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リストラクチャリングの目的!

皆さん、おはようございます!
両利きの経営の中に探索と深化という概念があります。新しい事業イノベーションと既存事業を洗練化させることですが、企業にとってみれば相互に対立する活動であり、両方を同時に進めることは容易いことではありません。どう経営資源を選択と集中させるかでしょう。



企業や事業のリストラクチャリング(=再構築)といいますと、財務的な観点に偏重して経済価値を高めるべく収益率を上げるために大胆にコスト削減を行ったり、資産効率を改善すべく未稼働資産を換金する手法が蔓延っている様に思います。特にハゲタカファンドと揶揄されるバイアウトファンドなどは、買収した企業や事業の価値を高めねば利益が出ません。


その上で同業他社に買収時より高い価格で売却すれば手っ取り早く利益を享受することが出来ます。企業や事業の経済価値を高めるためのセオリーに従い投下資本を最小化して利益率を最大化すれば良いと考えるのが常套手段でしょう。しかし、本来のリストラクチャリングは旧態依然としたビジネスモデルを新しい時代に合致した内容に改編することにあります。


コーポレートファイナンスの視点からのみではなく、ビジネスライクな観点からリストラクチャリングを行うことが大切だと考えます。最近、セブン&アイ・ホールディングスのイトーヨーカ堂が北海道・東北・信越地域の店舗を撤退する方針を打ち出しています。これなどはグループの株価を高めることを意識した財務リストラクチャリングの発想だと思います。


イトーヨーカ堂という業態が陳腐化してしまい時代に合わなくなっているなら、新しい時代に合致するビジネスモデルとしての業態を開発していかなければ、いずれその他の地域のイトーヨーカ堂も撤退せざるを得なくなってしまいます。イトーヨーカ堂の最大の事業資源は駅前に出店している立地だと思います。この好立地を活かして新しい業態開発すべきです。


流通業という定式化された過去からの業態慣習に捉われすぎているのではないでしょうか。立地の良い店舗に出店したいビジネスを営む事業者は数多いるはずです。別に商品を仕入れてそれを店舗というショールームに在庫して販売するばかりがこれからの時代のビジネスモデルではないはずです。商品を売りたい人と商品を買いたい人をマッチングさせる場です。


これまではイトーヨーカ堂が仕入れた商品をお客様に売ることばかりに拘り過ぎていたのではないでしょうか。ただ単に仕入れた商品をカテゴリー毎に売り場に陳列するのみならず、
お客様が望んでいる生活シーンに合わせてライフスタイルを提案する企業になってみては如何でしょう。そうすれば商品ごとの相互補完効果が生まれ付加価値を提案できるでしょう。


また、その時にイトーヨーカ堂自ら商品を仕入れることなく、百貨店の様に消化仕入れでもいいでしょうし、もっと新しい方法で業務受託手数料として商品を預かり、イトーヨーカ堂は企画販売と販売促進に特化しても良いでしょう。情報化社会ですから、店舗で収集されるお客様情報を分析して、それを必要とするビジネスを営む方々に販売しても良いでしょう。


その位の大胆なリストラクチャリングを図らなければ、本当の意味での企業の経済価値を高めることは出来ません。このライフスタイル提案という考え方がビジネスモデルであり、それをどの様な方法で実現するかを考えるのがビジネスストラクチャーです。ビジネスストラクチャーは、当然に企業や事業の採算性や経済価値を考慮しながら考えることになります。


今日もありがとうございます!
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