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中小事業再構築の意味!

皆さん、おはようございます!
長年、財務に関わっているせいか、最近では苦手意識がなくなって来た活字よりも、やはり数字を頭の中で転がしていた方が直感が働くと言いますか、様々に自由な発想ができるようです。0から9までの数字を使用して、どの様に表現をするかを考えるのが楽しいのです。



中小企業は日本企業全体の99%超を占めており、従業員数では約70%にも達しています
。手厚い公的支援策が用意されてますが、それはある意味で中小企業を守って行かなければ日本の経済が立ち行かなくなってしまうからです。一方、中小企業の生産性の低さが問題視されており、半数以上の企業が赤字法人と言われる現実があることも忘れてはなりません。


中小企業の平均的な経常利益率は3~4%台であり、大手企業の約半分の水準に甘んじています。労働生産性(=従業員1人当り付加価値額)についても同様のことが言えます。この点については、成長できずに中小企業のまま留まざるを得ないポジションとなっていることが否めませんが、それら中小企業の力が無ければ大手企業すら立ち行かないのも事実です。


日本経済の浮揚には、生産性の低い中小企業の淘汰があって然るべきだとする意見もあるようですが、私はその様な考え方には立てません。例えば、雇用面への影響を無視することも出来ないでしょう。極めて生産性の低い借金も満足に返済できない企業の数は、概ね中小企業数全体の10~15%存在しており、従業員数換算すると100万人を超えるでしょう。


また、下請けいじめの問題もある様です。大手企業が下請け中小企業に無理な取引条件を強要したり、不当な手数料を取り立てたりしている現実もあります。下請法違反の指導・勧告件数は増加傾向にあり、年間で8千件にも上ると言いますので驚かされます。仕事で中小企業に関わっていますが、そのすべての企業において下請けいじめがあると受け止めてます。


見方を変えれば、大手は中小企業の犠牲の下で生産性を上げているということになります。下請けいじめでなくとも、大手企業の過度なスケールメリットの追求により部品点数を極端に減らすなどの理由で、下請け企業との取引を止める事例まで含めますと、現実には相当数の中小企業が大手企業に泣かされながら、事業を継続している実態が浮き彫りになります。


面白いことに、中小企業の生産性上位10%が大手企業の中央値を上回っており、逆に大手企業の下位10%は中小企業の中央値を下回っているとの統計もあり、必ずしも中小企業の業績が劣っているとは言えないようです。日本経済にとって大切なことは、雇用に配慮しながら、取引慣行を注視して、生産性の低い下位90%の効率性を上がていくことでしょう。


現在の産業構造は未だ古き良き時代の名残があります。原材料が商品として最終消費者の手に届くサプライチェーンを見れば明らかであり、誰が見ても無駄としか思えない流通経路、ならびに需給バランスの見誤りによって在庫調整などが日常茶飯事で行われています。これからの時代は、必ずしも規模の経済だけを追い求めることが常套手段ではないと思います。


これからは中小企業であっても、最終消費者に近付いていく新しいビジネスモデルへの変革を大胆に行っていけば、生産性を高めることが可能だと思います。その為には、情報化投資など事業基盤を整えていく必要があり、情報化投資が避けられない場合もあるでしょう。そこに金融機関としての真価が問われるのであり、事業を目利きする力が必要となるのです。


今日もありがとうござます!
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