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人が価値を生む時代!

皆さん、おはようございます!
今日は朝一番のあずさで松本へ向かいますので、少し早起きです。。
11月になり気温も一段と下がり、今年の冬は寒さが厳しいのでしょうか。
きっと大陸からの偏西風が、今年は強いのでしょう。


最近、企業の株価を見ていますと新興企業が元気よく、
今までの製造業を中心とする企業とは異なる特徴が見てとれるようです。
皆さん、PBR(=株価純資産倍率)という言葉をご存知でしょうか?
1株あたりの純資産額に対して株価が何倍になっているかを示す指標です。


米グーグルやアップルはPBRが4~7倍であるのに対して、世界の名だたる製造業であるGEは2倍程度です。ご参考までに、日経平均PBRは1.3倍です。
製造業は、生産設備や工場といった固定資産が利益の源泉となっており、成長にはどうしても資本力が不可欠となります。


これに対して米グーグルやアップルは、システムやソフトウエアといった無形の製品を作っています(※※)ので、製造業の様に膨大な設備は必要としません。多様なエンジニアという「知的財産(=人の知識)」を拠り所として「無形の製品」を創りますので、製造業の様に多大な自己資本(=純資産)を必要としないのですね。


※※アップルはPCやiPhoneを販売していますが、基本的に自社で工場は持ってお 
  らず、外部の企業に委託生産という形をとっています。


また、「製品」を製造するよりも、システムやアプリケーションを開発する方が、単位あたりの投資額に対する利益(=投資対効果)が大きくなる特性があります。
更に、何と言いましても時代の流れが情報化社会ですので、ハードウエアよりもソフトウエアの方が消費需要が旺盛であり、その分、株式市場の期待も高くなっている訳です。


日本の新興企業でも、スタートアップの未上場22社が企業価値100億円を超えている(=企業価値10億ドルを超える企業をユニコーン企業と言う)そうです。
代表例としてメルカリ(フリマアプリ)、sansan(クラウド名刺管理)、freee(クラウド会計)など、良くご存じの会社が名を連ねています。


ちなみに世界のユニコーン企業を見ますと、ライドシェアリングの米Ubarが680億ドル、同中国の滴滴が500億ドルと上位企業は米国と中国の企業ばかりです。
何れもシェアリングエコノミーやFintechといったクラウドアプリケーションソフト(=プラットフォーム)を提供している企業であることに気が付きます。


海外勢に比べると日本の新興企業の規模、数ともに小さい。スタートアップ企業に供給する資金規模は米国の2~3%だそうです。大企業から転職する人材も少ないようです。
日本の社会では、まだまだ情報化社会が到来していることに対する認識が薄く、来るべき将来に対するビジョンが描き切れていない為ではないでしょうか。


いま来日している米グーグルの副社長兼CFO(=財務担当責任者)のコメントを見ていますと、M&Aの目的が新しいサービスを買収することもさることながら、多様な人材を確保することが主目的であるそうです。また、多様な事業を効率よく管理する為にはホールディングカンパニー(=持株会社)化が必要であることを説いています。


財務的な観点から見ましても、生産性を高める原動力が機械から人間(=知的財産)への移り変わりが顕在化しつつあり明確です。未だ日本は従来からのモノづくりを前提とした社会の仕組み、価値観の中にありますが、実は既に情報革新というもっと大きな渦の中に私たちが呑み込まれているのではないでしょうか。


東芝は上場廃止を避けるために、半導体事業の売却を進め、それが遅延するリスクをも想定して、6000億円もの増資を決定したそうです。一方、トヨタ自動車では来るべきクルマのEV(=電気自動車)化、IT化に備えて、様々な新興企業との連携を深めています。三菱重工も、開発に置いて外部から人材やベンチャーとの連携を強めるそうです。


これからのスピードの速い情報化社会において、巨大な生産設備を構えて機械でモノづくりに勤しむだけではなく、自社内に持たざる独創的なアイディアやノウハウを外部の人材に求めて、企業組織をフラット化、多様化して行くことが不可欠でしょう。その意味で、トヨタ自動車や三菱重工の様な新たな兆しも見えつつあるように思います。


政府の知的財産戦略本部が、AI(=人工知能)やIot(=モノがネットワークに繋がる)の活用促進を図るために、企業が保有する知的財産価値の評価基準の検討を開始するそうです。知的財産価値の源泉は人のアイディアやノウハウです。いまの財務諸表では、知的財産価値は評価基準が曖昧なので、資産として計上できないことになっています。


その意味では、是非とも評価基準が確立しIT企業の利益の源泉を見える化し、製造業との財務諸表の違いが比較できるようにすべきでしょう。
貸借対照表にどれだけの知的財産が計上されているかを見ることが出来れば、製造業とIT産業の事業構造の違いが、株価や企業価値との関係で明らかになると思います。


会計情報という仕組みを変えて行くことも、社会の仕組みを変えることの一部でしょう。
収益の源泉が機械から人に移行する時代においては、
多様な人々を呼び込み、彼らが共同で新しい知識を創造していくことが、企業にとっての財産となります。情報化社会は、人が価値を生む時代と言えるでしょう!


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