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大和ハウスの高級ホテル客室分譲事業!

皆さん、おはようございます!
固定化された概念というものは陳腐化することに留意が必要だと思います。概念化された時代的背景というものがあり、その背景が時間とともに移り変われば、当然にその概念の意味も異なって来るからです。例えば、厚生労働省が管轄する法律関係は最たるものでしょう。



大和ハウス工業は2026年までにホテルの客室分譲事業を始めるそうです。北海道や沖縄といったリゾート地などで高級ホテルを含めた物件を開発し、1部屋ごとにホテルの区分所有権を売り出す計画です。購入者が使用していない時は、インバウンド(=訪日外国人)客を中心に部屋を貸し出すことで収入を得られるビジネスモデルを企図しているといいます。


インバウンド旅行が盛り上がる中、投資の選択肢を広げたい富裕層やビジネスパーソンらの需要を取り込む構想です。開発するのは「ホテルコンドミニアム」と呼ばれる商品で、分譲マンションと同じように1部屋ごとに区分所有権を販売します。もちろん購入者も宿泊できますが、使用しない期間は部屋を外部の宿泊客に貸し出すことが出来る様にするそうです。


予約管理や清掃はホテルの運用会社が担い、持ち家や他の別荘やリゾート型の分譲マンションよりも管理の手間が少ないといえます。既に北海道や沖縄県で土地の選定を始めており、北海道ではオーストラリアや欧米、アジアの観光客が数多く訪れるニセコ町や倶知安町、観光の拠点となる札幌市内での開発を検討しています。どこも地価が高騰している場所です。


沖縄県では那覇市の繁華街「国際通り」付近などを想定している模様です。温泉などの施設を備えた既存ホテルを買収することも検討するそうです。所有者が貸出す場合の宿泊価格は1部屋1泊3~4万円を想定しています。資産価値を高めるため、外資系も含めた著名ブランドホテルの誘致も視野に入れています。想定するホテルや客層の割には安過ぎる位です。


大和ハウス工業は、これまで大阪府や京都府で米ヒルトンホテルと連携しホテルを開発しています。著名ブランドを冠した分譲ホテルを開発できれば、インバウンドの宿泊も期待できるでしょう。特に北海道は宿泊客の多くでインバウンド需要を見込んでおり、手堅い投資対象となると思います。これ以外にも長野県白馬などでも分譲ホテルの展開が可能でしょう。


この分譲ホテルは40年以上も前にも開発ラッシュが起きており、特に目新しいものではありませんが、当時はインバウンド客もおらず名立たるブランドを冠したホテルではなかったと思いますので、いずれも失敗に終わった経緯があります。大和ハウス工業にしましても、当時に分譲ホテルに参入した経緯があり、いまが正に事業機会であると考えたのでしょう。


その後、分譲ホテルでのホテル運営ノウハウをダイワロイヤルホテルという割とグレードの高いホテルとして活かしてきた経緯があります。持てるノウハウを活用した市場環境が整ってきたと言えるでしょう。果たして3~4万円の少し高級なホテルクラスで魅力的な投資対象と言えるのか疑問が残ります。きっとブームが去った後のリスクを考えているでしょう。


分譲ホテル建設は当然に大和ハウス工業自身で行いますし、建設後の建物を所有する為に自己資金を投下する必要もありません。また、建物の管理費や直営ホテルの場合は運営費を投資家から徴収することになりますので、財務上の投資対効果は非常に高くなるでしょう。一見、上手いビジネスの様に思えますが、会社として何を目的として達成したいのでしょう。


今日もありがとうござます!
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