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イトーヨーカ堂の店舗立ち退き!

皆さん、おはようございます!
自分が何処へ向って行くのか考えることは大切ですが、その答えは向こうからやって来るという方が正しいと思います。それは頭で判断するのではなく、五感によって感じながら直感で捉えることです。そうやって感じ続けていないと、やって来ていることに気付けません。



セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が都内の一等地の店舗から立ち退くを決定したそうです。建物と敷地を所有する地元不動産会社との訴訟で敗訴が続き、最高裁で勝てる可能性が低いと判断。後継店舗として競合他社のイオンリテールが出店する見通しだといいます。なんとも無様な負け戦の様相ですがイトーヨーカ堂はどうしたのでしょう。


対象店舗はイトーヨーカ堂上板橋店です。東武東上線上板橋駅から徒歩2分程の好立地に位置する、衣料品なども扱う4階建ての総合スーパーです。地元不動産会社の小宮恒産と賃貸借契約を結び、1971年に営業を開始しています。築年数にして52年も経過していますから、本来は建て替えの時期なんでしょうが老朽化を理由に減額交渉でもしたのでしょう。


イトーヨーカ堂はスーパーの売上高減少に伴う業績悪化を受け、2000年以降に複数回、賃料減額を小宮恒産に要請してきた経緯があります。23年間にも渡る賃料減額交渉とは恐れ入ります。当初、小宮恒産は賃料減額に応じてたと言いますから、当然にイトーヨーカ堂側にも売上を高めるためにどれだけ営業努力を行ってきたのかが問われるものと思います。


この点に関して、小宮恒産側もイトーヨーカ堂が店舗を建て替えるなど収益改善に向けた抜本的な改善策を提示していないことを指摘しています。一般的にスーパーマーケットなどの建物賃貸借期間は20年だと考えられます。その契約期間が満了した後の契約更新に際して
、イトーヨーカ堂と小宮恒産は度重なる交渉を続けてきたものと考えるのが自然でしょう。


建物が老朽化すれば売上減少することは理解できます。そうでなくとも周辺には競合他社が店舗を新設しているでしょうから市場のパイの奪い合いどころか、パイを奪われ続けてきたのでしょう。それにも拘わらず、抜本的な対策を打たずに賃料減額のみによって業績を維持しようとしてきたイトーヨーカ堂の方に無理があり、経営姿勢が問われるものと思います。


業を煮やした小宮恒産は2021年末で契約終了をイトーヨーカ堂を通知しています。イトーヨーカ堂が任意で退去しない状況を背景に、建物明渡請求を2021年に東京地方裁判所うに提訴していますが、一般的にも当然の流れでしょう。一審の東京地裁での判決は貸主である小宮恒産側が勝訴するばかりか、東京高裁での二審も小宮恒産の勝訴となっています。


イトーヨーカ堂としては、最高裁に上告しても勝てる見込みがないことから、最終的に退店する方針を固めたようです。それにしても不思議なのは、なぜイトーヨーカ堂側は東京高裁で敗訴判決を貰うまで深追いしたのでしょう。当然に代理人弁護士が就いている筈ですから勝てない訴訟であることは店舗管理担当役員ばかりか経営陣に伝わっていたことでしょう。


私にも経験がありますが、大手企業になりますと稚拙な判断とプライドが入り混じって弁護士に任せておけば良いという無責任さが働くものです。その時の経験から言えることは、経営者が無責任な期待を持って弁護士に全面委任するなら経営者はいらない、ということです
。最近のイトーヨーカ堂グループはどうも無責任な官僚体制が蔓延っている様に思えます。


今日もありがとうござます!
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