誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

中小「経営者保証」制限!

皆さん、おはようございます!
事業に失敗すると、その瞬間の肉体的、精神的な負担は言葉でいい表せないくらい負荷が掛るものです。そして、その生々しい瞬間が過ぎ去っても、そこで受けた痛手が癒えるのに相当の月日を要するものかもしれません。しかし、そこで得た経験は掛け替えないものです。



金融庁は2023年4月から、金融機関の中小企業向け融資で経営者が個人で背負う「経営者保証」を実質的に制限するそうです。メガバンクや地方銀行、信用金庫といった預金取扱金融機関は、経営者保証の必要性などの理由を具体的に説明しない限り、経営者保証を要求できなくなります。金融庁としては個人が起業しやすい環境を整備することを狙ってます。


一方、金融機関は融資先に対する目利き力を問われることになります。この一報を知った時
、正直嬉しくなりました。日本の金融システムならではの悪しき慣習に、ようやく歯止めが掛るからです。確かに個人が起業をする際や中小企業が金融機関から融資を受けようとすると、金融機関からなんの説明もなく当然とばかりに連帯保証を求められる現実があります。


金融機関の論理からすれば、経営を司る中小経営者が融資を依頼するということは、その資金使途である事業に対し、成功させる自信があるからであり、ならば連帯保証をしても経営者にとってリスクはないはずである、という考えになります。もし、融資が実行され返済が滞るものなら、血相を変えて経営者自身の命に替えてでも耳を揃えて返済せよとなります。


もちろん資金を調達するということは、そのくらい厳しさがあることは覚悟すべきなのですが、金融機関の論理にも矛盾があり、その様なことをいう割にろくに事業の返済可能性を評価もせず(=できず)、経営者保証や不動産担保があればホイホイと融資を行う問題もあります。本来、中小経営者と金融機関はイコールパートナーであるべきではないでしょうか。


戦後護送船団方式で競争にも晒されず今日に至っている金融機関は、その意味で本当のビジネスの厳しさを知らずにせっせと預金を増やし融資に回すことばかりを行ってきたと言えるでしょう。金融機関という資金を商品とするビジネスを営むからには、自らリスクを獲らなければなりませんし、その回避策として単に融資先にツケを回すだけでは能がありません。


もっとプロらしく、金融工学という専門技術を活かしてリスクをコントロールすることも出来ますし、それ以前に融資先企業を育成するという意味からも事業に対する目利き力を養う必要があるでしょう。事業に対する目利き力ばかりは、いくら教科書によって知識を身に付けた所で役立つ訳なく、自らも事業を営み失敗する経験をも積んでいく他ないと思います。


心・技・体がバランス良く整わなければ目利き力なんて身に付けることは出来ないというのが持論です。その意味では、人間としての暗黙知が問われることになるのでしょう。金融機関も、新卒一括採用により独自の企業文化に染め抜いてやるなどという浅ましい考えを排して、もっと起業経験者などを活用していく器量がないと生き伸びることは難しいでしょう。


恐らく、来春施行される経営者保証制限により、新機軸を打ち出せない数多の金融機関は貸し渋りを行うと思います。金融庁は、その様な貸し渋りに対しても行政指導を徹底していく構えです。そのくらい強い態度で挑まないと、旧態依然とした金融機関の悪しき慣習は変わらないものと思います。中小経営者もそれに甘んじることなく襟元を正す必要があります。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する