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働き方改革の本質!

皆さん、おはようございます!
昨晩21時には寝入ってしまいましたので、今朝は4時には目が覚めてしまいました。
空を見上げますと、雲の切れ目から射し込む僅かな月の明かりで、夜明け前の静寂(しじま)と雲のコントラストが綺麗に見えます。



全日本空輸傘下のLCCピーチ・アビエーション(=ピーチ航空)とバニラ・エア(=バニラ航空)が経営統合するようです。日本の航空業界も2010年代初頭に本格的なLCC参入の幕が開きましたが、大手航空会社と一線を画し唯一独自色を保ってきたピーチ航空も昨年、全日空の子会社となっていました。


もともとバニラ航空は全日空子会社として設立されたLCCであり、LCC各社の中で群を抜いて躍進していたピーチ航空に統合させることは、既定路線であったと言えるかもしれません。全日空からみれば、グループ内に2社もLCCを持つ意味がありませんので、統合して規模の経済を追求したいと考えても不思議はありません。


航空事業は航空機という装置を利用する規模の経済が働く事業であり、これによりアジア方面の国際線を拡充して、マレーシアのLCCエア・アジアをはじめとする海外勢との競争を強化して行こうとするものです。全日空グループ全体から見れば、格安運賃のブランドを強化することにより、全日空とも相互補完効果が得られるという考え方でしょう。


M&A戦略という観点から見れば、非常に分かり易い取り組みであると思います。
2020年に東京五輪・パラリンピックを控えて、4000万にものインバウンドが日本を訪れると予測される中で、航空産業は重要なインフラでもあります。LCCなら地方発着の国際線就航も考えられますので、地方創生の一役を担うことも期待できます。


一方、日本たばこ産業(=JT)は、ロシアのタバコメーカーであるドンスコイ・タバックを1900億円で買収するそうです。JTは既にロシアのタバコ市場のシェア3割を占有していますが、今回のドンスコイ社の買収によりシェアを4割に引き上げるそうです。
国内事業の苦戦が続く中、安定した収益源を海外事業に見い出していると言えます。


JTは今までにも、スーダン、エジプト、ブラジル、ドミニカ、米国、フィリピン、インドネシア、エチオピアといった海外諸国のタバコメーカーを買収し続けており、海外市場の獲得を鮮明にしています。それは、国内事業が加熱式タバコの普及により、市場の縮小に歯止めが掛からない危機感にあると思われます。


この2月度の紙巻きタバコの販売本数が前年同月比で17%減少しているそうです。
タバコ専業メーカーとして、これはこれで正しいM&A戦略なのでしょうが、どことなく将来性を感じさせないのはタバコという商品自体に期待を持てないからでしょうか。
また、連結売上高を高めることは出来ても、それがどの様な意味を持つのでしょう。


企業という枠組みの中では、市場占有率を高めて行くことが常套手段なのですが、企業も一市民であることを考慮しますと、企業としてどの様な価値を提供してくれるのか明確にして行く必要があると思います。企業に投入した資本を増殖させる箱としては理に叶っていると思いますが、今の企業に求められているのはその様なことでしょうか。


人口減少、少子高齢化といった社会の前提が転換点を迎える中で、既存産業の市場規模は様々な業界で縮小して行くと考えられます。その様な市場環境の中で、企業が資本の論理だけで経営を行っていては、今般のJTの海外戦略の様に国内で蓄積した資金を海外に投資するばかりとなり、国内から資金が流出する結果となってしまいます。


昨日のブログで記した北原国際病院の例ではありませんが、様々な社会問題が顕在化して来る中で、それを解決して行くのは私たち個々人の英知です。企業も私たち個々人が集まった組織体であるはずです。企業を司っている方々が、資本の論理だけを唯一のベクトルとするだけではなく、それらの課題を解決するビジョンを明確にすべきでしょう。


いまの上場企業は、ビジョンを描き切れずにいる様に思えます。自らが持ち得る事業資源を活用して、それをどの様な社会のニーズに活かして行こうとするのかが出て来ません。現状の企業を維持して行くことに精一杯なのかもしれませんが、結構、会議の為の会議の様な無駄な業務も多々見受けられるのではないでしょうか。


企業が社会問題を解決して行く公器として変わって行くためには、まずは働き方改革を推し進めて行くべきでしょう。巷では、なぜ今それを行うのかが分からないという議論もあります。それは単に生産効率を高めるだけではなく、そこで働く個々人がどれだけ創造力を高めて社会に貢献して行くかを追求してこそ、真の働き方改革ではないでしょうか。


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