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キリンHDの独自経営!

皆さん、おはようございます。
平昌五輪も終わり、次なる五輪はいよいよ2年後の東京ですね。
どの様な状況でも力を発揮できるスポーツ選手の冷静さは素晴らしいですね。
月日が流れゆくのは早いですが、日々、着実に歩みを進めて行きたいものです。


昨日、キリンホールディングス(=キリンHD)について記しました。なぜ同社は資本の論理だけに呑みこまれることなく、海外の酒類メーカーの買収合戦により傘下に納める様な方針を採らず、クラフトメーカーとの協業関係を築くといった独自路線を歩むことができるのかを考えてみたいと思います。


一般的に株式を上場した企業は、継続的に成長することにより株主に対するリターン(=増配、または株価上昇)を増やし続けなければならないという、ファイナンスの教科書に記載されている呪縛を背負うことになります。そこで時間を買う意味と留まることのない規模の経済の追求という意味からM&Aを経営方針の上位に掲げる企業が増えています。



ところがキリンHDは、愚直なまでにお客様の声に耳を傾け、地道にクラフトビールメーカーとの連携関係を築く経営方針を採っています。クラフトビールのブランドを手中に納めるために買収するという選択肢もあると思いますが、敢えてそれをしていません。
それは、買収した時点でクラフトビールの本質が失われてしまうからだと推察します。


むしろ、中小企業であるクラフトメーカーを育成して行くこと、共存共栄することにより、利益は後からついて来るとまで言い切っています。規模の経済を追求することにより失われるものがあることを知り尽くした上で、自らの製造、マーケティング、物流、販売というプラットフォームを貸し出すビジネスモデルを編み出しています。


キリンHDの代表取締役である磯崎社長は、入社当初関西の営業所に配属になり、グループ会社である小岩井乳業の高級チーズを販売する営業マンだったとのことです。このチーズがなかなか売れず、直接試食販売をしたらお客様の誰もが美味しいという声だった。
ただし、価格が高かったことが販売が振るわない原因であることを突き止めました。


そこで、6個パックで割高感があった商品を個別パッケージで1個ずつ販売することを思いつき会社に提案するが、個別包装に賞味期限のプリントは出来ないという大企業特有の壁に突き当たってしまいます。そこで、自ら兵庫にある工場に掛けあい、包装にプリントをして貰うよう調整を行い、それが出来るようになったことがあったそうです。


一方、兵庫にある工場の跡地にキリンHDがホテルを開業し総支配人として仕事に携わっていた時のこと、客室の稼働率が思い通りに伸びずに合理化を進め、当時、夜間勤務は3名体制でないと運営を廻すことが難しいと言われる中で、自ら一人で夜間勤務をこなし、それが他の従業員に伝播して、業績を大きく改善したという逸話を持つ方です。


そして、キリンHDが事業の選択と集中を経営企画室長として進める中で、渋る部門長を説得するために、自らが手塩を掛けて育てて来たホテルを断腸の思いで売却をしたこともあるようです。お客様の声に真摯に向き合い、また人間の機微をよく知り尽くす方なのでしょう。


そんな磯崎社長のお人柄と、資本の論理に迎合することなく独自の経営スタンスを貫くキリンHDの経営方針が重複して見えるのは言い過ぎでしょうか。同社が、企業と社会の両方に価値を生みだす企業活動を目指す取り組みであるCSV(=Creating Shared Value)を重要な経営方針として位置付けていることには深い意味がありそうです。


資本の論理とは、それを利用し事業を営むものであり、利用されてはなりません。
規模の経済もこの150年の間に追求された一つの経営のあり方に過ぎません。
情報技術の進展により、企業が規模の追求から解放された(=共有経済など)とき、必ずしも規模を追い求めるだけが経営のスタンダードではなくなるでしょう。


今日もありがとうございます。
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