資本の論理による経済的な付加価値を求めることだけが社会にとって有益なのか疑問に思います。


その後のトルコユルドゥズ社への経営権譲渡、そして今般の日本事業の譲渡計画を踏まえて、ますます多店舗展開にドライブを賭けざるを得なくなるのは間違いありません。
チョコ市場が伸びているからといって、一度失われた名門企業の名声を取り戻すのは難しくなります。私たちにとっての豊かさとは何か、それを考えてみる時期かもしれません。


今日もありがとうございます!
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